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和解学の試み
本体4,500円+税
ISBN 9784750352541
判型・ページ数 A5・360ページ
出版年月日 2021/08/15

和解学の試み

記憶・感情・価値

「東アジアという歴史空間」のなかで、紛争解決学と移行期正義論、国際関係学とりわけナショナリズム論などを発展的に融合させる「和解学」創成をめざした新シリーズ。第1巻は総論として、思想・歴史・政治・メディア・地域研究・市民運動などの各領域を横断する。
 『和解学叢書』刊行に寄せて[浅野豊美・梅森直之・劉傑・波多野澄雄・外村大・土屋礼子]

 はしがき[浅野豊美]

第Ⅰ部 和解学の方法

第1章 方法としての「和解学」――紛争解決学の東アジア的基礎[梅森直之]
  はじめに
 1 平和学・紛争解決学・和解学
 2 法的和解と歴史和解
 3 「制作」としての和解から「行為」としての和解へ
  おわりに

第2章 「和解学」に貢献する「新たな歴史学」を目指して[劉傑]
 1 歴史学から考える「和解」と「和解学」
 2 「歴史する」こと、「和解学」に貢献すること
 3 歴史和解の三つのステージと研究テーマ
 4 「和解学」に促成される「新しい歴史学」

第3章 東アジアにおけるメディアと和解――戦争と植民地の記憶をめぐって[土屋礼子]
  はじめに
 1 証言における記憶とメディア
 2 メディアにおける倫理とナショナリズム
 3 メディアの正義
  おわりに

 コラム・1 和解学への期待[毛里和子]

第Ⅱ部 和解をめぐる主体と実践

第4章 「政府間和解」の射程と変容――戦後処理から戦後補償へ[波多野澄雄]
  はじめに
 1 政府間和解と国民間和解
 2 「和解プロセス」としての戦後処理外交
 3 一九八〇年代の「和解政策」
 4 新たな「和解政策」の模索――一九九〇年代
 5 法的解決と政治的和解
  結びに代えて

第5章 歴史問題における和解と市民運動――その研究の課題と展望[外村大]
 1 なぜ市民運動に着目するのか
 2 市民運動の特徴と活性化の条件
 3 市民運動による歴史問題の取り組み
 4 歴史問題に取り組む市民運動の前史
 5 冷戦下の未解決課題と市民運動
 6 日韓を軸とする歴史問題の焦点化
 7 戦後補償運動の「高揚」とその限界
 8 葛藤の拡大と和解の構想
 9 市民運動の実践上の難問
 10 研究の方法と今後の展望

第6章 東アジアにおける紛争解決と歴史和解――中台青年対話を事例として[新井立志]
  はじめに
 1 平和学、紛争解決学における和解
 2 多次元外交
 3 事例研究――中台青年対話
 4 国民間の歴史和解に向けて
  おわりに

 コラム・2 東アジアの「和解」と「和解学」[東郷和彦]

第Ⅲ部 東アジアという歴史空間

第7章 ヨーロッパからみた東アジア歴史問題の起源[バラク・クシュナー]
  はじめに
 1 記憶のナルシシズム
 2 歴史観と政治的姿勢
 3 東洋と西洋の違い
 4 和解の観念
  結論

第8章 現代日韓関係における和解と正義――日韓関係の事例をふまえて[木宮正史]
  はじめに
 1 「移行期正義」と韓国
 2 日韓「国家間の和解」とその後
 3 日韓関係は「移行期」か?
 4 複数の正義は尊重され得るのか?
 5 和解の条件と和解の困難さ
  結びに代えて

第9章 日韓の国民形成の断層と和解学――価値と記憶の融合をめぐる内外政治の共振[浅野豊美]
  はじめに――東アジアにおける国民感情の悪化
 1 日韓双方の国民的記憶と普遍的価値をめぐる断層
 2 断層の起源としての「民主化」と「文明化」
 3 歴史問題をめぐる紛争の構造――国内政治と国際政治の共振
 4 対話のための知的インフラとしての和解学――「対話」の原則をめぐって

 編者あとがき[浅野豊美]

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