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アルゼンチンを知るための54章
本体2,000円+税
ISBN 9784750321851
判型・ページ数 4-6・396ページ
出版年月日 2005/09/01
フォーマット 価格
単行本 2,000円+税
電子書籍 1,600円+税

アルゼンチンを知るための54章 (単行本)

南米大陸の最南端に位置するアルゼンチンは、タンゴやサッカーを通して日本人ファンも多い。本書はアルゼンチン生まれの日系2世である著者が、歴史、社会・文化、国民性、政治経済、日系人社会の視点から「明るくおしゃれで見栄っ張り」な国の実像を描く。

 はじめに

1.歴史上のおもな出来事
 第1章 ルーツと先住民――スペインからの独立まで
 第2章 独立戦争――泥沼化する戦局
 第3章 対外債務問題のはじまり――首都と地方の対立
 第4章 ロサスの強権政治――パンパの精神と伝説の反映
 第5章 アルゼンチンの「明治維新」?――ミトレ、サルミエント、アベジャネーダ政権の功績と事件
 第6章 「南米のパリ」――二〇世紀初頭のブエノスアイレス
 第7章 ガウチョ――アルゼンチンを代表するアイデンティティ
 第8章 中産階級の誕生――経済格差の広がる首都と地方
 第9章 ペロン大佐の登場――激動する国内外情勢
 第10章 功績と遺産――ペロン政権の一〇年
 第11章 エビータ――伝説と政治的存在
 第12章 繰り返される政権交代――二七年間の軍政・民政権時代
 第13章 不安定な政情――ゲリラの登場、ペロンの再登場と最後の軍政権
 第14章 「失われた一〇年」――一九八〇年代の経済政策
 第15章 九〇年代の栄光と影――一ペソ=一米ドルの固定相場制を導入

2.社会と文化
 第16章 「ビベサ」――民族的ずる賢さというアルゼンチン気質
 第17章 「ルンファルド」――アルゼンチン特有の用語
 第18章 タンゴ――官能と癒し
 第19章 牛肉中心の食卓――世界有数の牛肉生産国
 第20章 ワイン――高い世界的評価
 第21章 マテ茶のぬくもり――アルゼンチンを代表する国民的飲み物
 第22章 サッカー文化と情熱――競技場はファンの「戦場」
 第23章 ブラックユーモアのお笑い芸能人――厳しい世情を笑いで斬る
 第24章 民族のお祭り――先住民の神秘的要素とカトリックの融合
 第25章 教育制度の課題と展望――経済・社会危機を招いた要因
 第26章 大学教育の現状――卒業できるのは二割弱、卒業しても就職できない
 第27章 大卒の就職難と海外「永久留学」――弁護士資格を持つ多くのタクシー運転手
 第28章 家族政策とカトリック――同棲、離婚、妊娠中絶合法化の議論
 第29章 複雑な医療制度――人口の半分は無料で治療
 第30章 貧困問題――歪む社会構造
 第31章 治安悪化の要素と影響――最大の要因は貧困問題
 第32章 警察と司法の脆さ――悪名高いブエノスアイレス州警察
 第33章 記録的な失業率と失業者の実態――最大の打撃を受けた建設・サービス部門
 第34章 「ブラック労働」――インフォーマルな雇用創出阻害要因
 第35章 開き直った脱税――「優れ」た「節税」の知恵
 第36章 税源と財政の「バランス」――法人に偏る税収

3.政治と経済
 第37章 議会と議員――中南米で第2位「政党汚職率」
 第38章 大統領という「天下人」――いまだ不安定な政治システム
 第39章 地方有力政治家「カウディージョ」の力――「ファミリー」で権力基盤を固め地域全体を支配
 第40章 不健全な民主主義――利益を求めて誕生した無数の政党
 第41章 軍と軍部の政治的役割――政治は軍を利用し軍は政治を利用する
 第42章 「五月広場」――軍政権と人権抑圧問題
 第43章 輸入代替制度の失敗――行き詰まる国内産業優遇政策
 第44章 リスクの高い投資先――ビジネス環境の再構築が急務
 第45章 メルコスール――ブラジルとの貿易摩擦が最大の課題
 第46章 払えない債務――長年の失政と無責任体制の「積み重ね」
 第47章 南米諸国との関係――大きな外交課題の国境線未確定問題は解決
 第48章 マルビーナス戦争の政治的教訓――戦後初の西側陣営同士の武力衝突
 第49章 マルビーナス戦争を戦った兵士の試練――プロ兵士とノンプロ兵士の戦い

4.アルゼンチンと日本
 第50章 移民社会のなかの日本人移民――勤勉さと正直さ、誠実な対応で好評
 第51章 戦後の日系人社会――制度化された入植事業
 第52章 戦前の両国関係――一八八六年日本人移民第一号が入国
 第53章 戦後の両国関係――拡大する民間交流
 第54章 アルゼンチンに触れよう――日本で楽しめる情報案内

 【コラム1】ペロンとペロニズムに対する評価と視点
 【コラム2】貧困の諸相
 【コラム3】青少年犯罪の状況
 【コラム4】混迷する社会
 【コラム5】偏在する労働環境
 【コラム6】中小企業の輸出努力と期待
 【コラム7】観光スポット
 【コラム8】「世界遺産」への旅

 アルゼンチンを知るためのブックガイド
 あとがき
 政府関係機関リスト