ホーム > ASEAN再活性化への課題
ASEAN再活性化への課題
本体2,700円+税
ISBN 9784750333281
判型・ページ数 A5・240ページ
出版年月日 2011/03/15

ASEAN再活性化への課題

東アジア共同体・民主化・平和構築

地域協力機構としてのASEANが、とりまく地域国際環境の変容と域内諸国の対ASEANコミットメントの実態との両側面で機能しうるか否かを、「ASEAN幻想論」「ASEAN二層化」「民主化」「反テロ戦争」のキーワードを基に明らかにする。

 まえがき(黒柳米司)


第I部 共同体を目指すASEAN

第1章 ASEAN主導型秩序――成熟と退廃のはざま(黒柳米司)
 はじめに
 1.「安全保障共同体」としてのASEAN
 2.ASEAN評価の枠組み
 3.三つの「退廃」現象
 むすび

第2章 ASEAN政治安全保障共同体(APSC)構想をめぐる諸問題(佐藤考一)
 はじめに
 1.安全保障共同体とは何か――先行研究の批判的検討
 2.ASEAN共同体(AC)構想提起の背景
 3.ASEAN政治安全保障共同体(APSC)構想とASEAN憲章(1)
 4.ASEAN政治安全保障共同体(APSC)構想とASEAN憲章(2)
 5.ASEAN政治安全保障共同体(APSC)ブループリントとASEAN地域フォーラム(ARF)・ASEAN国防相会議(ADMM)の現状
 むすび

第3章 ASEAN経済共同体の現実(吉野文雄)
 はじめに
 1.ASEAN経済共同体ブループリント
 2.ASEAN経済の相対的停滞
 むすび


第II部 東アジア共同体への展望

第4章 「東アジア共同体構想」をめぐる地域制度の動態――経済相互依存、力の構造、地域制度を通じてのバーゲニング(菊池努)
 はじめに
 1.地域制度を通じてのエンゲージメント(関与)、バランシング(均衡と牽制)、リスク・ヘッジ
 2.「東アジア共同体」構想と制度を通じての関与、均衡、牽制行動
 むすび――アジアにおける地域制度の展望

第5章 東アジア共同体構想の二つの〈公集〉――ASEANと日中韓(玉木一徳)
 はじめに――契機としての経済危機
 1.東アジア共同体の中核としてのASEAN
 2.東アジア共同体の二つの〈ASEAN Seed〉
 3.東アジア域内の相互イメージ
 4.ASEANの域内イメージと日本のASEANイメージ
 5.むすび――〈融域〉としての東アジア共同体

第6章 「台頭する中国」とASEAN――新たな東アジア秩序の模索(浅野亮)
 はじめに
 1.変化する東アジア秩序と中国、ASEAN
 2.中国・ASEANの安全保障協力
 3.一つの地域、二つのレジーム
 むすび


第III部 平和・開発・民主化

第7章 ASEANにおける開発と民主化(稲田十一)
 はじめに
 1.開発と民主化の相互関係についての議論
 2.東アジアにおける開発主義体制
 3.ガバナンス論と日本の対応
 4.東アジアにおける開発と民主化・ガバナンス指標
 5.ASEANの民主化規範の変化
 むすび――全体的な含意と残された論点

第8章 ASEAN諸国における民主化の展開とその多様性――タイとマレーシアを中心に(金子芳樹)
 はじめに――民主化論のオルタナティブ
 1.ASEAN諸国における政治体制の変遷と権威主義体制の特徴
 2.タイにおける民主化とその定着への曲折
 3.マレーシアにおける政治的安定と政治変動への胎動
 むすび――民主化過程の多様性とアジア型民主主義の射程

第9章 ASEAN二層化問題と日本――メコン地域開発への取組み(小笠原高雪)
 はじめに
 1.日本のメコン地域開発支援――3つの時期区分
 2.日本ASEAN特別首脳会議――後退から反転へ
 3.日本CLV協議の定例化――新たなイニシアティブへの助走
 4.日本・メコン地域諸国首脳会議――新たなイニシアティブの具体化
 むすび

第10章 ASEANにおける平和構築――アチェ紛争とミンダナオ紛争の和平プロセスを比較して(山田満)
 はじめに
 1.アチェ紛争とミンダナオ紛争の要因と当事者
 2.アチェ、ミンダナオ地域の豊富な資源と貧困状況
 3.紛争仲裁アクターと国際監視団
 4.市民社会/NGOの役割
 むすび


 あとがき(黒柳米司)

 ASEAN基礎データ

 索引
 ・事項
 ・人名

 略語解説
 執筆者紹介

このページのトップへ