本体3,600円+税
ISBN | 9784750351919 |
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判型・ページ数 | A5・368ページ |
出版年月日 | 2021/03/31 |
水俣に生きた労働者
チッソと新日窒労組の59年
人類史上類を見ない公害事件である水俣病に対して、当該企業であるチッソの労働者・労働組合はいかに関わり合ってきたのか。これまで欠落してきたこの観点から、チッソ労働運動の推移を詳細に追い、患者運動との接点、新たな労働運動の質についても考察する。
序章 水俣病とチッソに働いた労働者[富田義典]
1 水俣病とチッソ第一組合(新日窒労組)
2 各章の紹介
第1部 チッソ経営と労働
第1章 労働組合運動の創生から安賃闘争前夜[花田昌宣]
1 戦後チッソにおける労働運動の生成と組合
2 レッドパージと組合再編
3 1953年長期ストにいたる労働組合の運動方針と経過
4 就業規則および賃金規程に見る規程上の格差
まとめ
第2章 安賃闘争[富田義典]
はじめに
1 争議の背景
2 安賃争議の経過
3 安賃争議の結果と評価――春闘史と職場編成史
4 ポスト安賃争議期の合理化――希望退職と南九配転
5 安賃争議・ポスト安賃争議期のまとめ
第3章 合理化の進行と労使関係――1960年代後半の大合理化と1980年前後の合理化[富田義典]
はじめに
1 ポスト安賃争議期の合理化と労使関係
2 「再建5か年計画」の進行と労使関係
3 1980年前後の合理化の形態変化と労使関係
第4章 春闘史からみたチッソの労使関係[富田義典]
はじめに
1 安定賃金下の春闘:1963-65年――ポスト安賃方式への模索
2 大合理化期の春闘:1966-72年――安定賃金と春闘方式の相克
3 チッソ経営危機下の春闘:1973-76年
4 チッソ救済下の春闘――緩やかな変化へ:1977-83年
おわりに
第5章 新日窒労組の運動の特質――70年代の差別是正、労災・職業病、工場維持存続をめぐって[石井まこと]
はじめに――課題と対象
1 差別是正闘争
2 労災・職業病への取り組み――労基署への告発と塩ビ問題
3 工場維持存続の労働運動
4 1970年代のチッソ労働運動史からみえてくるもの
第6章 経営史・技術史からみたチッソの企業体質とその特異性[磯谷明徳]
はじめに
1 戦後日本の化学工業
2 戦後におけるチッソ
3 チッソでの生産技術体系における「特異性」
4 バランスシートにみるチッソの経営姿勢の「特異性」
おわりに
第2部 社会史からみたチッソと労働者
第1章 1960・70年代の新日窒労組の運動を担った労働者たち――その労働者像と地域ぐるみ闘争[福原宏幸]
はじめに――本章の課題と構成
1 組合員調査の概要
2 労働者たちの社会的出自、工員養成及び労働者性の陶冶
3 二つの地域ぐるみ闘争
4 労働生活・組合運動を振り返って
むすび
第2章 合化労連の公害問題への取り組みと新日窒労組の水俣病闘争[鈴木玲]
はじめに
1 労働組合の公害問題への取り組みについての先行研究
2 産業別組織の公害問題への取り組みと傘下組合の対応
3 新日窒労組の水俣病闘争が合化労連の運動のなかで占めた位置
おわりに
第3章 「おのれの水俣病」に向き合うにいたる健康調査[井上ゆかり]
はじめに
1 他の労組にはない組合自身による健康調査
2 「権利を守る闘い」のための組合による健康調査の蓄積
3 「職業病と公害の接点」を明らかにする1986年の健康調査
4 最後となる1990年の過労死調査
5 「おのれの水俣病」を生きるその後の組合員
終章 チッソ労働運動史研究の課題と水俣学[花田昌宣]
はじめに――組合資料との出会いから
1 水俣学研究センターとチッソ労働運動史研究会のはじまり
2 越境する学としての水俣学のはじまり
3 被害者の運動と水俣学という新たな学:人類の負の遺産としての公害、水俣病を将来に生かす学問
4 今日に生きる研究を:水俣学の方法の成果と課題
5 研究と実践という問い
あとがき
索引
1 水俣病とチッソ第一組合(新日窒労組)
2 各章の紹介
第1部 チッソ経営と労働
第1章 労働組合運動の創生から安賃闘争前夜[花田昌宣]
1 戦後チッソにおける労働運動の生成と組合
2 レッドパージと組合再編
3 1953年長期ストにいたる労働組合の運動方針と経過
4 就業規則および賃金規程に見る規程上の格差
まとめ
第2章 安賃闘争[富田義典]
はじめに
1 争議の背景
2 安賃争議の経過
3 安賃争議の結果と評価――春闘史と職場編成史
4 ポスト安賃争議期の合理化――希望退職と南九配転
5 安賃争議・ポスト安賃争議期のまとめ
第3章 合理化の進行と労使関係――1960年代後半の大合理化と1980年前後の合理化[富田義典]
はじめに
1 ポスト安賃争議期の合理化と労使関係
2 「再建5か年計画」の進行と労使関係
3 1980年前後の合理化の形態変化と労使関係
第4章 春闘史からみたチッソの労使関係[富田義典]
はじめに
1 安定賃金下の春闘:1963-65年――ポスト安賃方式への模索
2 大合理化期の春闘:1966-72年――安定賃金と春闘方式の相克
3 チッソ経営危機下の春闘:1973-76年
4 チッソ救済下の春闘――緩やかな変化へ:1977-83年
おわりに
第5章 新日窒労組の運動の特質――70年代の差別是正、労災・職業病、工場維持存続をめぐって[石井まこと]
はじめに――課題と対象
1 差別是正闘争
2 労災・職業病への取り組み――労基署への告発と塩ビ問題
3 工場維持存続の労働運動
4 1970年代のチッソ労働運動史からみえてくるもの
第6章 経営史・技術史からみたチッソの企業体質とその特異性[磯谷明徳]
はじめに
1 戦後日本の化学工業
2 戦後におけるチッソ
3 チッソでの生産技術体系における「特異性」
4 バランスシートにみるチッソの経営姿勢の「特異性」
おわりに
第2部 社会史からみたチッソと労働者
第1章 1960・70年代の新日窒労組の運動を担った労働者たち――その労働者像と地域ぐるみ闘争[福原宏幸]
はじめに――本章の課題と構成
1 組合員調査の概要
2 労働者たちの社会的出自、工員養成及び労働者性の陶冶
3 二つの地域ぐるみ闘争
4 労働生活・組合運動を振り返って
むすび
第2章 合化労連の公害問題への取り組みと新日窒労組の水俣病闘争[鈴木玲]
はじめに
1 労働組合の公害問題への取り組みについての先行研究
2 産業別組織の公害問題への取り組みと傘下組合の対応
3 新日窒労組の水俣病闘争が合化労連の運動のなかで占めた位置
おわりに
第3章 「おのれの水俣病」に向き合うにいたる健康調査[井上ゆかり]
はじめに
1 他の労組にはない組合自身による健康調査
2 「権利を守る闘い」のための組合による健康調査の蓄積
3 「職業病と公害の接点」を明らかにする1986年の健康調査
4 最後となる1990年の過労死調査
5 「おのれの水俣病」を生きるその後の組合員
終章 チッソ労働運動史研究の課題と水俣学[花田昌宣]
はじめに――組合資料との出会いから
1 水俣学研究センターとチッソ労働運動史研究会のはじまり
2 越境する学としての水俣学のはじまり
3 被害者の運動と水俣学という新たな学:人類の負の遺産としての公害、水俣病を将来に生かす学問
4 今日に生きる研究を:水俣学の方法の成果と課題
5 研究と実践という問い
あとがき
索引