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ベラルーシを知るための50章
本体2,000円+税
ISBN 9784750345499
判型・ページ数 4-6・356ページ
出版年月日 2017/09/25
フォーマット 価格
単行本 2,000円+税
電子書籍 1,600円+税

ベラルーシを知るための50章 (単行本)

古来、周辺の強国の版図に組み込まれ、とくにロシアとポーランドに交互に支配されてきたベラルーシの地。1991年のソ連解体に伴い初めて独立国となった、東スラブ系のベラルーシ民族を主体とした新興国ベラルーシ共和国を紹介する。

 

【内容紹介】

『ベラルーシを知るための50章』リーフレット(注文票)【PDF:2.5MB】

 

【執筆者一覧】

伊東一郎(いとう いちろう)
早稲田大学文学学術院教授。
【主要著作】
『ヨーロッパ民衆文化の想像力――民話・叙事詩・祝祭・造形表現」(共著、言叢社、2013年)、『子どもに語るロシアの昔話』(訳・再話、こぐま社、2007年)、『ロシアフォークロアの世界』(編著、群像社、2005年)。


今中哲二(いまなか てつじ)
京都大学原子炉実験所研究員。
【主要著作】
『放射能と災厄――終わりなきチェルノブイリ原発事故の記録』(明石書店、2013年)、『サイレントウォー――見えない放射能とたたかう』(講談社、2012年)、『チェルノブイリ事故による放射能災害――国際共同研究報告書』(技術と人間、1998年)。


岡田邦生(おかだ くにお)
一般社団法人ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所所長。
【主要著作】
『ロシアビジネス成功の法則』(税務経理協会、2008年)、『ロシア・CIS経済ハンドブック』(全日出版、2002年)、“The Japanese Economic Presence in the Russian Far East”(Russia's Far East: A Region at Risk, Edited by Judith Thornton and Charles E. Ziegler, The National Bureau of Asian Research in association with University of Washington Press, Seattle and London, 2002).


梶さやか(かじ さやか)
岩手大学人文社会科学部准教授。
【主要著作】
『ポーランド国歌と近代史――ドンブロフスキのマズレク』(ポーランド史叢書3、群像社、2016年)、“Vilnius University and the Beginning of the Historical Research on Lithuania in the Early 19th Century”(Kintancios Lietuvos visuomene: strukturos, veikejai, idejos, edited by Olga Mastianica, Virgilijus Pugaciauskas, and Vilma Zaltauskaite, Lietuvos istorijos institutas, Vilnius, 2015),「ヴィルノ大学とロマン主義知識人」(橋本伸也編著『ロシア帝国の民族知識人――大学・学知・ネットワーク』昭和堂、2014年)。


衣川靖子(きぬがわ やすこ)
ロシア語翻訳者。
【主要著作】
「ロシアの保健医療事情と政策・制度の動向」(『海外社会保障研究』第191号、国立社会保障・人口問題研究所、2015年)、「ベラルーシの言語事情――標準語の問題を中心に」(『スラヴィアーナ』第20号、東京外国語大学スラブ系言語文化研究会、2005年)。


清沢紫織(きよさわ しおり)
筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程。
【主要著作】
「言語の地位計画にみるベラルーシの国家語政策――ベラルーシ語とロシア語の法的地位をめぐって」(日本言語政策学会『言語政策』第13号、2017年)、『!:日本人のためのベラルーシ語入門I』(タッチャーナ・ラムザとの共著、臼山利信監修、筑波大学グローバルコミュニケーション教育センター、2016年)、「現代ベラルーシの教育分野における言語政策及び言語状況」(日本スラヴ人文学会『スラヴィアーナ』第6号、2014年)。


倉田有佳(くらた ゆか)
ロシア極東連邦総合大学函館校准教授。
【主要著作】
「ロシア系日本人――100年の歴史から見えてくるもの」(『移民・ディアスポラ研究5 マルチ・エスニック・ジャパニーズ ○○系日本人の変革力』明石書店、2016年)、「日本軍の保障占領末期に北樺太から日本へ避難・亡命したロシア人(1924-1925年)」(『異郷に生きるⅥ』成文社、2016年)、「ビリチとサハリン島――元流刑囚漁業家にとっての日露戦争」(『北海道大学スラブ研究センター スラブ・ユーラシア叢書10 日露戦争とサハリン島』北海道大学出版会、2011年)。


小泉悠(こいずみ ゆう)
公益財団法人未来工学研究所特別研究員。
【主要著作】
『大国の暴走』(共著、講談社、2017年)、『軍事大国ロシア』(作品社、2016年)、『プーチンの国家戦略』(東京堂出版、2016年)。


越野剛(こしの ごう) ※編著者紹介参照。


斉藤いづみ(さいとう いづみ)
一般社団法人 ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所嘱託。


齋藤大輔(さいとう だいすけ)
一般社団法人ロシアNIS貿易会モスクワ事務所所長。
【主要著作】
『ロシアのことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版、2013年)、『ロシア極東ハンドブック』(東洋書店、2012年)、『ロシア・ビジネスのはじめ方』(東洋書店、2012年)。


斎藤陽介(さいとう ようすけ)
プロサッカー選手。横浜Fマリノス、FCウファなどを経て、2014年にベラルーシのFCスルツクでプレー。


仙台市文化観光局交流企画課(せんだいしぶんかかんこうきょくこうりゅうきかくか)


高尾千津子(たかお ちづこ)
東京医科歯科大学教養部教授。
【主要著作】
「内戦期シベリア、極東における反ユダヤ主義1918-1922」(『ユダヤ・イスラエル研究』29号、2015年)、『ロシアとユダヤ人 苦悩の歴史と現在』(東洋書店、2014年)、『ソ連農業集団化の原点――ソヴィエト体制とアメリカユダヤ人』(彩流社、2006年)。


田口雅弘(たぐち まさひろ)
岡山大学大学院社会文化科学研究科教授。
【主要著作】
『現代ポーランド経済発展論 成長と危機の政治経済学』( 岡山大学経済学部、2013年)、'Mechanizm upadku socjalistycznego systemu gospodarczego', Ekonomia (Faculty of Economic Sciences, Nr 26,Warsaw University, Poland, 2011),『ポーランド体制転換論 システム崩壊と生成の政治経済学』(御茶の水書房、2005年)。


辰巳雅子(たつみ まさこ)
ボランティア団体チロ基金代表・日本文化情報センター代表。1995年からベラルーシ共和国ミンスク在住。
【主要著作】
『自分と子どもを放射能から守るには』(訳書、ウラジーミル・バベンコ、ベルラド放射能安全研究所共著、今中哲二監修、世界文化社、2011年)。


中澤孝之(なかざわ たかゆき)
日本対外文化協会理事(元時事通信社外信部長、元新潟女子短大[現新潟県立大学]教授)。
【主要著作】
『ロシア革命で活躍したユダヤ人たち――帝政転覆の主役を演じた背景を探る』(角川学芸出版、2011年)、『資本主義ロシア――模索と混乱』(岩波新書、1994年)、『ブレジネフ体制のソ連――テクノクラート政治の権力構造』(サイマル出版会、1975年)。


野町素己(のまち もとき)
北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授。
【主要著作】
Slavic in the Language Map of Europe (co-edited by Andrii Danylenko, De Gruyter Mouton, Berlin/New York, 2018). The Palgrave Handbook of Slavic Languages, Identities and Borders (co-edited by Tomasz Kamusella and Catherine Gibson, Palgrave McMillan, New York, 2016), Grammaticalization and Lexicalization in the Slavic Languages (co-edited by Andrii Danylenko and Predrag Piper, Verlag Otto Sagner, Munchen, 2014).


服部倫卓(はっとり みちたか) ※編著者紹介参照。


花田朋子(はなだ ともこ)
在ベラルーシ日本国大使館勤務。
【主要著作】
『冷戦下・ソ連の対中東戦略』(共訳、ガリア・ゴラン著、第三書館、2001年)。


半田美穂(はんだ みほ)
ミンスク国立言語大学日本語講師。
【主要著作】
「2010年ベラルーシ大統領選挙ルカシェンコ大統領4選の軌跡」(『ロシアNIS調査月報』2011年3月号)、『ロシアの歴史――ロシア中学・高校歴史教科書』(共訳、明石書店、2011年)、「ベラルーシのロシア依存型経済――貿易・エネルギーを巡る関係」(『ロシアNIS調査月報』2010年11月号)。


福嶋千穂(ふくしま ちほ)
東京外国語大学総合国際学研究院講師。
【主要著作】
『ブレスト教会合同』(ポーランド史叢書1、群像社、2015年)、「近世ルテニアの啓蒙・教育活動と宗派共同体――「正教スラヴ」ネットワークの中で」(橋本伸也編『ロシア帝国の民族知識人――大学・学知・ネットワーク』昭和堂、2014年)、「「ハジャチ合意(1658-59年)」にみるルテニア国家の創出」(『史林』第93巻、第5号、2010年)。


古澤晃(ふるさわ あきら)
ベラルーシ国立大学文学部日本語講師。
【主要著作】
『海外戯曲アンソロジーⅠ 海外現代戯曲翻訳集〈国際演劇交流セミナー記録〉』(共訳、日本演出家協会、2007年)


松田弘(まつだ ひろし)
呉市立美術館長。
【主要著作】
「シャガールとロシア美術 創造の源泉としてのイコンとルボーク」(『ポンピドーセンター&シャガール家秘蔵作品 マルク・シャガール展』図録、日本テレビ放送網、2002年)


渡部美季(わたなべ みき)
渡部ブーベル・バレエアカデミー主宰、日本バレエ協会会員、元ベラルーシ国立ミンスクボリショイバレエ学校講師。

 はじめに


Ⅰ ベラルーシの国土と歴史

第1章 ベラルーシという国のあらましとその国土――欧州の中心の平坦な国
第2章 古ルーシ諸公国とリトアニア大公国――スラヴとバルトの混交域
【コラム1】最新科学で探るベラルーシ人のルーツ――Y染色体とミトコンドリアDNA
第3章 ポーランド・リトアニア国家のもとで――「両国民の共和国」の時代
【コラム2】エフロシニヤとスコリナ――ベラルーシ文化の偉人たち
第4章 帝政ロシア時代のベラルーシ――ポーランドとロシアの狭間で
第5章 ベラルーシ共和国が誕生するまで――苦難と逆説に満ちた独立への歩み
第6章 ソ連終焉の地となったベロヴェージの森――スラヴ3首脳による歴史的な陰謀
第7章 〈白〉ロシアとは何か?――「ベラルーシ」の語源について
第8章 ベラルーシとユダヤ人の知られざる関係――「森と湖の国」から「砂漠の国」へ
【コラム3】ベラルーシのタタール人
第9章 シャガールと永遠の故郷ヴィテプスク――シャガール芸術の普遍性
第10章 ベラルーシ出身のユダヤ人がアメリカ音楽を作った――バーリンとチェス兄弟の物語
第11章 首都ミンスクの歴史と現在――戦災から甦った英雄都市
第12章 個性豊かなベラルーシの地方都市――人口5万人以上の都市をすべて紹介
【コラム4】ベラルーシの都市紋章の世界
第13章 ミール城とネスヴィジ宮殿――ベラルーシが誇る世界文化遺産
第14章 ベロヴェージの森とバイソン――絶滅危惧種とベラルーシ人のアイデンティティ
【コラム5】多様なベラルーシに出会う旅


Ⅱ ベラルーシの国民・文化を知る

第15章 土地の人間(トゥテイシヤ)の曖昧なアイデンティティ――ベラルーシ人ってだれ?
第16章 ベラルーシ語の言語学的特徴――東スラヴ語群の一言語として
【コラム6】ルカシェンコ、それともルカシェンカ?――ベラルーシ人の名前
第17章 現代ベラルーシの社会言語事情――危機に立たされるベラルーシ語
【コラム7】ベラルーシ語の市民講座――草の根の言語復興活動
第18章 ベラルーシの民衆文化――古拙と異教文化
第19章 ベラルーシの宗教事情――ロシア正教とカトリックが共存
第20章 ポレシエの民とその言葉――ベラルーシとウクライナの狭間で
第21章 ベラルーシ語とその他の言語の文学――ひとつなぎに語れない文学史
第22章 ノーベル賞作家アレクシエーヴィチの文学の世界――戦争・原発事故・社会主義
第23章 映画で見るベラルーシ――パルチザン映画だけじゃない
第24章 ベラルーシのバレエ文化――芸術性と民族性を兼ね備える
第25章 ベラルーシの若者文化――伝統の中に新しい流行が生まれる
第26章 ベラルーシの食文化――大地の恵みと歴史に育まれた家庭の味
第27章 小国でも存在感を発揮するベラルーシのスポーツ――アイスホッケーやバイアスロンが国技
【コラム8】プロサッカー選手としてベラルーシでプレーした経験
第28章 世界的な美人の名産地――シャラポワを産んだ美女大国
第29章 ベラルーシのファッション事情――伝統的スタイルと現代的スタイル
第30章 首都ミンスクの日常生活――変化する「ソ連的な街」


Ⅲ 現代ベラルーシの政治・経済事情

第31章 国旗・国章・国歌から見えてくるベラルーシの国情――ソ連の名残をとどめる
第32章 アレクサンドル・ルカシェンコの肖像――「欧州最後の独裁者」と呼ばれて
第33章 ルカシェンコ政権下のベラルーシ――政治体制の形成プロセス
第34章 ベラルーシの軍事力――独立と対露関係の狭間
【コラム9】元祖KGB国家のベラルーシ
第35章 ベラルーシ経済の軌跡――表面的な安定と成長の陰で
第36章 製造業立国のベラルーシ――勤勉でまじめなモノづくりへの姿勢
第37章 エネルギー政策のジレンマ――脱ロシア依存が永遠のテーマ
第38章 ベラルーシの農業と食品産業――ジャガイモと乳製品が名産
第39章 様々な指標から読み解くベラルーシ社会――物価・飲酒・離婚
第40章 ソフト開発の拠点として台頭するベラルーシ――戦車ゲームが全世界でヒット
第41章 チェルノブイリ原発事故――ベラルーシ国土の22%が汚染地域
第42章 ベラルーシとロシア・ウクライナの関係――東スラヴ3兄弟の関係力学
【コラム10】ベラルーシのなかのロシア――地図に残された一粒の滴が語る歴史
第43章 対立から和解に向かうベラルーシと欧米の関係――EUは制裁を解除
第44章 ポーランドから見たベラルーシ――ロシアと欧州の間で外交関係を模索する両国
第45章 ベラルーシとバルト三国の関係――リトアニアとの関係が特に密接


Ⅳ 日本とベラルーシの関係

第46章 ベラルーシ出身の初代駐日ロシア領事ゴシケーヴィチ――その生涯と晩年の地を訪ねて
第47章 日本とベラルーシの二国間関係――外交と経済関係
第48章 仙台市とミンスク市の交流の軌跡――姉妹都市提携に至る経緯とこれまでの交流実績
第49章 日本とベラルーシの文化交流――日本文化情報センターの取り組み
【コラム11】ベラルーシにおける武道
第50章 チェルノブイリ支援を通じた日本とベラルーシの絆――被爆国としての草の根支援


 おわりに
 ベラルーシを知るための参考文献
 地名・人名索引

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