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EUとイスラームの宗教伝統は共存できるか
本体4,000円+税
ISBN 9784750324722
判型・ページ数 4-6・384ページ
出版年月日 2007/01/01

EUとイスラームの宗教伝統は共存できるか

「ムハンマドの風刺画」事件の本質

西欧のグローバリズムとイスラームの宗教伝統の共存は可能か。2005年9月デンマークの新聞によるムハンマドの風刺画掲載に対してイスラーム諸国で激しい抗議行動が起こった。本書は世界各国および宗教組織による対応を辿り、事件が浮き彫りにした問題群に迫る。
はじめに――「ムハンマドの風刺画」事件の射程(森 孝一)
1 「ムハンマドの風刺画」事件の概要と各地域からの反応
〈1〉EU(ヨーロッパ連合)
   風刺画問題の背景を探る(ミシェル・モール)
〈2〉デンマーク
   氷山の下に隠された危機(ティム・イエンセン)
〈3〉イラン
   文明の衝突と対話の狭間で(富田健次)
〈4〉イスラーム過激派
   問題顕在化前後の声明を比較検証する(高岡 豊)[高=口ではなくハシゴ]
〈5〉エジプト
   政府・国民を挙げての平和的抗議運動(サミール・ノーフ)
〈6〉アラビア湾岸諸国
   対話の前提となるイスラームとの共存の承認(四戸潤弥)
〈7〉東南アジア
   国家―宗教関係が投影された反応(見市 建)
〈8〉イギリス
   言論の自由とその曖昧な限界(ジョン・S・ロブレグリオ)
〈9〉ドイツ
   メディア・宗教界・政界の論争(マルティン・レップ)
〈10〉ヴァチカン/世界教会協議会
   ムスリムとの対話推進に向けての課題(小原克博)
〈11〉イスラエル
   風刺画問題とホロコースト問題(小久保乾門)
2 「ムハンマドの風刺画」事件の分析
〈12〉幻想の自由と偶像破壊の神話
   イスラーム法学からのアプローチ(中田 考)
〈13〉ムスリム社会の現況と課題
   事件への反応とその批判的検討(ナディーム・アミーン)
〈14〉表現する自由と表現しない自由
   ショアー、反ユダヤ主義とのねじれた関係(菅野賢治)
〈15〉報道の自由と人種差別反対主義のバランス
   キリスト教世界とアメリカの反応から(シャンタ・プリマワーダナ)
〈補説〉ローマ教皇によるイスラーム発言の背景
    教皇ベネディクト一六世の「ヨーロッパ」理解(森 孝一)
あとがき
索 引