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ルクセンブルクを知るための50章
本体2,000円+税
ISBN 9784750347622
判型・ページ数 4-6・320ページ
出版年月日 2018/12/25

ルクセンブルクを知るための50章

フランスとドイツに挟まれた小国でありながら、独自の豊かな文化を生み出し、特に欧州統合の進展では大きな存在感を示してきたルクセンブルク。歴史の波に翻弄されながらも多言語社会を築き、新しい欧州を希求するこの国のあふれる魅力を紹介する。

 

【執筆者一覧】

我妻礼子(あがつま・ひろこ)
駐日外国公館勤務。元在ルクセンブルク日本国大使館派遣員。白百合女子大学卒。ルクセンブルクのアマチュア・オーケストラでチェロを担当していた。

浦和俊介(うらわ・しゅんすけ)
スポーツ文化ネットワークサロン2002メンバー。高知大学人文学部卒。

小川敦(おがわ・あつし)
大阪大学大学院言語文化研究科准教授。一橋大学博士(学術)。専攻は言語社会学。
主要著書:『多言語社会ルクセンブルクの国民意識と言語――第二次世界大戦後から1984年の言語法、そして現代』大阪大学出版会、2015年。

岸本雄次郎(きしもと・ゆうじろう)
立命館大学大学院法学研究科教授。筑波大学博士(法学)。専攻は信託法。元ルクセンブルク住友信託銀行副社長。
主要著書:『信託制度と預り資産の倒産隔離』日本評論社、2007年。『大岡裁きの法律学』日本評論社、2013年。

木戸紗織(きど・さおり) ※編著者紹介を参照

今野有子(こんの・ゆうこ)
株式会社アルムンド代表取締役。早稲田大学卒。ルクセンブルク産ワインなど希少なワインの輸入、販売を手がける。在日ルクセンブルク大使館などと連携し、ルクセンブルク産ワイン紹介のためのセミナーなども行う。

竹中悠美(たけなか・ゆみ)
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。大阪大学博士(文学)。専攻は芸術学。
主要論文:『カルチャー・ミックス――文化交換の美学序説』(共著、「ルクセンブルクのスタイケン・コレクションについて――パブリック・ディプロマシーとしての二つのアメリカ写真展」を担当)晃洋書房、2014年。

田原憲和(たはら・のりかず) ※編著者紹介を参照

田村建一(たむら・けんいち)
愛知教育大学教育学部教授。上智大学文学修士。専攻はルクセンブルク語学、社会言語学。
主要著書:『ニューエクスプレス・スペシャル ヨーロッパのおもしろ言語』(共著:V「ルクセンブルク語の世界」を担当)、白水社、2010年。

中條健志(ちゅうじょう・たけし)
東海大学国際教育センター特任講師。大阪市立大学博士(文学)。専攻は移民研究、フランス語圏地域研究。
主要著書・訳書:『現代ベルギー政治:連邦化後の20年』(共著:第9章「移民政策」を担当)ミネルヴァ書房、2018年。『ヨーロッパの言語』(アントワーヌ・メイエ著、共訳)岩波文庫、2017年。

西出佳代(にしで・かよ)
金沢大学人間社会学域准教授。北海道大学博士(文学)。専攻はドイツ語ゲルマン語学、ルクセンブルク語。
主要著書:『ルクセンブルクの音韻記述』北海道大学出版会、2015年。『ゲルマン語基礎語彙集』(共著:ルクセンブルク語の項目を担当)大学書林、2015年。

中川洋一(なかがわ・よういち)
立命館大学衣笠総合研究機構国際地域研究所客員研究員・法学部講師。J.W.G. フランクフルト大学Ph.D. 。専攻は国際政治学、政治過程論。
主要論文:「90年連合/緑の党の安保観の変容とそのドイツ対外安保政策への主導的意味」日本ドイツ学会『ドイツ研究』第51号、2017年3月、91~108ページ。「2013年ドイツ連邦議会選挙の分析と連邦政治への含意」『年報政治学』2015年第Ⅰ号、2015年6月、235~258ページ。

西村篤子(にしむら・あつこ)
外務省参与・女性担当大使。元ルクセンブルク大公国駐箚特命全権大使。国連代表部公使、東北大学大学院法学研究科教授等を歴任。スタンフォード大学修士。東京大学卒。

松野百合子(まつの・ゆりこ)
ルクセンブルク経済省・貿易投資事務所(東京)エグゼクティブ・ディレクター。立教大学文学部卒。在日ルクセンブルク大使館の経済・広報担当部長を経て、2005年から現職。

 まえがき


Ⅰ ルクセンブルクとは

第1章 ルクセンブルクのあらまし――欧州の小国は世界の中心へ
第2章 地理・地形・気候――狭い国土の中の多様性


Ⅱ 多言語社会としてのルクセンブルク

第3章 多言語社会ルクセンブルク――三つの言語を使い分ける社会
第4章 言語法――三つの公用語とその関係
第5章 多言語社会成立の背景――ドイツ語国家からルクセンブルク語国家へ
第6章 家庭や街中で使われる言語――三つの公用語が使われる場面
第7章 公的空間で使われる言語――三つの公用語使用の変化と英語
第8章 学校教育で使われる言語――多言語教育の実態
第9章 メディアで使われる言語――ルクセンブルクにおける新聞とテレビ、ラジオ
第10章 ルクセンブルク語のこれまでとこれから――方言なのか、言語なのか
第11章 言語の境界地域ルクセンブルク――言語接触の影響の有無
 【コラム1】ルクセンブルク語の地域変種


Ⅲ 歴史

第12章 ルクセンブルク家の起こりと拡大――小領主からヨーロッパの一大勢力へ
 【コラム2】抵当物件時代
第13章 ブルゴーニュ公国の支配下から大公国成立まで――ベネルクスあるいは南ネーデルラントとしての統一体
第14章 19世紀から第一次世界大戦に至るまで――ルクセンブルクの真の独立とは
第15章 第一次世界大戦から戦間期にかけて――新たな国家像の形成へ向けて
第16章 第二次世界大戦の苦難――ゲルマン化政策とレジスタンス
第17章 子どもたちの見た戦時下のルクセンブルク――回想記から
第18章 第二次世界大戦後の新しい道――ヨーロッパ統合の架け橋、そして移民大国へ


Ⅳ 政治と経済

第19章 政治体制――多数決型と交渉型のハイブリッド型民主主義体制
第20章 政党と政党システム――1党優位4党システムへの変容
第21章 利益集団とネオコーポラティズム――「ルクセンブルク・モデル」とそのゆくえ
第22章 物流産業――欧州有数の貨物空港、フィンデル空港
第23章 金融センターとしてのルクセンブルク――その成立に至るまで
 【コラム3】1990年代後半のルクセンブルク駐在記
第24章 ICT産業――コンテンツ配信から「トラスト・センター」への発展
第25章 宇宙産業――民間主導で発展したユニークな宇宙セクター
第26章 ルクセンブルクにおける外国人――その歴史と可能性

Ⅴ 国際社会の中のルクセンブルク
    
第27章 小国の国家戦略1――ミニラテラリズムとしてのベネルクス
第28章 小国の国家戦略2――「調停役」主体の受身の外交から積極主義への転換
 【コラム4】ヴェルナー首相とEEC――小国外交の可能性と限界
 【コラム5】ジャン=クロード・ユンカーと欧州統合
 【コラム6】日本の皇室と大公家の親密なご交流
 【コラム7】ルクセンブルクの中の日本


Ⅵ 社会と暮らし

第29章 就学前教育から中等教育まで――多言語教育と挑戦
第30章 大学――唯一の大学、ルクセンブルク大学
 【コラム8】ルクセンブルク人の名前
第31章 カトリック教会――トリーアの周辺都市から大司教区へ
第32章 ルクセンブルク語の聖書――母語による聖書の獲得か、ナショナリズムの促進か
第33章 安楽死法――ヨーロッパで3番目の先進的な法律
第34章 国民的スポーツ、自転車ロードレース――マイヨ・ジョーヌへの挑戦と蹉跌
第35章 食文化――郷土料理「豆のスープ」と星付きレストラン
 【コラム9】チョコレート文化の伝統と今
第36章 ルクセンブルクワインに魅せられて――知られざる極上ワインの産地
 【コラム10】ルクセンブルクワインのブドウ「オーセロワ」
第37章 世界を代表する陶磁器ブランド、ビレロイ&ボッホ――二つの家系の運命的な出会いと融合


Ⅶ 文化と芸術

第38章 ルクセンブルク語文学1 19世紀――話し言葉の「見える化」から娯楽メディアへ
 【コラム11】ルクセンブルク語による文芸活動の停滞期
第39章 ルクセンブルク文学2 現代――1980年代以降の隆盛
第40章 ルクセンブルク語による児童文学――異文化との出会い
第41章 クラシック音楽とオーケストラ――ヨーロッパの「音」の交差点
第42章 伝統音楽と舞踊の文化――アイデンティティの形成と復興
第43章 近現代美術――芸術家サークルから、EUの文化都市へ
 【コラム12】歴史的建造物と美術

Ⅷ 都市

第44章 首都・ルクセンブルク市1――城塞都市の面影を残す緑豊かな首都
第45章 首都・ルクセンブルク市2――サントルからグルントへ、世界遺産の街を歩く
第46章 近代都市キルヒベルク――農地から欧州の中心、金融センターへ
第47章 ヴィクトル・ユーゴーが愛した町フィアンデン――ルクセンブルク随一の古城をめぐって
第48章 アルデンヌ地方の小都市をめぐる――バルジの戦いの舞台ヴィルツ、クレルヴォー
第49章 ルクセンブルクの小スイス、エヒタナハ――建国の足がかりとなった地
第50章 北部の中心都市ディーキルヒ――ビールと祭に彩られる小さな町
 【コラム13】3国国境地域を歩く


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