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ホームレス支援における就労と福祉
本体4,800円+税
ISBN 9784750330570
判型・ページ数 A5・320ページ
出版年月日 2009/09/01

ホームレス支援における就労と福祉

著者自身のホームレス支援活動・実態調査と先行研究の検討に基づき、ホームレス問題の現状と問題点を分析、これからの施策として「就労自立アプローチ」ばかりでなく、「福祉的アプローチ」も重視した複線的施策を提言する。気鋭の著者による初の刊行書。

序章 本研究の背景と課題
  一 本研究の社会的背景
  二 本研究の課題と分析の視点
  三 本研究で用いる用語の定義

第I部 ホームレス問題とホームレス対策に関する文献学的検討

第一章 ホームレス問題の現状とホームレス対策の動向
 第一節 ホームレス問題の現状
  一 ホームレス数の推移
  二 国の実態調査にみるホームレス化の要因
  三 一九九〇年代におけるホームレス数増加の社会構造的背景
  四 小括──ホームレス問題の構造的背景
 第二節 一九九〇年代以降のホームレス対策の動向
  一 国によるホームレス対策が始まった経緯
  二 ホームレス対策の三つのアプローチ
  三 「就労自立アプローチ」への傾斜
  四 特別措置法の成立
  五 「退去アプローチ」の再燃
  六 特別措置法制定以降のホームレス対策
  七 一九九〇年代以降のホームレス対策の特徴

第二章 三つの側面からの先行研究の検討
 第一節 ワークフェアをめぐる先行研究──「就労自立アプローチ」を強調するホームレス対策の政策理念的背景
  一 ワークフェアの多様性
  二 わが国におけるワークフェア政策の動向
  三 ワークフェアへの批判と対案
  四 小括
 第二節 貧困研究の到達点とホームレス問題
  一 外国の貧困研究の概観
  二 日本の貧困研究の概観
  三 ホームレス問題をどう捉えるか
  四 小括
 第三節 日本のホームレス対策に関する先行研究──「就労自立アプローチ」と「福祉的アプローチ」
  一 「就労自立アプローチ」に関する先行研究
  二 「福祉的アプローチ」に関する先行研究
  三 小括
 
第II部 「就労自立アプローチ」による施策に関する調査研究

第三章 「就労自立アプローチ」の動向に関する全国調査
  一 調査の目的と方法
  二 調査結果1──自立支援センターの現状と実績
  三 調査結果2─労働局によるホームレス就労支援策の現状と実績
  四 調査結果3──協議会によるホームレス就業支援事業の現状と実績
  五 考察──ホームレス就労支援策の課題

第四章 A自立支援センター入所者調査──統計調査と事例調査
 第一節 本章の目的と課題
 第二節 統計調査──Aセンター入所者の特徴と退所時の状況
  一 調査の目的と方法
  二 調査結果1──入所者の特徴
  三 調査結果2──入所中および退所時の状況
  四 調査結果3──退所理由を規定する要因
  五 考察──A自立支援センターにおける支援の現状
 第三節 事例調査──就労自立を阻害する要因
  一 調査の目的と方法
  二 調査結果──退所者八名の事例
  三 考察──誰がどのように「自立」しているのか/いないのか

第III部 「福祉的アプローチ」による施策の現状と課題

第五章 ホームレス対策における生活保護行政の課題
 第一節 「自治体ホームレス対策状況」にみる生活保護行政の役割と課題
  一 調査の背景と概要
  二 ホームレスの施策利用状況
  三 就労自立と福祉等の措置
  四 ホームレス対策事業の効果
  五 ホームレス数の全国的減少の要因
  六 ホームレスに対する生活保護の適用状況
  七 考察
 第二節 「再野宿化」問題の構造──裁判事例とインタビュー調査からみた行政と当事者の距離
  一 「再野宿化」問題を正当化する行政側の論理
  二 行政の論理に対する当事者の反応──「再野宿化」経験者へのインタビュー調査から
  三 考察

第六章 生活保護によってホームレス状態を脱却した人々に関する調査研究──施設保護と居宅保護
 第一節 ホームレス支援における生活保護施設の役割──更生施設入所者調査
  一 調査の目的と方法
  二 調査結果1──入所者の年齢
  三 調査結果2──入所に至る経緯
  四 調査結果3──現在の生活
  五 調査結果4──今後の希望
  六 考察
 第二節 社会的ネットワークからみたホームレス対策の課題──居宅保護を受けた人の生活実態調査
  一 調査の目的と方法
  二 調査結果1──基本属性
  三 調査結果2──基本的な生活状況
  四 調査結果3──社会的ネットワーク
  五 考察

終章 総括と提言──就労と福祉の複線的アプローチの構築に向けて
  一 総括──本研究で明らかにしたこと
  二 提言──就労と福祉の複線的アプローチの構築に向けて
  三 本研究の限界と今後の課題

 引用文献
 初出一覧
 あとがき
 索引

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