近年、中東を震源地として起きる事件がニュースで伝えられない日はないといっても過言ではない。様々な要因が絡み合い、一面的な報道だけではなかなか全体像を把握することが難しい複雑な情勢を、歴史的背景もふまえて分かりやすく解説する入門書。

【執筆者一覧】

今井宏平（いまい・こうへい）
日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員。
専攻：現代トルコ外交、国際関係論
主な著書・論文：「トルコにおける地政学の展開――国家論と批判の狭間で」（『境界研究』第6号、2016年）、『中東秩序をめぐる現代トルコ外交――平和と安定の摸索』（ミネルヴァ書房、2015年）、「西洋とのつながりは民主化を保障するのか――トルコのEU加盟交渉を事例として」（『国政政治』第182号、2015年）。

臼杵　陽（うすき・あきら）
日本女子大学文学部史学科教授・日本女子大学図書館長。
専攻：パレスチナ／イスラエル現代政治史、日本イスラーム関係史
主な著書：『パレスチナを知るための60章』（共編著、明石書店、2016年）、『世界史の中のパレスチナ問題』（講談社現代新書、2013年）、『大川周明――イスラームと天皇のはざまで』（青土社、2010年）、『イスラエル』（岩波新書、2009年）。

黒木英充（くろき・ひでみつ）
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。
専攻：中東地域研究、東アラブ近代史
主な著書：『シリア・レバノンを知るための64章』（編著、明石書店、2013年）、『「対テロ戦争」の時代の平和構築――過去からの視点、未来への展望』（編著、東信堂、2008年）、The Influence of Human Mobility in Muslim Societies（編著, London, Kegan Paul, 2003）。

ケイワン・アブドリ（Keivan, Abdoly）
神奈川大学非常勤講師。
専攻：経済発展論、イラン政治経済史
主な著書・論文：「革命後のイランにおける特権企業の生成と変貌――モスタズアファーン財団を事例に」（『中東レビュー』Vol.3、2016年）、「イラン経済と石油――二つの石油ブームの比較」（『神奈川大学アジア・レビユー』Vol.03、2016年）、「大土地所有制の変遷――地主層の興亡からみたマルヴダシトの100年」（後藤晃編『オアシス社会の50年の軌跡』御茶の水書房、2015年）。

後藤　晃（ごとう・あきら）
神奈川大学名誉教授。
専攻：農業経済、中東経済史
主な著書：『オアシス社会50年の軌跡――イランの農村、遊牧そして都市』（編著、御茶の水書房、2015年）、『人口、移民、都市と食――現在と歴史の交叉するところ』（駱駝舎、2014年）、『中東の農業社会と国家――イラン近現代史の中の村』（御茶の水書房、2002年）。

長沢栄治（ながさわ・えいじ）
東京大学東洋文化研究所教授。
専攻：近代エジプト社会経済史
主な著書：『エジプトの自画像――ナイルの思想と地域研究』（平凡社、2013年）、『アラブ革命の遺産――エジプトのユダヤ系マルクス主義者とシオニズム』（平凡社、2012年）、『エジプト革命――アラブ世界変動の行方』（平凡社新書、2012年）。

吉岡明子（よしおか・あきこ）
日本エネルギー経済研究所中東研究センター主任研究員。
専攻：現代イラク政治経済、クルド問題
主な著書：『「イスラーム国」の脅威とイラク』（共編著、岩波書店、2014年）、『現代イラクを知るための60章』（共編著、明石書店、2013年）。