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高齢者の社会的孤立と地域福祉
本体3,600円+税
ISBN 9784750346540
判型・ページ数 A5・232ページ
出版年月日 2018/03/24

高齢者の社会的孤立と地域福祉

計量的アプローチによる測定・評価・予防策

超高齢社会・日本では、高齢者の孤独死などの社会的孤立が深刻化している。本書は、最新かつ多様な調査データに基づいた計量的アプローチにより、高齢者の社会的孤立に関する詳細な測定・評価を行い、今後の孤立予防・軽減策を展望するものである。
序章――本書のねらい


第Ⅰ部 社会的孤立の定義・問題の所在

第1章 社会的孤立とは何か
 社会的孤立が議論される背景
 社会的孤立の定義と測定方法
 高齢者の多くは孤立しているのか
 高齢者の社会的孤立研究の課題

第2章 社会的孤立は「問題」といえるのか
 離脱理論、社会情緒的選択理論と自発的な孤立
 社会的孤立と関連する諸問題
 社会的孤立問題の課題共有の必要性

第3章 どの程度の乏しさから社会的孤立と捉えるべきか
 健康指標との関連に着目する意義
 使用するデータ
 交流頻度の多少による要介護認定等の発生率の相違
 健康リスクが高まる人との交流頻度の乏しさ:多変量解析
 交流頻度が週1回未満・月1回未満という基準
 他者との交流が不明な人々


第Ⅱ部 社会的孤立・孤立死の要因

第4章 独居高齢者は社会的に孤立しているのか
 高齢期の独居と社会的孤立
 使用するデータ
 独居状態に至る主要な経緯:独居世帯の多様性
 どのような独居が孤立と関連しやすいのか
 長期孤立と短期孤立の相違
 多様な「独居」に着目する意義

第5章 誰が孤立しやすいのか――社会的孤立の個人要因
 システマティック・レビューの動向と課題
 人口学的要因との関連
 家族形成との関連
 社会経済的地位との関連
 身体的・精神的健康との関連
 無回答・調査拒否と社会的孤立との関係

第6章 孤立死に至る人々はどういう人なのか――セルフ・ネグレクトとの関連
 社会的孤立の帰結としての孤立死・孤独死
 孤立死とセルフ・ネグレクト(自己放任)
 使用するデータ
 セルフ・ネグレクト事例の多様性
 深刻度との関連:孤立死に至りやすい人々とは
 孤立死事案をめぐる今後の課題


第Ⅲ部 孤立予防・軽減にむけた実践と評価

第7章 見守られている人はどういう人か――独居高齢者への見守り活動のプロセス評価
 住民主体の見守り活動のプログラム評価の課題
 使用するデータ
 見守り活動利用・非利用独居者の特性
 住民による見守り活動の未充足ニーズ数
 見守り活動のプロセス評価の意義
 評価に耐えうるデータ整備の必要性

第8章 地域活動の推進は社会的孤立を軽減させるのか
 高齢者の社会的孤立・孤独軽減にむけたプログラム
 地域活動への参加による孤立軽減効果の可能性
 見守り活動や生活支援による孤立軽減効果の可能性
 高齢者の社会的孤立軽減にむけた介入研究の課題

第9章 高齢者が孤立しやすい地域はあるのか――社会的孤立の地域環境要因
 ポピュレーション・アプローチの可能性
 地域環境が個人の社会関係に及ぼす影響
 高齢者が孤立しやすい地域はあるのか
 地域単位のソーシャル・キャピタルと孤立化/非孤立化との関連
 社会的孤立の軽減にむけた地域診断の可能性と課題

結論と展望
 本研究で得られた主要な知見
 学術的・政策的インプリケーション
 本研究の限界と今後の課題


 引用文献
 あとがき
 初出一覧
 索引

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