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開発援助と人類学
本体2,800円+税
ISBN 9784750334103
判型・ページ数 4-6・296ページ
出版年月日 2011/06/05

開発援助と人類学

冷戦・蜜月・パートナーシップ

人類学者にとって「開発」は避けて通れない問題。いかに開発援助に関わり、貢献するか。いかに開発と人類学の相互に実りあるパートナーシップを築き上げるのか。これらの課題に開発現場での実践経験を通して答える論考を集めた、これからの開発人類学入門。

 調査する「私」を問うことから始まる――『開発援助と人類学』刊行に寄せて(原ひろ子)
 実践人類学と開発援助――『開発援助と人類学』刊行に寄せて(松園万亀雄)

 はじめに(佐藤寛)

I 人類学と開発問題

第1章 開発援助と人類学の関係(佐藤寛)
 1 はじめに――問題解決と人類学
 2 人類学者を取り巻く現実
 3 人類学者がやってきたこと
 4 「役に立つ」から「影響を与える」人類学へ
 5 パートナーシップへ――ちゃぶ台返しもまた貢献

第2章 開発人類学の展開(鈴木紀)
 1 はじめに――「将来の礎」として開発人類学を振り返る
 2 私の体験から
 3 開発と人類学――三つの論点
 4 文化批判としての開発人類学

第3章 開発人類学の認識論――「人類学的」応用の意味するもの(関根久雄)
 1 「人類学的」であることの要件
 2 「つなぐ」
 3 「ディスカスする」
 4 創発的協働と戦略的迎合
 5 「人類学的」――人々の目線に近づく

第4章 文化人類学と国際医療協力のつながり・へだたり――KAPサーベイをめぐって(白川千尋)
 1 はじめに――文化人類学と国際医療協力のつながり
 2 調査手法におけるへだたり――定量的な手法と定性的な手法
 3 調査対象におけるへだたり――医学的な対象と非医学的な対象
 4 対象を広げる――へだたりを埋める全体論的視点
 5 おわりに――バロメーターとしてのKAPサーベイのあり方

II 実践の現場から

第5章 エミックな視点から見えるトイレの問題――現地社会の内側からの理解とは(杉田映理)
 1 はじめに――現地社会を捉える二つの視座
 2 文化人類学におけるエミック、エティックという概念
 3 ウガンダのギス民族における忌避関係とトイレの話
 4 開発課題としての衛生改善
 5 考察――エミックな視点から見える衛生改善の問題
 6 おわりに

第6章 開発援助実践のフィールドワーク――「わたしたちが変わる」場づくりのために(小國和子)
 1 はじめに――開発援助実践のフィールドワークの可能性
 2 開発援助の現場で際立つフィールドワークの特徴
 3 開発援助実践のフィールドワークに向けて
 4 農村開発協力とフィールドワーク
 5 事例紹介――日常に近づくフィールドワーク機会の創出
 6 おわりに――わたしたちから始められること

第7章 「人々のことば」と「開発のことば」をつなぐ試み――開発援助におけるコミュニケーションを再考する(佐藤峰)
 1 はじめに――開発援助とコミュニケーション
 2 事例の検証――中米ニカラグアでの若年妊娠予防の試み
 3 概念的な考察――「第三のことばで語りなおす」とはどういうことか?
 4 おわりに――ポスト開発を具体的に創造していくために

第8章 ローカルな文脈とジェンダーの接点を求めて――開発実践者の立ち位置を考える(藤掛洋子)
 1 はじめに――ローカルセンシティブとジェンダーセンシティブの議論
 2 調査者の視点
 3 パラグアイ農村女性のエンパワーメントのプロセス
 4 開発の文脈におけるローカルセンシティブとジェンダーセンシティブの関係性
 5 おわりに――開発援助に文化人類学者が関わるわけ

第9章 開発実践における「プロセスの記述」――ザンビアとタンザニアのフィールドからの学び(荒木美奈子)
 1 開発実践からの出発
 2 開発実践における「実践と省察(Action-Reflection)」
 3 「女性クラブ」をめぐる多様な解釈と対応
 4 アクター間の相互作用により創出されるプロセス
 5 開発実践プロセスの解釈
 6 開発実践における「プロセスの記述」の有効性と課題

第10章 開発の「正義」と見えない代価のはざま――東アフリカ灌漑地への入植と健康被害を垣間見て(石井洋子)
 1 はじめに――灌漑開発と問題群
 2 ギクユ人とコメ作り
 3 創出された水田地帯
 4 入植をめぐる葛藤
 5 公衆衛生プログラムの不在
 6 婦人会による生活改善活動
 7 おわりに――経験知から学ぶこと

第11章 健康とをどう捉えるか――ネパール農村女性の妊娠、出産、産褥期の健康希求行動(松山章子)
 1 はじめに
 2 調査地概要と調査方法
 3 治療サービス希求行動――妊娠中、出産期の「出血」をめぐって
 4 治療選択に影響を与える多様な社会・文化・経済的要因
 5 文脈を理解する方法論としての医療人類学

 あとがき(藤掛洋子)

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 索引

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