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イスラーム世界の奴隷軍人とその実像
本体7,000円+税
ISBN 9784750329437
判型・ページ数 A5・404ページ
出版年月日 2009/02/01

イスラーム世界の奴隷軍人とその実像

17世紀サファヴィー朝イランとコーカサス

16~18世紀前半に栄えたサファヴィー朝イランを支えたのは、グラーム(王の奴隷)と呼ばれるコーカサス地方出身の奴隷軍人だった。ペルシア語史料のみならずグルジア語史料も駆使して、ユーラシア史の新しい読み方を提出する。本邦初の画期的研究書。

お詫びと訂正

本書の記述のなかにグルジア文字の転記凡例をはじめ、いくつかの誤りが判明しました。読者の皆様には、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

該当箇所および正しい表記についてはPDFの正誤表をご覧下さい。

『イスラーム世界の奴隷軍人とその実像』(初版第1刷)正誤表(PDF:575KB)

まえがき

 凡例・転写表

序章 「境界」を越えた人々の歴史を追って
 はじめに
 第1節 「奴隷軍人」パラダイムの脱構築
  1 「イスラーム世界」における奴隷と王権
  2 サファヴィー朝史における適用
  3 「奴隷軍人」像の一人歩き
  4 奴隷軍人論の限界と革新
  5 奴隷エリートの位相
 第2節 辺境史の統合
  1 国民国家史の限界
  2 フロンティアとしてのコーカサス
  3 「辺境」の意味
 第3節 サファヴィー朝の政治体制変革について
  1 サファヴィー朝の成立
  2 「アッバースの改革」とその意義
 第4節 本書の構成

第1章 コーカサス出身者登用の始まり
 はじめに
 第1節 サファヴィー朝宮廷におけるコーカサス出身者の浸透
  1 タフマースプ一世によるコーカサス遠征とコーカサスの「国境化」
  2 カルトリ王子ダヴィトの亡命と帰国
  3 タフマースプ一世の後継者争い
 第2節 内訌前期のコーカサス出身者
  1 皇后の専制
  2 ミールザー・サルマーン時代の中央宮廷
 第3節 ハムゼ王子とコーカサス出身者
  1 ハムゼ王子のグラーム
  2 ファルハード・ベグの反乱
  3 ハムゼ王子とコーカサス出身者
  4 ハムぜ王子の遺産
 小結

第2章 グラーム導入による政治体制の革新
 はじめに
 第1節 グラーム集団の成立
  1 グラーム集団の形成
  2 グラーム集団初期の姿
 第2節 グラームの占めた位置
  1 グラームの就いた官職
  2 グラームの帯びた称号
 第3節 グラーム集団の組織
  1 グラーム軍長官
  2 グラーム集団の規模
  3 グラームの教育
 小 結

第3章 奴隷軍人の実相
 はじめに
 第1節 グラームのメンバーシップ
  1 グラームの意味
  2 欧文とペルシア語史料中の記述
  3 奴隷の供給先
  4 奴隷身分出身のグラームの具体的事例
 第2節 ファズリーの描くグラーム像
  1 キズィルバーシュ・アミールの奴隷から
  2 グラームのグラーム
  3 対オスマン朝戦での戦争捕虜
  4 地元有力者の子弟
  5 タージーク出身のグラーム
  6 モハンマディー・ハーンのコネクション
 第3節 グラームの紐帯
  1 アッラーヴェルディー家門
  2 グラームに仕える者たち
 小結

第4章 グルジア系グラーム四家系の社会的出自に関する考察
 はじめに
 第1節 グルジアにおけるタヴァディ・アズナウリ制度の確立
  1 グルジア王国の分裂
  2 タヴァディとアズナウリ
  3 グルジア王権と豪族制度の関係
 第2節 オタルとその一族の出自(バラタシュヴィリ家出身)
  1 オタルの出自
  2 家系の復元
  3 バラタシュヴィリ家
  4 サファヴィー朝との関係
 第3節 サフィーゴリーとその一族の出自(ミリマニゼ家出身)
  1 サフィーゴリーの出自
  2 家系の復元
  3 ミリマニゼ家
  4 サファヴィー朝との関係
 第4節 ロスタムとその一族の出自(サアカゼ家出身)
  1 ロスタムの出自
  2 家系の復元
  3 サアカゼ家
  4 サファヴィー朝との関係
 第5節 アッラーヴェルディーとその一族の出自(ウンディラゼ家出身)
  1 アッラーヴェルディーの出自
  2 家系の復元
  3 ウンディラゼ家
  4 サファヴィー朝との関係
 小結

第5章 アッバース一世の対コーカサス政策――「異人」登用の実像
 はじめに
 第1節 コーカサス出身者の二重アイデンティティ
  1 アッバース一世治世初期のサファヴィー朝とコーカサス
  2 エスファハーンのダールーガ
  3 有力家系出自のグラーム
 第2節 コーカサス・フロンティアの再編
  1 部族移動と殖民
  2 部族牽制
  3 新部族創出と移住
  4 統治エリートの融合
  5 統治者の交代
 第3節 強制移住と「移住」社会
  1 イラン中部およびカスピ海沿岸への強制移住の前提
  2 一六一四年の政変
  3 アッバース一世のグルジア・シルヴァーン遠征
  4 「保護」と現地社会の「移植」
  5 「宮廷空間」の伸張
 第4節 アイデンティティの変容と革新
  1 カルトリ豪族出自のグラームの台頭
  2 アイデンティティの「操作」
  3 変容するエリート、エマームゴリー・ハーンの婿たち
  4 帝国中枢――ファラハーバード・エスファハーン・シーラーズ
  5 シモン二世とシャーの孫娘の結婚
 小結

第6章 二重の周縁――故郷に帰還するコーカサス出身者
 はじめに
 第1節 ロストムの「帰還」
  1 ロストムの生い立ち
  2 グルジアへの「帰国」
  3 テイムラズ一世との確執
  4 「奴隷」と「国王」の狭間で
 第2節 グルジア史書の「復活」
  1 パルサダン・ゴルギジャニゼの生涯
  2 『グルジア史』の背景――シューシュタル捕囚
  3 グルジア政治の「罠」
  4 アルチル二世の生涯
  5 『テイムラズとルスタヴェリの対話』
  6 文化意識の「成熟」
 第3節 「周縁」の統合と離脱
  1 「王の中の王」たちの争い
  2 二つのペルシア語・グルジア語文書から
  3 サファヴィー朝の滅亡とグルジア王家
 小結
 結論

附編 史料解題(1)
 第1節 ペルシア語史料
 第2節 グルジア語およびアルメニア語史料
 第3節 その他言語の史料

附編 史料解題(2)『歴史の精華』第三巻の発見とその意味
 第1節 写本発見の経緯とその概要
 第2節 記述内容の特徴――『世界を飾るアッバースの歴史』との比較を通して
  1 家族関係に関する記述
  2 王族に関する記述
  3 行政・外交に関する記述
  4 コーカサス情報
 第3節 結びにかえて

 本文注釈

 謝辞

本書の基礎となった論文一覧
参考文献
 I 一次文献
  ペルシア語史料
  グルジア語およびアルメニア語史料
  ヨーロッパ諸語史料等
 II 二次文献
  外国語資料
  邦文資料

 地図・写真・系図・表・図

 索引

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