本体3,200円+税
ISBN | 9784750330594 |
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判型・ページ数 | A5・360ページ |
出版年月日 | 2009/09/01 |
障碍児心理学ものがたり 小さな秩序系の記録II
中野 尚彦 著
障碍児の学習に寄り添いながら、ときに立ち止まり、試行錯誤し、また進む。そうしたかかわりの中で著者が得た確定共有とは。心理学の知見を交え、自らの秩序をもとに逞しく生きるこどもたちの姿を詳細に描く第II巻では、障碍児教育のあり方をも考えさせる。
献辞
まえがき
こどもたちの名前
第1章 心理学寓論
第1節 チンパンジー列伝
知恵試験の元祖たち
ヴィキィ
数行動
ドナルドの妹
可愛い我が子
手話で話す
プラスチック言語
文を作る
野生の仲間たち
現代の名士たち
第2節 野生児
人憑きの人並み
人憑き
人憑かぬ人
第3節 2人の盲聾児
始まり
形
位置
点字
言葉
指文字
音声
確定共有
そしてもう1人
何が起きたか
第4節 行動の系譜
鯨と卵
心理学的行動図
救急・緩衝・革生
下位尺度値
開放と自律
呪術と工作
信号系の系譜
行動図の味わい
第5節 秩序系
ロレンツのバクテリア
ボール探し
コップの姉妹
発振器
眼球運動
αの目βの目
第6節 確定域
オタマジャクシ人間
音素の獲得
意味素の獲得
文の獲得
お日さま飛んでる
温かいの水
タイピストの不自由
あかちゃんの計画
第7節 現象と知識
生物学者と教育学者
ホヤの話
高いところに登る
第8節 見える世界
還元視野
良き形態
色の見え方
図地反転
隠し絵
ケルンを拾う
ヒヨコのお尻
弁別素性
蛙の目
第9節 こどもの科学
月の大きさ
こどもの科学
網膜像
像の大きさ
恒常現象
心の値
月の布置
第10節 運動と感覚
極楽トンボ
見ること、すること
針の目処
レモントンカツ
左利き障碍
脳間通信
背面鏡
第11節 構造化
お母さん仮説
予兆
コップ警報
拠り所保険
4番打者
碁石とクレヨン
小さな反逆者
衝立の陰
第2章 人と暮らして
第1節 小さな秩序系
バルコニーのこども
手のひらのネズミ
後ろの父さん
風の人
2人だけの秘密
届かない心
ブルーベリーヨーグルト
時を計る人
映像の中
集中治療室の人
話す声、聞く耳
ロバとオウム
紐を回して
やる気の形
閾下の射撃手
視線の形
第2節 秩序系の反転
着席の系譜
頭をはたく
幸せな人
隠し絵の護り
猫たちの護り
仕草の系譜
墨字文盲
目と生活
疑似盲人
誰が選ぶか
人の壁
大混乱
筏と汽船
第3節 秩序系の系譜
始まりの一歩
奥の細道
転がるコップ
落とし扉
透明なコップ
コップの底の穴
世界征服
順路
自信と信頼
第3章 食べる心
第1節 美食の系譜
おせんべいしか食べない
一夏のカレーライス
教室のラーメン
納豆無用
鯛も鮃も
偏食百景
真夏のすき焼き
おせんべいだけでいいでせう
第2節 満腹の系譜
食べれば育つ
クッキー缶の広さ
大宴会
選び取った麦チョコ
誇りとおせんべい
餓死するディスカス
第3節 食卓の系譜
両手協奏曲
ピアニストの手
回転お膳
ぺたんこのスプーン
スプーン回し
手品の世界
美しい誤解
手酌の味
スイカの滓
余りの餃子
第4章 それぞれの世界
第1節 辺境の秩序
唾を吐く人
たろちゃん働く
やっていけます
それぞれの仕事
独り言
乾電池を食べる
砂を食べる
籠をかぶって
爪を噛む人
狐の尻尾
第2節 数行動
4つ半分こ
数行動の胚芽
雛壇のチョコ
天才のかけ算
数える九九
どこまで行っても
階段の発明
お口は1つ
自前信号
21より大きい19
2と5と7
第3節 確定域
スリッパの世界
確定域の飛躍
無用の暗算
千も万も
数の実感
ニッチ
ソファと畳
満杯の5
3までの数
1と2とたくさん
歩く世界
50音表
留まる世界
第4節 隠された心
秘密の美学
流れる光
風が咬む
自動車の秘密
やっちゃん探索する
禁じられた遊び
あとがき
参考文献
こども一覧
本書を構成する用語――参照先一覧
■巻末資料
障碍児心理学ものがたり 小さな秩序系の記録 I 目次