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日本の無国籍児と子どもの福祉
本体5,000円+税
ISBN 9784750328232
判型・ページ数 A5・304ページ
出版年月日 2008/09/01

日本の無国籍児と子どもの福祉

法制度上存在しない存在とされる無国籍児。日本の排外的な家族ナショナリズムに起因する同問題を、子どもの福祉の観点から多角的に論究し、国籍取得を保障する新たな枠組みを模索する。無国籍防止のモデルとなるデンマーク国籍法(本邦初翻訳)を巻末に収録。

 はじめに

第一章 「与えられる国籍」と日本の無国籍児問題
 一 はじめに
 二 ナショナル・アイデンティティーによる「与えられる国籍」
 (一)父系血統主義による家族ナショナリズム
 (二)「与えられる国籍」を具現する戸籍制度
 (三)存在が確認されていない無国籍児
 (四)無国籍による社会的不利益
 (五)無国籍児を生み出す国籍法上・行政上の要因
 (六)無国籍児の国籍取得の方法の意味づけ
 三 小結

第二章 国籍取得に関する立法の変遷――明治から第二次世界大戦後に焦点をあてて
 一 はじめに
 二 国籍に関する立法の制定以前
 (一)父系優先血統主義による国籍取得と家制度
 (二)内外人の婚姻における許可制と伝統的家制度の温存
 三 国籍立法と近代化の動向
 (一)近代的な民法〔明治二三年〕の公布
 (二)明治民法と家族ナショナリズム
 (三)家族制度重視の明治国籍法
 四 第二次世界大戦後における国籍法の成立
 五 小結

第三章 無国籍児問題の歴史的経緯――「与えられる国籍」の継続と結婚の国際化との乖離
 一 はじめに
 二 第二次世界大戦後の沖縄における無国籍児問題
 (一)基地への依存と無国籍児問題の背景
 (二)国際福祉相談所活動からみる無国籍児の実態
 (三)父系血統主義による無国籍児の発生――事例調査
 (四)国籍法改正への取り組み
 (五)子孫に引き継がれた無国籍児問題
 (六)帰化によってナショナル・アイデンティティーを求める無国籍児
 三 グローバル化の進行と増える無国籍児
 (一)定住化する外国人と無国籍児の関係
 (二)外国人労働者の排除と依存――延長線上の問題
 (三)国際社会から外圧を受けた外国人政策
 (四)国籍法改正後も続く無国籍児発生の問題
 四 小結

第四章 国籍とアイデンティティーの理論的枠組み
 一 はじめに
 二 個人・集団・国家とアイデンティティー
 (一)内面性におけるアイデンティティーから社会的アイデンティティーへ
 (二)個人のアイデンティティーからみるナショナル・アイデンティティー
 三 複合的アイデンティティーとインディビジュアル・アイデンティティー
 (一)複合的アイデンティティーと無国籍児
 (二)インディビジュアル・アイデンティティーと無国籍児
 四 子どもの福祉――アイデンティティーと無国籍児防止の視点からのアプローチ
 五 小結

第五章 「与えられる国籍」から「権利として取り戻す国籍」へ――子どもの福祉の萌芽
 一 はじめに
 二 家族ナショナリズムの払拭から子どもの福祉への一歩
 (一)グローバル化における「権利として取り戻す国籍」へ
 (二)無国籍から「権利として取り戻す国籍」への挑戦
 三 児童福祉行政と児童福祉法
 (一)児童福祉行政の限界と問題点
 (二)児童福祉法成立時にみる子どもの福祉の萌芽
 四 小結

第六章 世界における無国籍児の存在――無国籍児の発生防止の意義
 一 はじめに
 二 世界における無国籍児問題の認識
 (一)「存在しない子どもたち」――無国籍児の存在
 (二)無国籍児の発生要因
 三 国籍取得に関する世界の動向
 (一)個人にとって国籍とは何か
 (二)グローバリゼーションと国籍・市民権概念の変化
 (三)国籍を与える二つの方法――生地主義と血統主義
 (四)国籍と国際法のかかわり
 (五)無国籍防止に関する国際的な取り組みの展開
 四 小結

第七章 子どもの国籍取得に関する国際的な権利条約の変容――子どもの福祉の実現をめざして
 一 はじめに
 二 子どもの国籍にかかわる国際的な権利の変容
 (一)前史
 (二)世界人権宣言と権利としての国籍取得
 (三)市民的権利としての子どもの国籍という考え方
 (四)子ども観の転換の重要性――保護を受ける客体から権利をもつ主体へ
 (五)「子どもの権利条約」と無国籍防止の可能性
 三 日本における国際人権条約の役割
 (一)子どもの権利条約等の国際人権条約の日本国内への反映
 (二)子どもの権利条約締約国日本に対する国連専門委員会の評価
 四 小結

 補論 「子どもの福祉」への意識・制度変革と実践的課題――わが国における子どもの福祉の実現:諸外国の例を参考に

 小結

 あとがき
 〔巻末資料〕デンマーク国籍法
 索引

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