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Q&A 子ども虐待問題を知るための基礎知識
本体2,000円+税
ISBN 9784750318349
判型・ページ数 4-6・264ページ
出版年月日 2003/12/01

Q&A 子ども虐待問題を知るための基礎知識

※改訂版が刊行されていますのでご注意ください。

急増する「子ども虐待」の早期対応システム構築のために必要な各機関の連携法を、わかりやすいQ&Aと実際の援助事例で学ぶ。援助者に寄り添った協動の視点でまとめられた、実践に活かせる一冊。
刊行によせて/はじめに

第1章 子ども虐待問題の発生要因を考える
1 「子ども虐待」を生み出す社会
2 「子ども虐待」はどこまで含めるか
3 「すべてを引き受ける」子育ての未来
4 日本における子ども虐待の「福祉的援助」の成立
5 「丸ごと性」を検証する
6 「専門家」はどこに依拠するのか
7 われわれは何ができるのか――地域子育ての世代間伝承

第2章 子ども虐待対策の行方――諸外国から何を学ぶのか
はじめに
1 人口の増減と婚姻・出産に関する海外事情
2 子どものケアに関する海外事情
3 虐待問題の予防と介入――リスクアセスメントについて
4 家族への介入と支援――セイフティネットとレビューカンファレンス
5 分離後の子どもの養育について
おわりに

第3章 子ども虐待問題の基礎知識Q&A
■児童相談所編■
Q1 児童相談所における虐待相談件数はなぜ増加しているのですか(その原因と背景は)?
Q2 「早期発見」による「通告」が必要と言われますが、どのような状況だったら通告した方がよいですか?
Q3 通告後、児童相談所はどのように対応するのですか? とくに「親子分離」(一時保護・施設入所)をする判断基準を教えて下さい。
Q4 子ども虐待防止には「地域ネットワーク」が必要だと言われますが、実際に児童相談所がかかわった事例はありますか?
Q5 児童相談所の担当者が子ども虐待ケースとかかわっていて、もっとも困難に思われることは何ですか?
Q6 虐待を認めない親に対して、児童相談所ではどのようなことに留意してかかわっていますか?
Q7 「立入調査」の判断と現状、警察との連携について教えて下さい。
Q8 児童福祉法第28条、第33条の6など「親権停止」にかかわる事例についての現状はどうなっていますか? また、今後の課題があれば教えて下さい。
Q9 最近の虐待事例に何か特徴はありますか?
Q10 現代の子どもたちの様相が変わってきていると言われますが、虐待と何か関係があるのでしょうか?

■司法編■
Q11 子ども虐待は、子どもの「基本的人権の侵害」であるという考え方について説明して下さい。
Q12 現在の制度では、「親権」が強く、虐待をしていることを認めない保護者に対しての対抗措置が十分ではないと言われますが、その状況と対抗手段について教えて下さい。
Q13 虐待の通告先機関として、児童相談所や福祉事務所のほかに、警察署を加えるべきであるという意見がありますが、その問題点を教えて下さい。
Q14 「立入調査」に際しての施錠の切断措置に関して議論がありますが、その状況について教えて下さい。
Q15 児童福祉法第28条の措置について、実際の運用が少ないことが指摘されていますが、その運用と改善点は?
Q16 子ども虐待の防止や対応についてのネットワークを組む上で、弁護士の役割を教えて下さい。
Q17 今後地域で民間ネットワーク会議やケース会議を行う上で、プライバシーに関する児童相談所等の守秘義務違反との関係をどのように考えたらよいでしょうか?
Q18 少年非行の背景に、幼少時期の被虐待経験があると聞きますが、その関連について説明して下さい。
Q19 現在の児童相談所に権限を一任するのは制度的に十分ではないと言われますが、アメリカのような司法による虐待専門の「裁判システム」「権利擁護センター」構想は日本でも可能ですか?
Q20 児童虐待防止法の改正に対する弁護士の提言について、要旨を説明して下さい。

■保健編■
Q21 母子保健活動のなかで、虐待の予防、早期発見はどのように行われるのでしょうか?
Q22 子ども虐待事例にかかわる場合の注意点はどんなことでしょうか?
Q23 虐待する親へは、どんなかかわりができるのでしょうか?
Q24 DV(配偶者からの暴力)と子ども虐待は、どのような関係にあるのでしょうか?
Q25 援助チームはどのようにして作ったらいいのでしょうか?
Q26 機関連携のポイントは何でしょうか?
Q27 近所の人から「虐待ではないか」「虐待しているのではという噂があるが……」との情報が入りましたが、保健師としてどのように対応したらよいのでしょうか?
Q28 家のなかはゴミだらけで不潔な環境であり、衣服も汚れています。食事もスナック菓子等でお腹を満たすというような状況にある子どもがいます。保健師としてこの事例にどうかかかわったらいいのでしょうか?
Q29 精神疾患のある親が虐待をしている場合、どう援助したらいいのでしょうか?
Q30 知的障害をもった親が虐待をしている場合、どう援助したらいいのでしようか?

■心理・臨床編■
Q31 幼少時の虐待体験は、心身にどのような影響を与えますか?
Q32 虐待を受けた子どもをケアする上で、まず必要なことは何ですか?
Q33 虐待を受けた子どもをケアする場として、どのようなところがありますか?
Q34 虐待を受けた子どもは関係が取りにくいと言われますが、なぜでしょうか。どうかかわったらよいでしょうか?
Q35 なかには、人や物への暴力が著しい子どもがいますが、どのように理解し、対応したらよいでしょうか?
Q36 性的虐待とは何ですか。それは子どもにどのような影響を与えますか?
Q37 治療的援助を行うにあたって、留意すべきことや大切にすべきことは何ですか?
Q38 子どもを虐待する親とは、どういう人たちなのでしょうか?
Q39 親への援助はどのように行ったらよいのでしょうか?

■里親編■
Q40 里親とは何ですか?
Q41 日本ではなぜ里親が少ないのですか?
Q42 どんな人が里親になれるのですか?
Q43 どんな子どもが里親のもとにくるのですか?
Q44 子どもが里親のもとにくるまでにはどのような経過をとるのですか?
Q45 里親養育を終了した子どもはどうなるのですか?
Q46 「専門里親」とはどのような里親ですか?
Q47 里親にはどんなサポートが必要とされますか?

第4章 子ども虐待を事例から考える――ケース・アプローチのために
1 性的虐待事例/2 ネグレクト事例/3 保健所・保健センターの連携事例

おわりに

(執筆者)和泉広恵、窪田和子、篠崎純、増沢高、御園生直美