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貪欲に抗する社会の構築
本体2,800円+税
ISBN 9784750332703
判型・ページ数 4-6・368ページ
出版年月日 2010/09/20

貪欲に抗する社会の構築

近代合理主義をこえる仏教の叡智

マルクスにせよウェーバーにせよ、西欧社会科学は、人間の本性を貪欲と認め、社会全体が貪欲であることを肯定した上で理論を構築した。しかし、今日の環境危機や金融危機は貪欲な社会がもたらした不幸といえまいか。貪欲を克服する智慧を何に見いだすべきか。

 はじめに

第一部 欧米社会科学の限界

第一章 古典的社会科学における貪欲の是認ないし放置
 第一節 西欧社会科学における貪欲の不問の起源
 第二節 マルクスにおける歴史主義的退行
 第三節 自文化中心主義者としてのヴェーバー
 要約と結論

第二章 欧米社会学における貪欲の無視
 第一節 社会学の祖としてのコント
 第二節 デュルケームの社会優越論
 第三節 ジンメルにおける形式的人間肯定論
 第四節 フランクフルト学派の批判的理論
 第五節 機能主義社会学と構造主義
 第六節 微視的社会学
 第七節 その他の一般理論を指向する社会学
 要約と結論

第三章 欲望を対象とする精神分析学と自己実現理論
 第一節 フロイトの精神分析学
 第二節 マズローの自己実現理論
 第三節 産業労働分野における自己実現理論
 第四節 政治学および社会心理学分野における自己実現理論
 要約と結論

第二部 東アジアにおける社会思想の限界

第一章 中国における非仏教的社会思想
 第一節 伝統的諸思想
 第二節 近代および現代の思想状況
 要約と結論

第二章 日本文化論の同一性への収縮
 第一節 日本文化論と柳田民俗学
 第二節 前期柳田における異界と漂泊者
 第三節 後期柳田における一国民俗学の確立
 第四節 異界の残存としての女性讃歌
 第五節 柳田の変質の理由
 第六節 同一化的方法への矮小化
 第七節 同一性への収縮
 要約と結論

第三部 仏教思想の可能性

第一章 インドと周辺地域における仏教思想
 第一節 インドと周辺地域の仏教の時期区分
 第二節 原始仏教の教説
 第三節 大乗菩薩道の思想的展開
 第四節 大乗仏教における空の思想
 第五節 その他の大乗仏教
 第六節 密教の形成
 要約と結論

第二章 中国仏教の脱社会化と空思想の放棄
 第一節 中国仏教の時期区分
 第二節 弥勒信仰と浄土教
 第三節 天台教学における本覚思想
 第四節 禅宗
 第五節 華厳宗と密教
 要約と結論

第三章 中国仏教の民間信仰化
 第一節 諸仏・諸菩薩の起源
 第二節 釈迦・弥勒から阿弥陀・観世音へ
 第三節 四大霊山の成立
 要約と結論

第四章 日本仏教の権力への屈従
 第一節 日本仏教の皇道仏教化
 第二節 仏教導入期における仏法と王法
 第三節 鎌倉仏教における権力との距離
 第四節 浄土真宗による権力の受容
 第五節 法華・日連系の新宗教
 要約と結論

第五章 テーラワーダ仏教圏における仏教的社会運動
 第一節 はじめに
 第二節 スリランカのダルマパーラとアーリヤラトナ
 第三節 インドのアンベードカル
 第四節 タイのプッタタート比丘
 第五節 「ここ」と「いま」に立脚する原始仏典の再解釈
 要約と結論

 終章
 おわりに

 索引

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