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インドネシアの教育
本体4,500円+税
ISBN 9784750333342
判型・ページ数 4-6・416ページ
出版年月日 2011/01/25

インドネシアの教育

レッスン・スタディは授業の質的向上を可能にしたのか

筆者のインドネシアでの教育活動(レッスン・スタディ)をもとに、「子ども中心主義」の視点から、教育実践における問題や課題とその原因、解決への見通しを論ずる。多くの事例と資料を通じて、広く発展途上国の教育への関心を誘う。

 はじめに

 序章 インドネシアの国と教育概要

第一部 インドネシアの授業

 第1章 インドネシアの授業実践
  事例1 講義をひたすら聞く
  事例2 できない子は「蚊帳の外」
  事例3 新しい授業実践の試み(その1)
  事例4 新しい授業実践の試み(その2)
 [コラム]インドネシアの学校の一年、学校の一日

第2章 授業に対する教師の考え方
 1 伝統的な授業 vs.新しい授業
 2 授業実践に対する考え方の変化
  教師の役割・生徒の役割――「生徒が主体、教師は支援者」
  授業を構成する要素――「グループワーク・プレゼンテーション・ワークシート」
  生徒の学習に対する評価――「評価なしではすまされない!」
 3 教師の教育観・授業観
  「教科書を教える」から脱却できない
  知識観
  学習観
  評価観
 [コラム]インドネシアの学校施設

第3章 授業デザインの問題
 1 授業案の作成過程とその問題
  授業案作りの実際(その1)
  授業案作りの実際(その2)
  枠組み重視の授業作り
  授業内容についての不十分な理解
  汎用性のある授業案?
  教材研究の欠如と授業の組み立ての甘さ
 2 授業の実践過程とその問題
  型にはめる
  教師の指示した手順でなければダメ!
  「易行」という考え方
  効率性と均質性を求める
  最初に結論ありき
  客観的な評価への傾倒
 3 授業デザインの問題が招く授業の不成立
  教師のもつべき知識
  教材の理解不足
  最適な教授方法の選択ミス
  生徒理解の欠如
 [コラム]インドネシアの中学生と制服

第4章 授業実践を取り巻く環境
 1 未熟な地方分権
  地方分権制の施行
  地方分権と教育行政
  学校交付金
  教育無償化プログラム
  地方教育行政の無能ぶり
 2 繰り返し改訂されるカリキュラムと教科書
  カリキュラムの変遷
  教科書の問題
 3 資質の低い現職教員とその対策
  教員資格の引き上げ
  大幅な待遇改善
  深刻な教育予算の逼迫
 4 改善迫られる教員養成課程
  教員養成大学とその教育課程
  教員養成の二つの課題
 5 ハイステイクな全国統一卒業試験
  全国統一卒業試験とは
  全国統一卒業試験に内在する問題
 6 格差を前提とした教育
  普通学校と宗教学校
  学校の格づけ
  生徒の格づけ
 [コラム]将来を担う「教師の卵」

第二部 レッスン・スタディによる授業改善

第5章 授業の質的改善のための授業研究(レッスン・スタディ)
 1 授業研究とは何か
  授業研究の定義
  授業研究の機会とその実践過程
 2 「授業」の世界とその複雑性
  「授業」をどう捉えるか――二つの見方
  授業の三つの側面
  学びの意味の転換
 3 我が国における授業研究の歴史
  授業研究の制度化と普及(一八七〇~一九〇〇年頃)
  授業方法の定型化・制度化による閉塞(一九〇〇~一九一〇年頃)
  大正自由教育のもとでの授業研究(一九一〇~一九三四年頃)
  戦時体制下における授業研究の困難(一九三五~一九四五年頃)
  教育学としての授業研究(一九四六~一九六四年頃)
  行動主義による授業研究の科学化(一九六五~一九七六年頃)
  学校の危機と授業研究の衰退(一九七七~一九八九年頃)
  校内研修を中核とした授業研究(一九九〇年以降)
 [コラム]インドネシアの教師の一日と彼らの職業観

第6章 インドネシアのレッスン・スタディ
 1 インドネシアにおける授業研究の導入
  授業研究の二つの様式
  「学びの共同体」による授業研究
  レッスン・スタディの具体的な実践方法
 2 レッスン・スタディが直面した問題
  「学びの共同体」の哲学が理解できない
  「すべての生徒の学びを保障する」という前提が揺らぐ
  「レッスン・スタディは教授法」という誤解
  「Plan・Do・See」による誤った授業研究方法
  「コーペラティブ・ラーニング」をめぐる混乱
 3 遅々として進まないレッスン・スタディ
  生徒の行動報告?
  「目に見える実践」しか見えない
  イベントとしてのレッスン・スタディ
 4 レッスン・スタディを活性化する工夫
  日々の授業改善のためのレッスン・スタディという意識
  個々の教師による明確な問題・課題設定
 [コラム]機能不全の「教員研修センター」

第7章 インドネシアに芽生えつつある新しい芽
  問題山積の中でのレッスン・スタディの開始
  ストレスと苦悩の日々
  悪化するレッスン・スタディ
  爆発した不満
  レッスン・スタディの転機
  気になる二人の教師の存在
  学び合えるレッスン・スタディ
  レッスン・スタディを有意義なものとするために
 [コラム]被援助国から援助国への転換

 資料 インドネシアの中学校教科書内容
  国語(インドネシア語)
  数学理科(物理分野、生物分野、化学分野)
  社会(地理分野、経済分野)
  英語


 参考文献
 おわりに
 索引

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