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情報福祉論の新展開
本体4,500円+税
ISBN 9784750335612
判型・ページ数 A5・240ページ
出版年月日 2012/03/31

情報福祉論の新展開

視覚障害者用アシスティブ・テクノロジーの理論と応用

視覚に障害をもつ著者が、当事者の立場で支援研究・支援機器開発に従事した経験をもとにまとめる、視覚障害者支援のための情報福祉論。障害当事者が研究・開発の主体となっていない現状に警鐘を鳴らすとともに、障害当事者による開発の有効性、可能性を示す。

 まえがき

序章 情報福祉とは
 1.ウォーキングメモリ(Walking Memory)
 2.情報福祉論
 3.情報福祉論の新展開


第1部 視覚障害当事者としての経験と支援の初歩

第1章 視覚障害当事者研究序説――境界線を生きる私
 1.障害と能力の対峙
 2.韓国における視覚障害学生支援
 3.配慮の平等
 4.境界線に生きる視覚障害者
 5.大学における学習支援
 6.学習支援は職業支援にも結びつくか

第2章 視覚障害者と情報――視覚障害学生支援を中心に
 1.活字情報の支援
 2.視覚障害者の文字情報入手の方法
 3.テキストデータによる情報支援
 4.支援機器の活用

第3章 視覚障害者への支援機器の歴史
 1.スクリーンリーダー
 2.活字読み上げ技術
 3.DAISYプレイヤー
 4.点字ディスプレイ(ピンディスプレイ)
 5.点字プリンタ
 6.拡大読書機CCTV(Closed Circuit Television)

第2部 点字・触覚に関する実験心理学的研究

第4章 触覚文字の実験的研究
 1.触覚の研究
 2.触覚(言語)を調べるための手法
 3.単語理解
 4.心理学における言語理解の研究手法
 5.生理学的言語理解
 6.点字読み脳
 7.原田・水谷論争

第5章 触覚情報処理とハプティクエイド
 1.ハプティクエイド
 2.オプタコンと点字ディスプレイ
 3.能動触と受動触による触覚(点字)ディスプレイ
 4.言語情報と図形情報の触覚ディスプレイ


第3部 点字から点字ディスプレイへ

第6章 読む点字と聞く点字
 1.点字印刷技術と支援技術の発展
 2.言語情報の点字ディスプレイと図形情報の触図ディスプレイ
 3.言語情報を伝えるためのタクタイルエイド
 4.非言語情報を伝えるためのタクタイルエイド
 5.触覚文字(点字)の読みに関する考察
 6.読む点字と聞く点字
 7.文字と音声言語の違い

第7章 ハプティクエイドの開発背景とUD
 1.ユニバーサルデザインの重要性
 2.社会におけるユニバーサルデザインの発達段階
 3.ユニバーサルデザインの考えに基づいた商品作りを目指して
 4.生活の中のユニバーサルデザインとバリアフリー
 5.誰もが働ける社会を目指して

第8章 世界初円盤型点字ディスプレイ開発
 1.日本における感覚代行研究と触覚研究
 2.視覚障害者用情報コミュニケーション機器
 3.世界初円盤型点字ディスプレイ開発
 4.アスクてんてんの評価と役割
 5.ユーザーテストの結果
 6.ユーザーテスト結果の分析
 7.発売から7年で製造中止となった理由
 8.触覚ディスプレイ開発と応用技術


第4部 機器開発と視覚障害当事者の役割

第9章 感性工学に基づいた支援技術開発
 1.情報支援技術開発における障害を持つ開発者の役割
 2.ユーザーによる製品企画(アイディア)と開発者
 3.売れる商品企画が社会貢献?
 4.Assistive Technologyにおける福祉工学と支援工学
 5.ユーザー本位の開発とは

第10章 アシスティブ・テクノロジー・コミュニケーター(ATC)の可能性
 1.科学技術コミュニケーターとは誰か?
 2.具体的な事例から――円盤型点字ディスプレイ開発における支援技術コミュニケーション
 3.支援技術コミュニケーターの提案

終章 支援工学と情報福祉
 1.支援機器と障害受容
 2.支援工学に基づいた支援
 3.領域架橋型研究と支援工学
 4.情報の福祉へ向けて


 参考文献
 あとがき
 著者紹介

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