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パリ神話と都市景観
本体3,800円+税
ISBN 9784750335070
判型・ページ数 A5・256ページ
出版年月日 2011/12/15

パリ神話と都市景観

マレ保全地区における浄化と排除の論理

古い建物が保存され流行に敏感な人々が集まるパリのマレ地区は、1964年歴史景観保全の対象となるまでは荒廃の進んだエリアだった。20世紀におけるマレの変貌を通じて、「歴史とファッションの都」というパリ・イメージの形成と都市計画の関係を探る。

 はじめに

序 パリ神話と都市景観
 1.パリ神話と都市計画の相関関係
 (1)パリ神話とは何か
 (2)パリ神話とマレ地区の保存
 2.歴史的街区の都市景観
 (1)外観の維持と歴史性
 (2)ペイザージュ・ユルバン(paysage urbain)とは何か

I 歴史主義と衛生主義の相克
 1.マレ地区の成立と近代都市の要請
 (1)マレ地区の「黄金時代」と衰退
 (2)都市計画の2つの傾向
 (3)不衛生区画事業の展開
 2.マレ地区における神話の形成
 (1)文学作品に残る地区の貴族性
 (2)「ラ・シテ」による威信の確立
 (3)動員される知識人
 3.解体の回避と異物の排除
 (1)ユダヤ移民の流入
 (2)「ラ・シテ」のユダヤ移民観
 (3)ヴィシー政権下における政策転換

II 「保全地区」マレの成立
 1.不衛生区画から歴史的街区へ
 (1)都市計画・住居国際博覧会
 (2)掻爬的撤去という手法
 (3)第16区画からマレ地区の保存へ
 2.継承と断絶
 (1)建築家アルベール・ラプラドの理想
 (2)マルロー法が実現しようとしたものは何か
 3.歴史的な景観の創出
 (1)セーヌ県による整備計画
 (2)最初の保全プランの策定

III 神話に基づいた景観の形成
 1.批判の高まりと政策の後退
 (1)当初の事業の困難
 (2)マレ地区の位置づけの変化と保全プランの承認
 2.効力を発揮する神話
 (1)ブルジョワ化・フランス人化・高学歴化
 (2)保全地区モデルの普及
 (3)観光客と専門家の地区へ
 3.新しいアクターの流入と懐柔
 (1)マレ・フェスティヴァルの盛衰
 (2)マレ地区における複数の分断
 (3)地区を規定し続ける神話

 おわりに

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