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文化、ことば、教育
本体3,800円+税
ISBN 9784750328485
判型・ページ数 A5・300ページ
出版年月日 2008/09/01

文化、ことば、教育

日本語/日本の教育の「標準」を越えて

国家によって標準化された国語/日本文化の枠組みは、多様性を排除する権力として作用する。教育を通して維持・再生産されることば/文化の標準化の過程を、言説、教科書、教室での実践など諸レベルから考察し、教育者としていかにかかわるべきかを鋭く問う。
はじめに(佐藤慎司、ドーア根理子)

第1部 理論的枠組み

第1章 ことばと文化の標準化についての一考(久保田竜子)
 はじめに
 1 ことばの標準化
 2 文化観の標準化
 3 標準化への抵抗
 4 批判応用言語学
 5 残された課題

第2部 言説分析

第2章 言語をどのようにして数えるのか――翻訳という実践系(酒井直樹[佐藤慎司、ドーア根理子訳])
 1 一つの中の多数
 2 対―形象化の図式
 3 非連続の連続としての翻訳
 4 制作的技術としての翻訳の実践系

第3章 「通じること」の必要性について――標準化のイデオロギー再考(ドーア根理子)
 はじめに
 1 言語イデオロギーと標準化
 2 日本語、国語、標準語、方言、共通語という概念の普及
 3 「通じる」ということについて――英語に関する議論を中心に
 4 将来への展望

第4章 日本語における女性の言葉遣いに対する「規範」の再考察(岡本成子)
 はじめに
 1 ことばの社会的意味と言語イデオロギー
 2 先行研究にみる女性の言葉遣いの規範――歴史的概観
 3 批判的視点からみた女性の言葉遣いの「規範」
 おわりに

第5章 日本人の思考の教え方――戦後日本語教育学における思考様式言説(牲川波都季)
 1 ナショナリズムと日本語教育
 2 第 I 期:日本語教育で復活する「日本語=日本人の思考様式」
 3 第II 期:「日本語=日本人の思考様式」を習得させる日本語教育
 4 第III期:「日本人の思考様式」と「○○人の思考様式」の差異化を促す日本語教育
 5 結論


第3部 テキスト分析

第6章 「日本語を学ぶ」ということ――日本語の教科書を批判的に読む(熊谷由理)
 はじめに
 1 「批判的に読む(critical reading)」ことの意義
 2 初級日本語教科書『げんき』
 3 教科書『げんき』に見られる「標準的なこと」「正常なこと」
 4 ディスカッション――「標準語」「完璧なコミュニケーション」
 おわりに

第7章 日本文化を批判的に教える(久保田竜子)
 はじめに
 1 ナショナルスタンダーズと文化の本質主義批判
 2 文化を教えるための批判的アプローチ――4D
 3 教科書の中の文化的情報についての批判的理解――実際例
 4 結論


第4部  エスノグラフィー

第8章 年少者日本語教育はどのように語られているか――関係論的観点からの批判的検討(神吉宇一)
 はじめに
 1 言説および言説分析
 2 年少者日本語教育研究における言説
 3 異なった観点
 おわりに

第9章 作り作られる国語/日本語――言語標準の歴史と保育所での実践(佐藤慎司)
 はじめに
 1 問題提起――日本語が乱れている
 2 共通語、正書法の歴史的背景
 3 国語と教育
 4 データ――保育所の言葉遊び
 5 結論

第10章 日本語教室におけることばと文化の標準化過程――教師・学生間の相互行為の分析から(熊谷由理)
 はじめに
 1 「正しさ」の構築・消費・再生産
 2 調査研究の概要
 3 日本語・日本文化の標準化の過程
 4 ディスカッション:ことば・文化の標準化過程についての考察
 おわりに――「標準化過程」の中断、教室内での「対話」へむけて

第11章 日本語教育における母語指導に関する言説についての一考察――中国帰国者と在日ベトナム人を対象とした日本語教室の実践を事例として(大久保祐子)
 はじめに
 1 教育と社会、文化研究における2つの視座
 2 国家のヘゲモニーとしての「日本語教室」
 3 フィールドワークより――A小学校の事例から
 4 考察
 5 まとめと提案

第12章 沖縄日系ディアスポラ、国語、学校――ことばの異種混淆性と単一化の民族誌的考察(高藤三千代)
 はじめに
 1 分析枠組み――ことばの社会性と言語的近代イデオロギー
 2 背景――改正入管法と言語教育政策の欠如
 3 沖縄と「国語/日本語」教育
 4 櫻小学校と国際教室
 5 話しことばと書きことば――文脈と知の様式
 6 越境移住、「母語」、国語
 二項対立的図式を超えて

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