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イギリスの児童虐待防止とソーシャルワーク
本体6,300円+税
ISBN 9784750323497
判型・ページ数 A5・424ページ
出版年月日 2006/05/01

イギリスの児童虐待防止とソーシャルワーク

イギリスにおける児童虐待防止の史的発展と現状を、社会的・経済的諸条件の影響を受けながら発展、修正されてきたソーシャルワークの法的・専門的枠組みに児童虐待防止におけるソーシャルワーカーの対応を併せ、それらをオーバーラップした視点から考察する。

はじめに
本書の構成
 序章 児童虐待とは何か
  ――イギリスの児童虐待の定義について
 〔1〕児童虐待の定義がなぜ重要なのか
 〔2〕児童虐待の定義の変遷
 〔3〕児童虐待の定義の拡大(広義の定義)
 〔4〕広義の定義と児童虐待防止ソーシャルワーク
1部 児童虐待防止ソーシャルワークの成立過程
 1章 戦前における家族への介入
  ――児童虐待防止協会の活動と児童保護
 〔1〕家族への介入と児童虐待防止協会
 〔2〕児童虐待防止協会の設立過程
 〔3〕ロンドン児童虐待防止協会と1889年児童虐待防止保護法
 〔4〕NSPCC(全国児童虐待防止協会)の活動とその展開
 〔5〕NSPCCの歴史的役割とその意義
 2章 家族への予防介入(予防的ソーシャルワーク)の展開
 〔1〕家族への予防介入の始まり
 〔2〕家族への予防介入の成立過程
 〔3〕家族への予防介入の成立
 〔4〕児童虐待防止ソーシャルワークの成立に向けて
 3章 マリア・コルウェル事件
  ――児童虐待を社会問題として政府や国民に認知させた衝撃的な虐待事件
 〔1〕マリア・コルウェル事件の社会的背景
 〔2〕マリア・コルウェル事件の概要
 〔3〕マリア・コルウェル事件のソーシャルワーク的課題
 〔4〕マリア・コルウェル事件と児童虐待防止ソーシャルワーク
2部 児童虐待防止ソーシャルワークの展開と質的変化
 4章 児童虐待防止ソーシャルワークの展開
 〔1〕児童虐待防止ソーシャルワークの実情:専門性の低下と職員の不足
 〔2〕児童虐待防止ソーシャルワークの危機:ソーシャルワークに対する信頼の崩壊
 〔3〕児童虐待防止ソーシャルワークの展開:家族分離による子の保護
 〔4〕児童虐待防止ソーシャルワークの展開:家族支援による子の保護
 〔5〕児童虐待防止ソーシャルワークの課題
 5章 ジャスミン・ベクフォド事件――消極的介入が子の虐待死を招いた事件
 〔1〕ジャスミン・ベクフォド事件とは:消極的介入から積極的介入へ
 〔2〕ジャスミン・ベクフォド事件の概要
 〔3〕ジャスミン・ベクフォド事件のソーシャルワーク的課題
 〔4〕ジャスミン・ベクフォド事件と児童虐待防止ソーシャルワーク
 6章 クリーブランド事件
  ――積極的介入が親と子の人権侵害を招いた事件
 〔1〕クリーブランド事件とは:積極的介入の難しさ
 〔2〕クリーブランド事件の概要
 〔3〕クリーブランド事件のソーシャルワーク的課題
 〔4〕クリーブランド事件と児童虐待防止ソーシャルワーク
3部 1989年児童法における児童虐待防止の展開と市場原理の影響
 7章 1989年児童法と児童虐待防止ソーシャルワーク
 〔1〕1989年児童法の挑戦:子の福祉は至高の考慮事項
 〔2〕1989年児童法の成立過程
 〔3〕1989年児童法の基本理念
 〔4〕児童虐待防止に関する諸命令
 〔5〕1989年児童法の展開と児童虐待防止ソーシャルワーク
 8章 市場原理と児童虐待防止ソーシャルワーク その1
  ――保守党政権下における児童虐待防止ソーシャルワーク
 〔1〕市場原理の導入
 〔2〕国営保健医療サービス及びコミュニティ・ケア法とソーシャルワーク
 〔3〕児童虐待防止ソーシャルワークの動向
 〔4〕1989年児童法と児童虐待防止ソーシャルワーク
 〔5〕児童虐待防止ソーシャルワークと市場原理の接点
 〔6〕購入者/提供者分離システムと児童虐待防止ソーシャルワーク
 〔7〕市場原理と児童虐待防止ソーシャルワーク
 9章 市場原理と児童虐待防止ソーシャルワーク その2
  ――労働党政権下における児童虐待防止ソーシャルワークの課題と展望
 〔1〕ブレア政権「第三の道」とは
 〔2〕ブレア政権「第三の道」のポジィティヴ・ウェルフェアとは
 〔3〕ブレア政権「第三の道」の福祉改革:『社会福祉サービスの現代化』計画
 〔4〕ブレア政権「第三の道」の福祉改革とNPM(ニュー・パブリック・マネジメント)――ベストバリューに至るまで
 〔5〕ブレア政権「第三の道」の福祉改革とソーシャルワーク
 〔6〕児童虐待防止ソーシャルワークの課題と展望
4部 児童虐待防止ソーシャルワークの実践
 10章 ACPC(地区児童虐待防止委員会)の役割と実務
 〔1〕ACPCとは
 〔2〕ACPCの成立過程
 〔3〕ACPCの理念、組織構造、活動
 〔4〕ACPCの活動内容とその展開:オクスフォドシャーACPC
 〔5〕ACPCのジレンマ
 〔6〕ブレア政権の福祉改革とACPC
 11章 児童虐待防止ソーシャルワークの方法
 〔1〕協働としての児童虐待防止ソーシャルワーク
 〔2〕1999年『児童虐待防止のための協働』:ニードをもつ子の再考
 〔3〕児童虐待防止ソーシャルワークの手順と協働
 〔4〕1999年『児童虐待防止のための協働』と児童虐待防止ソーシャルワーク
 12章 リスク・アセスメント・モデルの理論と実際
 〔1〕リスク・アセスメント・モデルの目的と開発された社会的背景
 〔2〕リスク・アセスメント・モデルの開発:サリー県の実態調査
 〔3〕リスク・アセスメント・モデルの内容
 〔4〕リスク・アセスメント・モデルの実際:研修プログラム
 〔5〕リスク・アセスメント・モデルと児童虐待防止ソーシャルワーク
 13章 FGC(ファミリー・グループ・カンファレンス)の理論と実際
 〔1〕新しいソーシャルワーク手法としてのFGC
 〔2〕FGCが取り入れられた歴史的背景
 〔3〕FGCとは何か
 〔4〕FGCと児童虐待防止ソーシャルワーク
 終章 イギリスの児童虐待防止とソーシャルワーク
 〔1〕試行錯誤としての児童虐待防止
 〔2〕イギリスにおける児童虐待防止の積極的な側面
 〔3〕イギリスにおける児童虐待防止の課題と展望
補 遺
あとがき

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