ホーム > 援助職援助論
援助職援助論
本体2,400円+税
ISBN 9784750330501
判型・ページ数 4-6・304ページ
出版年月日 2009/09/01

援助職援助論

援助職が〈私〉を語るということ

吉岡 隆 編著
「援助職援助」とは援助職である自分を援助する、つまりセルフケアを意味する。その方法として本書が提案するのは自分を語ること。ソーシャルワーカー、精神科医など対人援助職10人が援助職になった動機、仕事での挫折体験などをつづり自分と向き合う。

 まえがき

第1部 変えてゆく勇気を(吉岡隆)

プロローグ ぼくはなぜ援助職になったのか
 偶然に見えた必然
 ぼくはなぜこの仕事を選んだのか

第1章 「できない」とは言えないと思っていたころ
 ぼくの援助の原点
 自分を試験観察する
 闘争心とハングリー精神がなければソーシャルワーカーじゃない!
 アル中なんか大嫌い
 相互援助グループとの出会い
 家庭訪問してこそわかること

第2章 相談関係は試し合い関係
 病院精神医療から地域精神医療へ
 「ぼくの土俵でやってよ」
 ふいにくらった平手打ち
 開き直り療法

第3章 ぼくを見捨てないでください
 常時120ケース
 セルフエスティーム
 誰を一番に配慮すべきか
 教育は共育

第4章 ターニングポイント
 薬物依存症者との出会い
 薬物依存症者の家族の相互援助グループ
 援助しない援助
 本人・家族・援助者の順に回復は遅い
 目が利かないことの恵み
 性依存症からの回復
 完全主義からの脱却
 カウンセリングを受けて初めて知ったこと
 Kさんへの手紙

第5章 自分を大切にできなければ、他人も大切にできない
 相談室を開設して
 援助職のセルフケア
 共依存症はお世話焼き病
 イエローカード・レッドカード

第2部 自分と向き合うということ――9人のマイストーリー

STORY1 大嶋栄子(ソーシャルワーカー)
 たび重なる患者さんの再入院に直面し、無力感におそわれたあのころ。一生懸命に関わったのになぜなのか。その理由がわかるまでには、たくさんの失敗と時間が必要だった

STORY2 伊波真理雄(精神科医)
 医師を目指したのは医師の家庭に生まれたから。「人を助ける仕事」と考えたことがなかった自分を変えた、アルコール依存者との出会い

STORY3 村井美紀(元精神科ソーシャルワーカー/教員)
 親の期待を裏切れないという思いで選んだ福祉の道。精神科での挫折体験から自分自身の課題と向き合い、いまは学生から学ぶ日々

STORY4 奥西久美子(臨床心理士)
 日々クライエントと向き合うなかで、自分自身にも向き合う。苦しくても向き合うほうが結局は自分を楽にする

STORY5 引土絵未(ソーシャルワーカー)
 援助者自身の当事者経験が援助の源になることを教えてくれた「治療共同体」の実践。自分の経験や感情を分かち合うことが誰かの勇気につながることを願う

STORY6 村田由夫(ソーシャルワーカー)
 自分の力でドヤ街の人たちは救われる。そんな思い込みをうち砕いた「アル中」さんの回復と自助グループ

STORY7 後藤恵(精神科医)
 両親や教会から遠く離れ、宗教的ではない生き方をしようと決めて歩んできたつもりが、相似形のようによく似た場所にたどり着いていた

STORY8 綿引美香(表現アートセラピスト/カウンセラー)
 家庭崩壊で傷ついた心を救ってくれた演劇。ドラマセラピーを学ぶために留学したアメリカで表現アートセラピーに出会い、その可能性に魅了された

STORY9 箱崎幸恵(母子・女性相談員)
 自己形成史をつづることで、子ども時代の自分と向き合い、当事者性に気づいてから、私の考え方、生き方ははっきりと変わった

 あとがき

 編著者紹介・執筆者紹介

同じジャンルの本

このページのトップへ