本体8,000円+税
ISBN | 9784750329352 |
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判型・ページ数 | A5・452ページ |
出版年月日 | 2009/02/01 |
国境を越えるフィリピン村人の民族誌
トランスナショナリズムの人類学
長坂 格 著
故郷との間に密接なネットワークを保持してきたフィリピン人移住労働者たち。イロコス地方村落と移住先イタリアでのフィールドワークをもとに移住者の生活世界を鮮やかに描き出し、国際移住がもたらすトランスナショナルな社会関係の形成や変化を考察する。
序論 トランスナショナリズムを文脈化する
はじめに
1 フィリピンからの国際移住に関する先行研究の検討
2 フィールドワーク
3 本書の構成
4 イロカノ語表記および為替レートについて
第 I 章 トランスナショナリズム研究からの視点
はじめに
1 移住研究における均衡論と史的構造論
2 トランスナショナリズム研究の射程
第 II章 村落社会の概観
はじめに
1 町の中心と周辺
2 家族・親族関係の特徴
3 イロコス地方からの移住
第III章 S村からイタリアへの移住
はじめに
1 移住研究における親族ネットワーク
2 イタリアにおけるフィリピン人の概況
3 移住者のプロフィール
4 S村におけるイタリアへの移住の拡大
5 ローマにおける移住者の生活とネットワーク
6 親族ネットワークの政治経済的背景
おわりに
第IV章 村落社会の中のバリックバヤン
はじめに
1 S村における送金収入の重要性
2 海外移住者と村落社会の多様な関わり
3 海外移住者の故郷での生活
第V章 故郷で養育される移住者の子どもたち
はじめに
1 トランスナショナルな家族ネットワークへの視点
2 故郷に残される/送り返される子どもたち
3 家族関係の特徴からの考察
4 「持つ親族」と「持たざる親族」
おわりに
第VI章 故郷で伝統的宴を主催する
はじめに
1 村落社会における精霊信仰
2 村落社会における宴
3 ダヤの事例
4 ダヤの現在
5 考察
第VII章 マニラに移住した村人たち
はじめに
1 S村出身者のマニラにおける紙器業への集中の経緯
2 S村出身者の紙器業への集中の背景
3 紙器工場経営者たちの日常生活
おわりに
結論 国境を越える村人と故郷
はじめに
1 トランスナショナリズムの形成過程の個別性
2 トランスナショナルな社会的場の動態
3 トランスナショナリズムの持続
4 トランスナショナリズムの文脈化と国際移住研究
付録1 男性への結婚時の相続(サブオン)の歴史的変化
付録2 世帯調査の概要
謝辞――あとがきにかえて
参考文献
主要語彙集
索引