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「非伝統的安全保障」によるアジアの平和構築
本体3,600円+税
ISBN 9784750352466
判型・ページ数 A5・260ページ
出版年月日 2021/10/11
フォーマット 価格
単行本 3,600円+税
電子書籍 2,880円+税

「非伝統的安全保障」によるアジアの平和構築 (単行本)

共通の危機・脅威に向けた国際協力は可能か

国家主権の強いアジア地域で近年ますます重要性が高まる「非伝統的安全保障」。紛争、難民、開発、災害、教育、食糧、人身売買、体制移行などの多岐にわたるテーマを取り上げ、学際的アプローチを用いた地域研究を土台に、アジアの平和構築のあり方を考察する。
 はじめに

第1章 アジアにおける「非伝統的安全保障」協力に基づく平和構築――イシューとアクターからみる安全保障の位相[山田満]
 はじめに
 1.「非伝統的安全保障」の適用範囲とは何か
 2.イシューからみた「非伝統的安全保障」協力
 3.アクターからみた「非伝統的安全保障」協力の取り組み
 4.NTSをめぐる各国のガバナンスとグローバル・ガバナンスとの相克
 おわりに

第2章 グローバル・ガバナンスにおける法規範遵守のためのメカニズム――国連と市民社会の連携に注目して[本多美樹]
 はじめに
 1.非伝統的安全保障領域におけるガバナンスの形成
 2.法価値規範の「唱道者(アドボケーター)」としての国連の役割
 3.東南アジアの地域主義と人権規範の遵守
 おわりに

第3章 災害リスクの軽減(DRR)におけるマルチステイクホルダー・ガバナンスの可能性――新型コロナウイルス感染症(COVID-19)影響下での人道支援(スリランカ、バングラデシュ)[桑名恵]
 はじめに
 1.DRRにおけるマルチステイクホルダー・ガナバンスの可能性と課題
 2.COVID-19影響下のマルチステイクホルダー・ガバナンスによる取り組み
 おわりに

第4章 誰かを取り残している持続可能な開発目標――インドネシアからの問いかけ[堀江正伸]
 はじめに――非伝統安全保障とSDGsの関係
 1.SDGsの生い立ちと日本の動向
 2.インドネシアにおけるSDGsの進捗
 3.SDGsとインドネシアの「田舎」
 おわりに

第5章 難民問題をめぐるASEANの地域ガバナンス――ロヒンギャ難民危機への新たな関与を事例に[宮下大夢]
 はじめに
 1.本研究の枠組み
 2.ロヒンギャ難民危機
 3.ロヒンギャ難民危機におけるASEANの関与
 おわりに

第6章 紛争後社会の移行期正義――「民主主義大国」インドネシアの取り組みと限界[阿部和美]
 はじめに
 1.「正義」か「平和」か
 2.インドネシアの移行期正義
 3.「民主主義大国」インドネシアの限界
 おわりに

第7章 反人身売買対策に探るアジア的視点――ジェンダーとの関係性に注目して[島﨑裕子]
 はじめに
 1.人身売買とは
 2.反人身売買に対する取り組み
 3.ジェンダーから捉える対策
 おわりに

第8章 インクルーシブ教育の現状と課題――ミャンマーの視覚障害のある子どもの教育を事例に[利根川佳子]
 はじめに
 1.障害のある子どもに対するインクルーシブ教育
 2.ミャンマーにおける障害のある子どもに対する教育
 3.ヤンゴン市における視覚障害のある子どもの中等教育
おわりに――まとめと考察

第9章 食糧安全保障の相克――食糧の安定供給と人間の安全保障のジレンマ[佐藤滋之]
 はじめに
 1.非伝統的安全保障としての食糧
 2.アジア諸国での経済的格差と食糧安全保障
 3.食糧安全保障と農地争奪
 4.食糧安全保障と人間の安全保障のトレード・オフの克服
 おわりに

第10章 中国の非伝統的安全保障――認識の変容と政策への影響[劉弘毅]
 はじめに
 1.本研究の研究枠組み
 2.中国の非伝統的安全保障政策と認識の変容
 3.2000年代前半の中国の非伝統的安全保障
 4.習近平政権下(2012年~2020年)の非伝統的安全保障の変容
 おわりに

 あとがき