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ナショナリズムの狭間から
本体2,800円+税
ISBN 9784750328188
判型・ページ数 4-6・308ページ
出版年月日 2008/07/01

ナショナリズムの狭間から

「慰安婦」問題へのもう一つの視座

「慰安婦」問題はどのように認識されてきたのか。その解決のために今いかなる努力が求められているのか。女性学の胎動する90年代韓国で「慰安婦」問題解決運動に携わった著者による性暴力とナショナル・アイデンティティをめぐる思考と葛藤の軌跡。

 はじめに

序章 ナショナル・アイデンティティの葛藤
 一 「朝鮮人」として
  1 両親のこと
  2 朝鮮学校の模範生
 二 ナショナル・アイデンティティの悩み
  1 二つの名前
  2 フェミニズムとの出会い
 三 韓国留学と「慰安婦」問題
  1 梨大女性学科
  2 尹貞玉先生との出会い
  3 一九九〇年五月の女性界声明
 四 「挺身隊」問題の浮上が示すもの
  1 闇に埋もれてきた「挺身隊」問題
  2 「挺身隊」問題の浮上
  3 「謝罪」に対する韓国の世論
  4 名乗り出た「挺身隊」被害者たち
  5 植民地時代の女性収奪
  6 良き隣人関係の構築のために

第一章 日本軍「慰安所」制度の背景――朝鮮の公娼制度
 一 公娼制度実施の背景
  1 日本人居留地における遊廓の形成
  2 朝鮮人売春業の増加
 二 朝鮮人売春婦に対する公娼化政策
  1 性病検査の実施
  2 妓生団束令・娼妓団束令
 三 公娼制度の確立
  1 各道における公娼制度の実施
  2 公娼制度の全国的実施
 四 公娼制度の展開
  1 統一規則発布後の取り締まり
  2 性病に関して
  3 接客業婦たちの様相
  4 人身売買
  5 周辺地域の売春とその取り締まり
 小括

第二章 日本軍による性的暴力の諸相とその特徴
 一 性的暴力の類型と特徴
 二 「慰安所」制度の土壌
  1 公娼制度の延長
  2 近代日本と性
 三 性的暴力の構造
  1 日本軍の特質
  2 戦争と性暴力
 小括

第三章 韓国女性学と民族
 一 女性学の成立と“民族”問題
  1 女性運動と民族問題
  2 女性学と女性運動
 二 日本軍「慰安婦」問題をめぐる“民族”議論
  1 “民族”言説
  2 性と民族
  3 女性学的認識
 三 アジア女性学への視点
 小括

第四章 韓国における「慰安婦」問題の展開と課題――性的被害の視点から
 一 「慰安婦」問題の展開と民族主義
  1 民族問題としての拡大
  2 運動の二重構図
 二 「慰安婦」と公娼
 三 性的被害とは何か
  1 性的被害
  2 被害の重層性
 小括

第五章 韓国における「慰安婦」問題解決運動の位相――八〇~九〇年代の性暴力追放運動との関連で
 一 民族民主運動と性暴力追放運動――八〇年代の女性運動
  1 民族民主運動への統合
  2 民族民主運動の性暴力認識
  3 性売買問題への取り組み
 二 性暴力追放運動の質的転換――九〇年代の女性運動
  1 性暴力事件の衝撃
  2 性暴力相談所の開設と性暴力問題の世論化
  3 性暴力特別法制定運動
  4 性暴力追放運動の急進化
 三 「慰安婦」問題解決運動の位相
  1 「慰安婦」運動の形成経緯
  2 「売春」と民族言説
  3 民族運動としての意義と限界
 小括

終章 ナショナリズムを乗り越えるために
 一 「慰安婦」問題とナショナリズム――二〇〇〇年法廷後の課題
  1 韓国軍「慰安婦」問題の提起
  2 公表の意義
  3 韓国での反応――日本軍「慰安婦」との“比較”
  4 「慰安婦」問題認識とナショナリズム
  5 今後の課題
 二 日・韓ナショナリズムと「慰安婦」問題――朴裕河著『和解のために』をめぐって
  1 「あいだ」に立つということ
  2 韓国の男性中心社会と運動体
  3 「国民基金」をめぐって
  4 開かれた運動のために
 三 排除と差別に抗する視点
  1 二者択一の意味
  2 “国家”の枠組み
  3 “国家”枠組みと「慰安婦」問題

〔補論〕勤労挺身隊となった人々の人生被害について
 一 朝鮮人少女たちにとって「勤労挺身隊に行く」ということが意味したもの
 二 日本に行って受けたであろう衝撃
 三 朝鮮に戻ってからの人生の困難――勤労挺身隊に行ったことが朝鮮社会で意味したもの
  1 「挺身隊」言説
  2 対日協力者
 四 日本軍「慰安婦」問題との関連
  1 「挺身隊」被害申告の殺到
  2 再び置き去りにされた勤労挺身隊問題
 五 日本政府及び関連企業の責任

 あとがき
 初出一覧
 参考文献
 索引

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