本体4,800円+税
ISBN | 9784750330778 |
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判型・ページ数 | A5・324ページ |
出版年月日 | 2009/10/01 |
暴力と戦争
暴力や戦争を批判的にとらえ、考察していく上で、フェミニズムやジェンダー論のもつ意味は大きい。本巻は、「暴力」の歴史を問い直し、その構造や行使される過程をジェンダーの視点から明らかにすることにより、歴史の新たな側面に光をあてる。
『ジェンダー史叢書』刊行にあたって
序論 「暴力とジェンダー」という問題(加藤千香子/細谷実)
第1部 社会秩序と暴力
第1章 日本中世社会秩序と暴力――武士団とジェンダー(黒田弘子)
第2章 ヨーロッパ中世都市における暴力(池上俊一)
第3章 アメリカ史の中のジェンダーと暴力(兼子歩)
第4章 「女工」言説と国民化・帝国・暴力(長志珠絵)
■コラム
男性と暴力(沼崎一郎)
国家暴力と映画(佐藤忠男)
第2部 対抗暴力の諸相
第1章 百姓一揆に見る暴力とジェンダー(アン・ウォルソール/山口=内田雅克[訳])
第2章 中国における女性兵士(秋山洋子)
第3章 前線の姉妹兵――イラン女性の回想録から(山岸智子)
第4章 ラテンアメリカにおける対抗暴力(柴田修子)
■コラム
近代日本の青年のバンカラと暴力性(ジェイソン・G・カーリン)
黄禍論とジェンダー――柔弱から柔術へ(橋本順光)
第3部 国民国家と戦争
第1章 日本における徴兵制導入と男性性(細谷実)
第2章 ドイツにおける戦争とネイション・「人種」――「黒い恥辱」を起点に考える(弓削尚子)
第3章 女性と総力戦――大日本帝国の女性たち(成田龍一)
第4章 日本人「慰安婦」をめぐる記憶と言説――沈黙が意味するもの(山下英愛)
第5章 軍事主義とジェンダー――「ベトナム」以後の米国軍隊と女性兵士(白井洋子)
■コラム
日本兵と男性性(彦坂諦)
「八紘一宇」とジェンダー(千葉慶)