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アメリカの対日占領政策とその影響
本体2,800円+税
ISBN 9784750319995
判型・ページ数 4-6・304ページ
出版年月日 2004/10/01

アメリカの対日占領政策とその影響

日本の政治・社会の転換

連合国の占領は、長期的に戦後日本の政治・経済・社会にどのような影響を与えたのか。民主化と社会正義を求める日本側からの強い要求と米国の改革者との相互関係(もしくはその欠如)という観点から、占領期の改革過程のダイナミクスを多角的に検討する。
まえがき(マーク・カプリオ、杉田米行)
第1章 二次的案件 ―一九五二年から六八年における米国の対外経済政策と日本― (マイケル・A・バーンハート)
 はじめに
 1 占領終了時までの対日経済政策
 2 冷戦期初期の対日経済政策
 3 ケネディ政権後期以降の対日経済政策
 4 高まる日米の経済摩擦
 おわりに
第2章 米国占領下のSCAP食糧政策と日本の経済復興(スティーブン・フックス)
 はじめに
 1 リンクシステム
 2 マッカーサーの警告と視察団
 3 農業協同組合の法制化と農地改革
 4 輸入食糧削減への努力
 5 食糧管理制度と地方分権
 6 食糧政策と産業復興
 おわりに
第3章 占領期の女性労働改革 ―その矛盾と遺産― (豊田真穂)
 はじめに
 1 労働基準法の制定
  1 戦前日本の労働保護と占領初期の指令/2 労働保護課と労働基準法案
 2 労働基準法の施行―SCAPの女性労働政策
  1 生理休暇反対論―「平等」という理想/2 深夜業禁止の施行――SCAPの矛盾
 3 占領終了後の日本で
 おわりに
第4章 米国の対日占領政策と北太平洋海洋資源保護体制の誕生、一九四五―一九五二年(清水さゆり)
 はじめに
 1 北大平洋遠洋漁業をめぐる日米対立と領海問題
 2 SCAPの対日海洋資源政策とその変遷
 3 日米加三国漁業交渉への経緯
 4 北太平洋の公海漁業に関する日米加三国条約の締結
 おわりに
第5章 米国の占領政策が日本の犯罪社会に与えた影響(H・リチャード・フライマン)
 はじめに
 1 タガがはずれた薬物統制
 2 法律と欠落部分
 3 法執行と欠落部分
 4 協力と排除
 5 占領が残したもの
 エピローグ――なぜドイツでは覚醒剤問題が起きなかったか?
第6章 戦後日本医療保険制度の変遷 ―転換点としてのドッジ=ライン、一九四五―一九六一年― (杉田米行)
 はじめに
 1 結果における平等
 2 理想主義的医療保険制度案
 3 ドッジ=ライン――日本医療保険制度の転換点
 4 国民皆保険への道
 おわりに
第7章 旧植民地出身者の処遇 ―占領期日本における韓国・朝鮮人居住者の政治的地位形成― (マーク・カプリオ)
 はじめに
 1 戦時中の朝鮮人認識および米国の占領準備
 2 占領政策と朝鮮人の行為
 3 朝鮮人の帰国と日本定住の困難
 結論――「最終的な解決」と在日韓国・朝鮮人の地位
第8章 米国の日本占領と戦後日中関係の岐路 ―日中戦後経済関係の分断をめぐって― (清水さゆり)
 はじめに
 1 占領下の日本と中国内戦
 2 日中貿易の再開をめぐる米国の政策
 3 日中貿易をめぐる日本政府の政策と民間団体の活動
 4 日中貿易統制に向けての米国の外交政策
 5 対中国貿易統制の多国間枠組みの制定をめぐる日米外交
 おわりに