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人類学の歴史と理論
本体4,400円+税
ISBN 9784750320540
判型・ページ数 4-6・376ページ
出版年月日 2005/02/01

人類学の歴史と理論

現代イギリスを代表する社会人類学者が、人類学と民族学・生物学との関係、欧州を代表する人類学者の理論をもとに、進化論の変化、機能主義と構造機能主義、マルクス主義、相対主義、ポスト構造主義、ポストモダニズムへと変化する理論構造を簡明に展開する。
第一章 人類学への展望
 人類学と民族学
 「四つの分野」
 理論と民族誌
 人類学的パラダイム
  「パラダイム」の概念/通時的、共時的そして相互作用的視点/社会と文化
 人類学の歴史に関わる展望
 まとめ
第二章 先駆者たち
 自然法と社会契約
  一七世紀/一八世紀
 一八世紀ヨーロッパにおける人間性の定義
  野生の子供たち/オラン・ウータン/「野蛮人」にまつわる考え方
 社会学的、人類学的思考
  社会学的伝統/人類の起源と進化をめぐる二つの説
 まとめ
第三章 進化論の変化
 生物学と人類学の流れ
 単系進化論
  メーン、ラボック、モルガン/母系制と父系制/「トーテミズム」理論/「原始」宗教をめぐるタイラーとフレイザー
 一般進化論
  V・ゴードン・チャイルド/レズリー・A・ホワイト
 多系進化論と文化生態学
  ジュリアン・H・スチュアード/ジョージ・ピーター・マードック
 新ダーウィン主義
  社会生物学/象徴的革命?/最近の傾向
 まとめ
第四章 伝播主義と文化領域理論
 伝播主義の先行的学問
  伝播主義者登場以前
 伝播主義の本元
  ドイツ=オーストリアの伝播主義/英国の伝播主義/今日の伝播主義?
 文化領域と地域研究
  アメリカ人類学における文化領域研究/地域比較、国民的伝統そして地域的伝統
 まとめ
第五章 機能主義と構造機能主義
 進化主義の先行研究者たち
 デュルケム社会学
 マリノフスキーの機能主義
  機能主義とフィールドワーク/文化に関わる科学的理論?
 ラドクリフ=ブラウンの構造機能主義
  社会の自然科学/機能、構造そして構造形体/意味論的構造か、社会構造か/トーテミズムの二つの理論
 マリノフスキーとラドクリフ=ブラウンの影響
 まとめ
第六章 行為中心主義、過程論そしてマルクス主義的視点
 行為中心主義と過程論
  社会学的起源/人類学の起源/トランザクショナリズム/マンチェスター学派
 マルクス主義的研究
  マルクス主義的人類学の主要概念/ゴドリエの構造主義的マルクス主義/「土地と労働」:メイヤスー/政治経済とグローバル化理論
 三つの論争
  フリードマン対リーチ:カチンの政治経済/ウィルムセン対リー:カラハリの歴史と民族誌/オベーセーカラ対サーリンズ:キャプテン・クックの死をめぐって
 まとめ
第七章 相対主義から認識科学へ
 ボアズと文化相対主義の台頭
 文化とパーソナリティ
 未開の思考?
  レヴィ=ブリュルの反相対主義/ウォーフの言語相対主義/ウォーフ批判/合理性論争
 認識科学に向けて
  構造的意味論/認識人類学/エスノ・サイエンス
 まとめ
第八章 構造主義 言語学から人類学へ
 ソシュールと構造言語学
  ソシュールと「講義」/主要な四区分/ソシュール以降
 レヴィ=ストロースと構造人類学
  構造主義、様式、思想/親族の基本構造/料理の三角形/オイディプス神話
 構造主義と国ごとの人類学的伝統
 まとめ
第九章 ポスト構造主義、フェミニストおよび独歩派
 ポスト構造主義と人類学
  デリダ、アルチュセールそしてラカン/ブルデューの実践理論/フーコー:知識と権力に関する理論
 人類学とフェミニスト研究
  ジェンダー研究からフェミニスト人類学へ/象徴的構築としてのジェンダー/社会関係の複合体としてのジェンダー/エンボディメント
 二人の独歩派
  構造と葛藤:ベイトソンと国民性/構造と行動:ダグラスのグリッド・グループの枠組み
 まとめ
第十章 解釈主義とポストモダニズム
 エヴァンス=プリチャードの解釈的手法
 ギアツの解釈主義
 変革期の諸概念
  再帰主義
 東洋、西洋そしてグローバル化
 ポストモダン主義とポストモダン人類学
  相対主義への回帰/「文化を書く」/ポストモダン主義に関わる問題/混在する手法:妥協なのか
 まとめ
第十一章 まとめ
 各国の伝統と人類学理論の将来
 人類学の歴史:再考
 まとめにかえて