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朝鮮通信使をよみなおす
本体3,800円+税
ISBN 9784750324258
判型・ページ数 4-6・368ページ
出版年月日 2006/10/01

朝鮮通信使をよみなおす

「鎖国」史観を越えて

江戸時代の韓流の代表例である朝鮮通信使。異国の使節をむかえた当時の日本人たちは何を考え、どう向き合ったのか。「鎖国」史観や当時の朝貢意識を乗り越え、華夷秩序下での善隣外交の枠組みや、多文化共生、メディアなど多様な視点からの再検証を行う。
はじめに
第一章 朝鮮通信使をむかえた日本人
 1 通信使にさきだつ時代の交流の中で
    無涯亮倪・宗金・足利義持
 2 秀吉政権下の朝鮮通信使
    宗義智・豊臣秀吉
 3 探賊使松雲大師惟政と出会った人びと
    加藤清正・景轍玄蘇・西笑承兌
 4 国交回復と幕府草創
    徳川家康・徳川秀忠
 5 対馬の苦悩と策略 国書偽造事件
    規伯玄方・柳川調興
 6 朝鮮通信使号の復活と大君
    徳川家光・林羅山
 7 天和度の通信使をめぐる人びと
    徳川綱吉・徳川光圀・木下順庵・狩野常信
 8 筑前藍島での文人交流
    貝原益軒
 9 「外交の主体性」の確立をめざす
    新井白石
 10 美濃路の名医
    北尾春圃とその子息たち
 11 京都相国寺慈照院僧
    別宗祖縁
 12 異色の将軍、江戸城へ
    徳川吉宗
 13 光っていた異文化認識の目
    雨森芳洲
 14 仁斎の古義学を伝える
    伊藤梅宇
 15 大坂の画壇と文人たち
    大岡春朴・木村兼葭堂
 16 近江守山宿と東門院守山寺
    宇野春敷・宇野禮泉
 17 通信使に出会った少年・少女とその後の画家
    葛飾北斎・円山応震ほか
第二章 朝鮮通信使の再検証
 1 近世初期の対外関係
  ――「朝鮮征伐」史観と「鎖国」史観を越えて
 2 「日本神国」思想と東アジア華夷秩序の中で
  ――中世までの朝鮮観
 3 東アジア善隣外交の枠組み
  ――近世前期の朝鮮観
 4 多文化共生論のめばえ
  ――近世後期の朝鮮観
 5 メディアとしての朝鮮通信使
  ――近世日本の対外情報政策
 6 朝鮮文化の理解と記憶
  ――相互蔑視から相互理解へ
第三章 地域文化と朝鮮通信使
 1 朝鮮通信使とその旅
  ――交流の中の苦難の長旅
 2 朝鮮通信使と唐人踊り
  ――対舞と祭礼行列
 3 藍島の朝鮮通信使
  ――麗しの友好の島
 4 堺と朝鮮通信使
  ――秀吉侵略下の使節団
 5 近江路の朝鮮通信使
  ――東アジア不戦と文化交流の回廊
 6 美濃路の朝鮮通信使
  ――豊かな有形・無形の文化財遺品
付論 松雲大師惟政研究と訪日活動の意義――壬辰倭乱研究の新視点
初出一覧
おわりに
江戸時代の朝鮮使節一覧表
朝鮮通信使および中・近世日朝関係史文献目録(一九九五年~二〇〇六年八月)
索引