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イランを知るための65章
本体2,000円+税
ISBN 9784750319803
判型・ページ数 4-6・400ページ
出版年月日 2004/09/01

イランを知るための65章

イスラーム諸国のなかでもひときわ異彩を放つ存在であるイラン。イスラーム以前から以後、今日、そして未来へとつながる「イラン」のオリジナリティとは何か? 日本における新進気鋭のイラン研究者たちが、平易かつ明快にその問いに答える入門書。
はじめに
『イランを知るための65章』凡例
 1 文学・言語
第1章 華麗な恋文――ペルシア文学
第2章 文字の帝国、語りのレジスタンス――『シャー・ナーメ(王書)』
第3章 ペルセポリスの記憶――アレクサンドロス伝説
第4章 葦笛の響き、象徴の舞い――ペルシア神秘主義文学
第5章 俳句との邂逅――現代イラン詩抄
第6章 二〇世紀を駆け抜けた女性詩人たち――パルヴィーンとフォルーグ
第7章 時代の苦悩と生の悲劇的感情――作家サーデグ・ヘダーヤトの肖像
第8章 語り継がれるイランの伝統思想――イラン民話学の現状
第9章 イランのシンデレラ物語――シンデレラの比較民話学
第10章 ダレイオスのことばとシャープールのことば――イラン語派
第11章 ペルシア語はどこまで通じるか?――イランことば探訪(1)
第12章 お国ことばさまざま――イランことば探訪(2)
 2 芸術
第13章 王権神授と虚偽の造形――イランの古代美術
第14章 イラン美の源流――イスラーム時代のイラン絵画(一四世紀まで)
第15章 華やぐティムール朝宮廷文化――王族による写本芸術の保護
第16章 芸術の爛熟――サファヴィー朝の絵画、その光と影
第17章 真っ黒と斜めの書?――イランの書道作品に親しむ
第18章 エスファハーンの輝く彩画タイル――イランの建築装飾の技法と美
第19章 模様は歴史を語る――ペルシア絨緞
第20章 イラン映画は子ども向け映画か?――イラン映画と日本人
第21章 『風の絨毯』の舞台裏――イラン映画は今
第22章 映像になった言葉たち――イラン映画と詩の蜜月
第23章 イラン音楽の楽しみかた――三つの観点から
 3 宗教
第24章 イラン的イスラームとは何か?――イランの宗教的伝統
第25章 ここにイランのパッションがある――シーア派の哀悼行事
第26章 聖性への憧憬――イラン最大の聖地イマーム・レザー廟
第27章 都市での争い――中世の宗派対立
第28章 神に対する愛――イランのスーフィズム
第29章 実践的道徳――周囲を敵に囲まれた人の処世術
第30章 古代イランの元祖魔術師?――ゾロアスターの虚像と実像
第31章 イランが生んだ宗教――現代に生きるゾロアスター教
第32章 イヌ派かネコ派か?――ゾロアスター教とイスラーム
 4 歴史
第33章 イラン考古学最前線――旧石器時代からサーサーン朝ペルシアまで
第34章 正倉院のガラスを求めて――ギーラーン地方の考古学
第35章 イスラーム以前の輝かしい時代への賛歌――『ノウルーズ・ナーメ』
第36章 多民族共生の歴史と「国史」の齟齬――イラン史を求めて
第37章 シーア派国家への道――サファヴィー朝の成立と繁栄
第38章 屈辱と懐旧と――ガージャール朝
第39章 歴史の一貫性――イランの近代史と宗教
第40章 現代に蘇る石油国有化運動――ナショナリズムと自由
 5 地理・風土・民族
第41章 ノウルーズ文化圏――イランの地理・風土・民族
第42章 ザーグロスの南、ファールスの春――イラン南部の風景
第43章 携帯電話がほしい!――ガシュガーイー遊牧民
第44章 クルディスターンの「分割」――クルド人と国境
第45章 近くて遠い隣人――イラン人とアフガン人
第46章 イラン系文化とトルコ系文化の十字路――中央アジア
第47章 イランとカフカス、日本を結ぶミッシングリング――アルボルズとエルブルース
 6 政治・経済・社会
第48章 イランの近代性と歴史の連続性――イラン・イスラーム革命
第49章 ヘジャーブに見るイスラーム革命――女性の政治参加と体制維持
第50章 あるイスラーム法学者の「造反」――ヴェラーヤテ・ファギーフ体制への挑戦
第51章 イランの保守・改革の対立と国際社会――イラン外交
第52章 バーザール商法を超えて――イラン・ビジネス事始め
第53章 革命と戦争の向こう側に――地方社会の変容
 7 生活文化
第54章 女性パワーの源――イランの女子教育
第55章 教育は社会を語る――小学生の学校生活
第56章 一般行事は太陽暦・宗教行事は太陰暦で――暦の変遷
第57章 イスラーム・プロパガンダと自由化の波のはざまで――イランのマスコミ事情
第58章 縮まる都市と農村の格差――イランの医療事情
第59章 利用された「伝統服」の一〇〇年――チャードルに映るイラン
第60章 都市と住宅――住居環境
第61章 ゆるやかな男女別と男女同席――テヘラン乗り物事情
第62章 生者と死者を結ぶコミュニケーション――墓参りと夢
第63章 集いの楽しみ――半世紀前のテヘランの娯楽から
 8 日本とイラン
第64章 海を渡った恋の詩――文化交流
第65章 蜃気楼の彼方に――イランへの眼差し
【コラム1】 ソシュールの言語ゲーム――「タルハンドとガウの物語」
【コラム2】 イランの地震によせて――二〇〇三年一二月の大地震
【コラム3】 グルジア村の「発見」――ラド・アグニアシュヴィリの旅
【コラム4】 二つの顔のイラン――エバーディー氏のノーベル平和賞受賞が語るもの
【コラム5】 情熱の向かうところ――イラン・スポーツ事情
【コラム6】 テヘラン・スーパー銭湯事情――筆者の体験から
【コラム7】 似て非なる食卓の風景――イランの食文化
【コラム8】 日本点描――イラン人研究者の日本観
【コラム9】 イランの空に日本語の響き――テヘラン大学の日本語教育
『イランを知るための65章』関連略年表
イランを知るためのブックガイド
あとがき

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