ホーム > 朝鮮の歴史から「民族」を考える
朝鮮の歴史から「民族」を考える
本体3,000円+税
ISBN 9784750332482
判型・ページ数 4-6・272ページ
出版年月日 2010/08/10

朝鮮の歴史から「民族」を考える

東アジアの視点から

日本社会の民族差別と朝鮮半島の分断状況の中で、在日朝鮮人は生きる意味をどう見出すべきなのか。一国史完結的なとらえ方でなく、広く東アジア史・朝鮮史・在日朝鮮人史との関連の中で、〈民族〉の問題を掘り下げて考える著者渾身の史論。

 はじめに

1 民族、ナショナリズムの定義
 ○ネイション、エスニシティ
 ○少数民族、先住民族
 ○ナショナリズム
 ○愛国心、祖国批判
 ○再びナショナリズムについて

2 民族の形成発展
 ○民族の形成
 ○中国、日本
 ○朝鮮民族の形成
 ○女真族について

3 近現代日本の対外関係の基底
 1.先の戦争をどう見るか(「太平洋戦争」、「一五年戦争」、「五〇年戦争」)
 2.近現代日本の対外関係の基底(「敗戦前」、「敗戦後」)

4 近代東アジア三国の分岐
 ○分岐の原因をめぐる論争
 ○外圧の強度の差
 ○朱子学的理念の国家体制のあり方
 ○歴史における可能性・選択肢

5 朝鮮の変革運動と世界史的課題
 ○近代の変革運動=開化派と甲午農民軍
 ○現在の変革運動=連邦制統一

6 大韓帝国の歴史的性格
 ○朝鮮近代政治史・外交史研究の不振
 ○「光武改革」と王権/その限界性

7 「乙巳五条約」の法的効力
 ○「乙巳五条約」の法的効力問題の浮上
 ○「不当・不法(無効)論」
 ○「不当・合法(有効)論」
 ○「不当・合法(有効)論」に対する批判
 ○戦後処理における植民地責任

8 反日義兵「戦争
 ○交戦団体としての承認を外国に要請
 ○義兵側の膨大な犠牲者数
 ○安重根の法廷闘争
 ○「植民地戦争」

9 三・一独立運動と「民族代表」
 1.三・一運動の展開と歴史的意味
  独立運動の主体的力量
  三・一運動の展開と特徴
  日帝の弾圧と「大正デモクラシー」
  歴史的意味
 2.「民族代表」の評価
  「民族代表」研究における通説の問題点
  「民族代表」と民族主義者一般を同一視
  「民族代表」の独立運動の内実
  崔南善と韓龍雲

10 民族主義と社会主義
 1.民族主義運動
  「ブルジョア民族主義」「民族資本」
  朝鮮人ブルジョアジーの軌跡
  民衆的民族主義
 2.社会主義運動
  初期共産主義運動についての認識
  社会主義的な民族主義者、民族主義的な社会主義者

11 「植民地近代化」論批判
 1.「植民地近代化」論
 2.批判
  方法論の問題
  実証レベルの問題
  「ニューライト」運動の先頭へ

12 「植民地近代(性)」論の問題点
 1.「植民地近代(性)」論
  都市文化のヘゲモニーとしての成立
  「グレーゾーン」と「近代主体」の形成
  脱近代・脱民族
 2.問題点
  植民地主義の抜け落ちた近代批判
  抵抗(抗日)主体・民衆の存在を軽視
  「抵抗」の無力化へ作用

13 植民地期の朝鮮人史学者たち
 1.植民地期の朝鮮史学史
  朝鮮人不在の近代朝鮮史学史
  朝鮮人史学者の「三つの潮流」論
  争点
 2.課題
  震檀学会と朝鮮学運動
  孫晋泰論
  再建震檀学会の内紛
  学問の現実認識と参与

14 戦時下日帝の朝鮮農村収奪政策
 1.戦時下日帝の朝鮮農村収奪の二大目標
  軍隊、「労務供出」などの強制徴発
  戦時農産物「増産」への強制動員
 2.朝鮮農村の貧窮化
  農村労働力構成の変化
  農業生産力の低下、農民生活の破綻
  いわゆる「植民地国家」論

15 在日朝鮮文化財返還問題
 1.朝鮮総督府の古蹟調査事業
  事業内容
  古蹟調査出土物の所蔵先
 2.文化財返還問題
  略奪文化財返還問題の視点
  文化財返還にむけた国際社会の努力
  在日朝鮮文化財返還における諸問題

16 歴史教科書問題
 ○国家にとっての歴史教育の役割
 ○日本の歴史教科書問題
 ○当局が主導する「歴史共同研究委員会」
 ○東アジア共通の歴史教材
 ○朝鮮の分断問題と海外同胞の視点
 ○朝鮮学校の朝鮮史教科書

17 在日同胞の現状・歴史・可能性
 1.在日同胞の現状
  海外同胞の動態的特徴
  「分断体制」論
 2.在日同胞社会の歴史――三度の分断危機
  冷戦体制の展開による最初の分断――解放直後から六五年「韓日条約」体制
  二度目の分断――七〇年代以降の「多文化共生社会」論と日本「国民」化圧力
  三度目の分断危機――九〇年代以降の「北朝鮮バッシング」
 3.六・一五南北共同宣言が切り開いた在日同胞の可能性

18 「銃砲声なき戦い」が終わりつつある――二〇〇〇年六月の南北首脳会談に寄せて
 ○『世界』(二〇〇〇年一二月号)インタビュー

19 三八度線・軍事境界線――新たな停戦機構と平和協定の模索
 1.朝鮮解放と三八度線
 2.朝鮮戦争と軍事境界線
 3.新たな停戦機構と平和協定の模索

20 朝鮮と日本の大学生が作った朝・日条約私案
 1.謝罪と補償、旧条約の無効、在日朝鮮人の民族権利
 2.条約名称、共和国の管轄権問題
 3.反支配権、武力不行使および非核化

21 朝鮮学校での朝鮮史教科書の見直しと変化
 1.朝鮮史教科書改訂の問題意識――海外同胞(在日朝鮮人)から見た「本国史」(朝鮮史)
 2.朝鮮学校における朝鮮史教科書の変遷過程
 3.二〇〇三学年度の朝鮮史教科書改訂

22 安重根義挙一〇〇年――日本における安重根研究の現況と課題
 1.研究史
  第一段階:敗戦から一九七〇年代まで
  第二段階:一九八〇年代から二〇〇〇年代初まで
  第三段階:二〇〇〇年代初期)
 2.研究課題(思想史の課題)
 3.伊藤博文の「再評価」について
 4.和解への糸口を

23 韓国強制併合一〇〇年――植民地責任・植民地犯罪を問う
 1.植民地責任追及の動き
  植民地の独立と非同盟運動
  「人道に対する罪」の出現
  「人道に対する罪」および「補償」の発展
  ダーバン会議
 2.問われ始めた植民地責任
  植民地責任、植民地犯罪
  植民地責任の次元
  植民地責任の主体と対象
 3.「植民地責任」「植民地犯罪」の類型
  植民地化の犯罪
  植民地支配下の犯罪
  継続する植民地主義に関連する犯罪

同じジャンルの本

このページのトップへ