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文化と政治の翻訳学
本体3,800円+税
ISBN 9784750331805
判型・ページ数 4-6・320ページ
出版年月日 2010/05/01

文化と政治の翻訳学

異文化研究と翻訳の可能性

日本は漢字を受け入れ様々な概念を吸収可能にしてきた。また明治以降は西欧近代の知を翻訳語を介して受け入れた。だが、翻訳で多様な文化を写し取ることはできるのか。アラビア語世界、南アジアの多言語世界……。翻訳不可能とも言える文化とどう対話していくのか。

I 異文化研究の可能性を求めて

 自他の境界の在処と研究者の姿勢(山本真弓)
 森有礼と北一輝の共通項――非日本語採用という「国家戦略」(臼井裕之)
 ヒップホップの想像力とアメリカ現代社会(藤永康政)

II 翻訳学の試み

1.文化、歴史、宗教的概念の翻訳(山本真弓)
 自文化を書く-だが、誰のために?――「文化の翻訳」をめぐるネイティヴ人類学徒の挑戦(加藤恵津子)
 「東海(トンヘ)」は「日本海」か?――朝鮮語と日本語の視点の差異(山田寛人)
 クルアーンをテクストとする解釈学の可能性について(奥田敦)

2.言語芸術、とくに詩歌の翻訳(山本真弓)
 翻訳――あるいは虚無を通じた「私たち」の変容(古荘真敬)
 谷川俊太郎とウィリアム・オールドの「出会い」と「共鳴」――そして、詩を翻訳する〈不可能性〉について(臼井裕之)
 翻訳の検証から見る谷川俊太郎の詩世界(田原)

 あとがき
 索引