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非「教育」の論理
本体4,500円+税
ISBN 9784750331102
判型・ページ数 4-6・352ページ
出版年月日 2009/12/01

非「教育」の論理

「働くための学習」の課題

「教育基本法」が改正されても「教育」問題は解決していない。問題の根は深く、広い。混迷の根元は近代化のために整備してきた教育体制とそれを支えてきた教育理念にある。人が生き、働くことにつながらない「教育」の根元的な問題を解明、解決する糸口を探る。

序 本書の意味するもの(元木健)
  いま日本の教育は
  田中萬年氏の提言
  本書の主旨と内容

第一章 非教育の論理――「教育」の誕生・利用と国民の誤解(田中萬年)
 はじめに
 一.「学問」と「教育」と“Education”
 二.国民統制のための教育の利用
 三.誤解のままの戦後教育観
 四.人間形成の方略
  補一.「教育」の適切な英訳
  補二.「教育」が適切な営み

第二章 非教育の可能性――教育を脱構築する(里見実)
 一.教育を疑う
 二.仕事場の解体と学校化
 三.教育する者のためにおこなわれる教育という行為
 四.ヴァナキュラーな価値
 五.フレネとイリイチ
 六.ドン・キホーテとサンチョ・パンサ

第三章 マンパワー政策と非教育(木下順)
 一.暗記した言葉の虚しさ
 二.自分で学ぶ力
 三.一番病患者のつくりかた
 四.高度成長の影
 五.マンパワーの国
 六.思わざる結果の後始末
 七.スプーンでお粥
 八.消費者から生産者へ
 九.日本をともに創るために

第四章 「平和的福祉国家」と人間開発――教育の限界性の検討(金子勝)
 はじめに
 一.「棄民化される国民」と「戦争する国家」の姿
 二.「グローバリゼーション」と日本の改造
 三.「平和的福祉国家」の希求
 四.「平和的福祉国家」と人間開発

第五章 戦争と平和をめぐる教育と非教育の弁証法(山田正行)
 一.視座
 二.教育と非教育の弁証法
 三.西田の戦争協力の検討
 四.西田・三木・宮原における形成と教育の連関
 五.形成と教育/非教育の弁証法

第六章 教育概念と教育改革――労働と学習の結合の問題(宮坂広作)
 はじめに
 一.田中萬年氏の「非教育」論
 二.近代の教育と労働力の形成
 三.「労働と学習の結合」をめぐる教育的遺産
 四.戦後における生産・労働と教育

第七章 ドイツ教育学における一般陶冶と職業陶冶の関係――新人文主義教育を中心に(佐々木英一)
 一.はじめに
 二.新人文主義と一般陶冶
 三.ドイツ教育学における一般陶冶の変質と職業陶冶の軽視
 四.ドイツの陶冶論が与える示唆

第八章 職人の能力形成論――その予備的考察(渡邊顕治)
 はじめに
 一.「教育の観念」の検討
 二.「能力」の観念
 三.「学習」の観念
 四.職人として育つ
 むすびにかえて

第九章 管理された労働――企業内における技能形成のための教育訓練(山崎昌甫)
 一.技能形成のための「教育指導」
 二.科学的管理法における教育訓練の発想
 三.若者をどこへ

対談 人間形成の根底と職業人育成のあり方とは(元木健×田中萬年)
 a.全体的な意味づけとして
 b.各論考の特色と意味
 c.“まとめ”として

 あとがき
 索引

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