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教室文化と日本語教育
本体6,500円+税
ISBN 9784750327747
判型・ページ数 A5・392ページ
出版年月日 2008/04/01

教室文化と日本語教育

学習者と作る対話の教室と教師の役割

外国人を対象とした日本語教室活動を、教室外社会との関係性において捉え直し、「教室文化」という新たな視点から「教室文化」を作る教師の役割について考えるとともに、学習者の対話的コミュニケーション能力育成のための教室活動の可能性を探る。

 はじめに(本書の背景と目的)

第1部 理論編:教導的な教室文化から協働的な教室文化へ
 1 日本語教育における教室活動
 1-1 「学習者の解放」における教室内と教室外
 1-2 教室内活動と教師の役割
 1-3 教室外活動と教師の役割
 1-4 「学習者の解放」の問題点
 2 教室文化と教室の捉え直し
 2-1 IRE/IRFとデフォルトとしての教室文化
 2-2 教室内と教室外の対置:教室文化の放棄と教室外への接近・模倣
 2-2-1 正統的周辺参加と認知的徒弟制
 2-2-2 「教室外の自然視」により不可視となるもの
 2-3 教室内と教室外の並置:教室の再文脈化と対話のコミュニティ
 3 教室文化の再構築
 3-1 教室文化の再定義:媒介(アーティファクト,人,相互行為)という視点
 3-2 新たな教室文化の創造:媒介の作り変え
 4 まとめ:協働的な教室活動を目指して

第2部 実践編:対話の教室における教室文化作り
 1 分析対象と分析方法
 1-1 クラス構成
 1-2 クラス目標と活動内容
 1-3 分析データの形態
 1-4 分析方法と視点
 2 分析と考察
 2-1 分析1 教室文化作り:アーティファクトと人の配置
 2-1-1 分析と考察(1)
 2-1-1-1 活動のテーマ性:テーマと自分との「関係性」を語る
 2-1-1-2 授業の公共性と評価:相互自己評価
 2-1-1-3 クラス構成と形態:他クラスとの合同授業・クラス外対話
 2-1-1-4 活動支援者:サポーターとボランティア
 2-1-1-5 担当者間の分担と連携:メタ的振り返り授業
 2-1-1-6 教室外学習者支援:メーリングリストの活用
 2-1-1-7 後行型学習素材:単語・文型リスト
 2-1-1-8 教室内媒介物と空間利用
 2-1-2 分析結果(1)
 2-2 分析2 教室文化作り:教室内相互行為への関与
 2-2-1 分析と考察(2)
 2-2-1-1 第1週:「動機」の検討と教室文化作りの始まり
 2-2-1-2 第2週:学習者間の断片的なやりとりの発生
 2-2-1-3 第3週:協働的相互行為発生の兆し
 2-2-1-4 第4週:「対話」の開始
 2-2-1-5 第5週:「対話」とは何か
 2-2-1-6 第6週:認知の網目の広がりと学習者間の対話の活性化(1)
 2-2-1-7 第7週:認知の網目の広がりと学習者間の対話の活性化(2)
 2-2-1-8 第8週:教室文化の定着と「間」の支援
 2-2-1-9 第9週:「オリジナリティ」とは何か
 2-2-1-10 第10週:「結論」検討の始まり
 2-2-1-11 第11週:対話構造・参加構造・役割構造の重層化(1)
 2-2-1-12 第12・13週:対話構造・参加構造・役割構造の重層化(2)
 2-2-2 分析結果(2)
 3 まとめ:対話の教室のデザインと活動支援

第3部 結論:教室文化と日本語教育
 1 日本語教師・学習者と教室文化
 1-1 日本語教室の捉え直しと教室文化の再構築
 1-2 教室文化論:「教室文化」という視点
 1-3 学習者と作る対話の教室と教師の役割
 1-4 教師の権力,教室内と教室外,教室で生成される学習者の言語・コミュニケーション・文化能力
 2 今後の課題と展望

 資料
 あとがき
 関連文献一覧
 索引