
本体3,800円+税
ISBN | 9784750330846 |
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判型・ページ数 | 4-6・288ページ |
出版年月日 | 2009/11/01 |
日本の寡婦・やもめ・後家・未亡人
ジェンダーの文化人類学
青木 デボラ 著
アメリカ出身の女性研究者が、「寡婦」として括られてきた、夫を亡くした日本の女性たち58人のインタビュー調査の結果をもとに、包括的に分析した研究成果。日本における「寡婦」像を、国家、家族、そしてジェンダーという社会関係のなかでとらえていく。
謝辞
序章 なぜ寡婦か
・研究方法と枠組み
・本書の構成
第1章 文化横断的・歴史的視点:共通基盤の探求
・人類学的研究における死、ジェンダー、寡婦
・グローバル視点からみた寡婦の役割
・東アジアの寡婦――中国と韓国・朝鮮
・結論
第2章 寡婦、やもめ、後家、未亡人の歴史――日本
・家父長的家族制度の形成――歴史的・言語的影響――平安から江戸時代
・制度化された不平等と“未亡人”の構築:明治・大正・昭和時代
・結論 寡婦たちの社会的地位と役割の歴史的変容
第3章 戦争未亡人:貧困、行動、アイデンティティ
・“亡くなった兵士の心の妻”
・反撃:未亡人と子どもたち――葦のようにたくましく
・戦争未亡人たちのイメージの変容
・あの人は帰ってこなかった:貧困にあった農村の女性たち
・逆縁婚(レヴィレート婚)
・経済的・社会的現実
・結論
第4章 生と死の交錯する場:儀礼と儀式のエスノグラフィ
・もう一つの見方:儀式と通過儀礼における寡婦の役割
・法事における女性の参加のエスノグラフィ
・正餐、贈与交換、掃除
・地位を通じた抵抗と儀礼化された儀式
・結論:儀式へのエピローグ
第5章 現代の寡婦たち――貧困のなかの生活
・仕事とサバイバル
・貧困――福祉援助(生活保護)
・自然なケア提供者?
・ミドルクラスの寡婦
・ウイドウ・ウオッチング:懲戒、両性具有、セクシュアリティ
・農村における寡婦
・結論
第6章 結論:“新しい寡婦たち”――ようやく自由に
・結婚と家族の未来への挑戦
・貧困にある寡婦たちの未来――女性世帯主の貧困の加速と抵抗
訳者解説
引用文献