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済州島を知るための55章
本体2,000円+税
ISBN 9784750346762
判型・ページ数 4-6・368ページ
出版年月日 2018/09/10

済州島を知るための55章  新刊

ユネスコ世界自然遺産に登録された豊かな自然、かつて耽羅という独立国だった固有の歴史、神話に彩られた独自の伝統文化、「辺境の島」としての差別と抵抗の歴史、悲劇の4・3事件からの再生、日本との深い繋がりなど、済州島の多彩な魅力に迫る最新の案内書。

 

【内容紹介】

『済州島を知るための55章』リーフレット(注文票)【PDF:1.0MB】

 

【執筆者一覧】

李善愛(イ・ソンエ)
宮崎公立大学人文学部教授。文化人類学。著書:『海を越える済州島の海女――海の資源をめぐる女のたたかい』(明石書店、2001年)、論文:「東アジア海洋民としての済州島海女たち――対馬の事例を中心に」『東北学』9(作品社、2003年)。

伊地知紀子(いぢち・のりこ) ※編著者紹介を参照。

伊藤亜人(いとう・あびと)
東京大学総合文化研究科名誉教授。文化人類学。著書:『アジア読本 韓国』(河出書房新社1996年)、『珍島――韓国農村社会民族誌』(弘文堂、2013年)、『北朝鮮人民の生活――脱北者の手記から読み解く実相』(弘文堂、2017年)。 

呉光現(オ・グァンヒョン)
特定非営利活動法人聖公会生野センター総主事、在日本済州4・3犠牲者遺族会会長。生野区を中心とした福祉・教育・街つくり。『曺智鉉写真集 猪飼野』(新幹社、2003年)、『ニッポン国猪飼野物語』(批評社、2011年)などに寄稿。

大村益夫(おおむら・ますお)
早稲田大学名誉教授。朝鮮近代文学。著書:『中国朝鮮族文学の歴史と展開』(緑蔭書房、2003年)、『朝鮮近代文学と日本』(緑蔭書房、2003年)。訳編著:『耽羅のくにの物語』(高麗書林、1996年)、『風と石と菜の花と』(新幹社、2009年)。訳書:李箕永『故郷』(平凡社、2017年)。

河原典史(かわはら・のりふみ)
立命館大学文学部教授。歴史地理学。共編著:『日系人の経験と国際移動――在外日本人・移民の近現代史』(人文書院、2007年)。論文:「植民地期の朝鮮における水産加工業――缶詰製造業を中心に」山根拓・中西僚太郎編著『近代日本の地域形成』(海青社、2007年)、「植民地期の朝鮮・済州島における日本人の活動」平岡昭利編『離島研究Ⅱ』(海青社、2007年)

金明美(キム・ミョンミ)
静岡大学情報学部准教授。文化人類学、東シナ海域研究。著書:『サッカーからみる日韓のナショナリティとローカリティ――地域スポーツ実践の場への文化人類学的アプローチ』(御茶の水書房、2009年)。共編著:原尻英樹・金編『東シナ海域における朝鮮半島と日本列島――その基層文化と人々の生活』かんよう出版、2015年。

金良淑(キム・ヤンスク) ※編著者紹介を参照。

高二三(コ・イサム)
新幹社社長。韓国・朝鮮・在日関係図書出版。2018年、4・3 70周年特別功労賞受賞。

高鮮徽(コ・ソンフィ)
文教大学非常勤講師。歴史社会学。著書:『在日済州島出身者の生活過程――関東地方を中心に』(新幹社、1996年)、『20世紀の滞日済州島人――その生活過程と意識』(明石書店、1998年)。

高誠晩(コ・ソンマン)
立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員(2018年8月から済州大学社会学科)。歴史社会学、文化人類学、東アジア研究。著書:『〈犠牲者〉のポリティクス:済州4・3/沖縄/台湾2・28 歴史清算をめぐる苦悩』(京都大学学術出版会、2017年)。論文:Trans-Border Rituals for the Dead: Experiential Knowledge of Paternal Relatives after The Jeju 4.3 Incident, Journal of Korean Religions, Vol.9, No.1, 20

佐々木史郎(ささき・しろう)
宇都宮大学名誉教授。人文地理学。訳書:張保雄『韓国の民家』(古今書院、1989年)。論文:「韓国済州島の別棟型民家の成立に関する予察的研究」『歴史地理学』36巻5号、1994年)、「韓国民家における板間の性格とその地域性」『地学雑誌』103巻6号、1994年)

高橋公明(たかはし・きみあき)
名古屋大学名誉教授。前近代東アジア海域史。共編著:大石直正・高良倉吉・高橋編
『(日本の歴史14)周縁から見た中世日本』(講談社、2001年)。論文:「島から見る目と島から見る視線」羽田正編『(港町の世界史3)港町に生きる』(青木書店、2006年)

鄭雅英(チョン・アヨン)
立命館大学経営学部教授。コリアン・マイノリティの研究、中国経済。著書:『中国朝鮮族の民族関係』(アジア政経学会「現代アジア研究叢書27」、2000年)。論文:「在日済州島出身者と学校教育」津波高志編『東アジアの間地方交流の過去と現在――済州と沖縄・奄美を中心にして』(彩流社、2012年)。

鄭煐〓[王盡](チョン・ヨンシン)
済州大学共同資源研究センター学術研究教授。編著『(共同資源の島 済州1)土地、水、風』(2016年)、『(共同資源の島 済州2)地域公共性の新たな地平』(2016年)、『済州の村と共同資源』(2017年、以上、ジンインジン)。論文:「済州海軍基地をめぐる闘争と江汀マウル共同体の変動」『耽羅文化』58号(済州大学眈羅文化研究院、2018年)

塚崎昌之(つかさき・まさゆき)
関西大学・大阪大谷大学非常勤講師。在日朝鮮人史、軍事史。論文:「大阪-済州島航路の経営と済州島民族資本」(『在日朝鮮人史研究』第39号、2009年)、「一九二〇年.一九四五年、大阪東成地域における朝鮮人の生活と鶴橋署」(『在日朝鮮人史研究』第42号、2012年)

津波高志(つは・たかし)
琉球大学名誉教授。民俗学、文化人類学。著書『ハングルと唐辛子』(ボーダーインク、1999年)、『沖縄側から見た奄美の文化変容』(第一書房、2012年)。編著:『東アジアの間地方交流の過去と現在』(彩流社、2012年)、共著:『変貌する東アジアの家族』(早稲田大学出版部、2004年)。

野村伸一(のむら・しんいち)
慶應義塾大学名誉教授。東アジア地域文化研究。著書:『東シナ海祭祀芸能史論序説』(風響社、2009年)。編著:『東アジア海域文化の生成と展開――〈東方地中海〉としての理解』(風響社、2015年)。論文:「朝鮮半島、済州島の女神たち」(吉田敦彦・松村一男編著『アジア女神大全』青土社、2011年)。

橋本繁(はしもと・しげる)
日本女子大学客員准教授。古代朝鮮史。著書:『韓国古代木簡の研究』(吉川弘文館、2014年)、共著:『古代日本と朝鮮の石碑文化』(朝倉書店、2018年)。論文:「中古新羅築城碑の研究」『韓国朝鮮文化研究』(12号、2013年)。

玄善允(ヒョン・ソニュン)
大阪経済法科大学アジア研究所客員教授。フランス現代文学、在日(文学)論。著書:『人生の同伴者――ある在日家族の精神史』(同時代社、2017年)、訳書:玄吉彦著『戦争ごっこ』(岩波書店、2015年)、玄吉彦著『島の反乱、1948年4月3日』(同時代社、2016年)。

藤田明良(ふじた・あきよし)
天理大学国際学部教授。海域アジア史。共著書:『(東アジア海域に漕ぎだす1)海から見た歴史』(東京大学出版会、2013年)。論文「東アジアにおける島嶼と国家――黄海をめぐる海域交流史」(『日本の対外関係4』吉川弘文館、2010年)

藤永壯(ふじなが・たけし)
大阪産業大学国際学部教授。朝鮮近現代史。論文:「済州四・三事件の歴史的位相」(『(岩波講座アジア・太平洋戦争4)帝国の戦争経験』岩波書店、2006年)、「第二次大戦後における済州島民の日本への「密航」について」津波高志編『東アジアの間地方交流の過去と現在――済州と沖縄・奄美を中心にして』(彩流社、2012年)。

髙村竜平(たかむら・りゅうへい)
秋田大学教育文化学部准教授。社会人類学、朝鮮近現代史。共編著:中田英樹・高村編『復興に抗する――地域開発の経験と東日本大震災後の日本』(有志舎、2018年)。論文「墓を通じた土地と人との関係についての小論――韓国・済州道の墓地管理活動「伐草」の事例から」『立命館言語文化研究』17巻3号。

松本誠一(まつもと・せいいち)
東洋大学教授。人類学、韓国研究、島嶼コミュニティ研究。監修:西田知未『韓国済州道老人論考』(新幹社、2017年)。共編著:『社会・人口・介護からみた世界と日本』(時潮社、2014年)、『性と年齢の人類学』(岩田書院、1998年)。

文京洙(ムン・ギョンス)
立命館大学国際関係学部特任教授。国際政治学、韓国現代史。著書:『済州島現代史――公共圏の死滅と再生』(新幹社、2005年)、『韓国現代史』(岩波新書、2005年)、『新・韓国現代史』(岩波新書、2015年)、『済州島四・三事件――「島のくに」の死と再生の物語』(岩波現代文庫、2018年)。2018年、4・3 70周年特別功労賞受賞。

梁聖宗(ヤン・ソンジョン) ※編著者紹介を参照。

余田幸夫(よでん・ゆきお)
元在済州日本国領事館総領事、現外務省外交記録情報公開室。写真集『(ロマンと神秘に充ちた)三多島の香り』

李明玉(リ・ミョンオク)
朝鮮・韓国語の翻訳及び通訳・講師、ライター。翻訳:慎武宏『祖国と母国とフットボール』(ランダムハウス講談社、2010年)韓国語版(ワットブック、2010年)、劇団トル「在日バイタルチェック」(2014年第8回4・3平和人権マダン劇祭上演)台本の韓国語翻訳

李昤京(リ・リョンギョン)
立教大学などで非常勤講師。人の移動・離散・平和学研究。論文:「韓国における在日韓国人「スパイ」捏造事件から見る保守政権下民主主義の危機」木村朗・前田朗編『21世紀のグローバル・ファシズム』(2013年、耕文社)、「「李明博・朴槿惠政府における「従北」レッテル貼りと「排除の政治」」進藤榮一・木村朗編『中国・北朝鮮脅威論を超えて』(2017年、耕文社)

六反田豊(ろくたんだ・ゆたか)
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。朝鮮中世近世史。著書:『朝鮮王朝の国家と財政』(山川出版社、2013年)。共編著:『日本と朝鮮 比較・交流史入門――近世、近代そして現代』(明石書店、2011年)。論文:「朝鮮後期済州島漂流民の出身地詐称」(『朝鮮史研究会論文集』40、2002年)。

 はしがき


第Ⅰ部 済州島の自然と風土

第1章 東アジアの「要石」――“平和の島”を夢見て(梁聖宗)
第2章 三姓神話と三多の島――風・石・女の島(梁聖宗)
第3章 失われた済州島の原風景――カラス、ヘビ、ムルホボク、エギクドク……(梁聖宗)
第4章 漢拏山――火山島とそこに生きる人びと(金良淑)
第5章 ユネスコ世界自然遺産――保護と開発のはざまで(金良淑)
第6章 済州島への眼差し――本土からのイメージの変化(文京洙)
第7章 東の「地中海」への視座――東アジア海域における済州島から(野村伸一)
 コラム1 トルハルバン――済州島の「ゆるキャラ」?(伊地知紀子)
 コラム2 神秘とロマンのオルム(余田幸夫)
 済州島アルバム1[村の風景]


第Ⅱ部 基層文化と伝統社会

第8章 巫俗信仰――一万八千の神々が宿る島(金良淑)
第9章 ポンプリ――波乱万丈な神々の物語(金良淑)
第10章 済州島の昔ばなし――自然と圧政に苦しんだ辺境の、とりわけ女たちの物語(玄善允)
第11章 家族とクェンダン――先祖祭祀と社会関係にみる儒教と固有文化(髙村竜平)
第12章 墓と葬送、結婚式――伝統の形成とその変化(髙村竜平)
第13章 村落の類型と多様性――今も息づくムラの伝統と人びとの絆、そしてその行方(金明美)
第14章 三多の島の住まいと生活――済州島の伝統的民家と居住慣行(佐々木史郎)
第15章 「済州語」は外国語?――母音「アレア」の残る不思議な言葉(梁聖宗)
第16章 済州島の食文化――合言葉は「ベジグナダ!」(梁聖宗)
 コラム3 済州島の離島めぐり――離島だからこそ、本島がよく見える(玄善允)
 コラム4 済州島の老人たち――節約と自立の精神(松本誠一)
 済州島アルバム2[民俗・信仰]


第Ⅲ部 済州島の歴史 古代から解放まで

第17章 耽羅――絶海に浮かぶ海洋王国(橋本繁)
第18章 高麗の統治と三別抄――蒙古支配の100年(高橋公明)
第19章 チョランマル――畑を踏む馬と海に浮かぶ牧場(金良淑)
第20章 朝鮮王朝時代の済州島――陸からの視座、海からの視座(藤田明良)
第21章 『耽羅巡歴図』――18世紀の済州島を色鮮やかに描いたビジュアル地誌(梁聖宗)
第22章 恋北亭――辺境の地に儒教文化の種を蒔いた流謫者たち(梁聖宗)
第23章 済州島の海民と海賊の時代――倭寇と水賊(六反田豊)
第24章 出陸禁止と漂流民(六反田豊)
第25章 高得宗、その栄光と挫折――『朝鮮王朝実録』に名を残した済州人(高橋公明)
第26章 西洋人の見た済州島――ハメル漂流記とクェルパート(梁聖宗)
第27章 朝鮮王朝の統治と民乱――「抗争」の系譜(文京洙)
第28章 済州島の海女の歴史――自然と人との共存・共生を通して(李善愛)
第29章 植民地期の民族運動と海女闘争――女たちの「生きるための闘い」(藤永壯)
第30章 済州島の近代水産業と日本――日本人事業家たちの足跡(河原典史)
第31章 済州島に残る旧日本軍遺跡――南北分断の悲劇を生みだした日本軍の爪痕(塚﨑昌之)
 コラム5 「済州島の母」金萬徳の魅力――「ジョニャン精神」の体現者(梁聖宗)
 済州島アルバム3[生活文化]


第Ⅳ部 日本と済州島

第32章 植民地期の日本人による済州島研究――鳥居龍蔵から枡田一二まで(髙村竜平)
第33章 泉靖一の済州島研究――友人の漢拏山遭難死から(伊藤亜人)
第34章 君が代丸――阪済航路と済州島(伊地知紀子)
第35章 同郷親睦会の活動――在日済州人コミュニティの特徴と変容(鄭雅英)
第36章 日本と済州島を結ぶネットワーク――渡日済州島人の4世代(高鮮徽)
第37章 日本への出稼ぎ海女――済州島チャムスの生活世界(伊地知紀子)
第38章 済州島出身者の生活史――東アジア近現代史の縮図として(伊地知紀子)
第39章 済州島の文学(大村益夫)
第40章 『季刊 三千里』と在日済州島人(高二三)
第41章 女たちの済州島――映画『HARUKO』と『海女のリャンさん』(金良淑)
第42章 猪飼野、日本の中の済州――あってもない町、なくてもある町(呉光現)
 コラム6 済州島で生まれ育った日本人――親睦会「済州島会」を訪ねて(伊地知紀子)
 コラム7 日本の済州島研究会――耽羅研究会、大阪済州島研究会、済州島研究会(梁聖宗)
 済州島アルバム4[町の風景]


第Ⅴ部 4・3事件と再生する島

第43章 済州島4・3事件とは何か?(文京洙)
第44章 4・3事件の経緯(文京洙)
第45章 4・3事件が残したもの1――記憶の圧殺と連座制(李昤京)
第46章 4・3事件が残したもの2――済州人の離散と冷戦の犠牲(李昤京)
第47章 開発をめぐる葛藤と住民運動――市民社会の再生(文京洙)
第48章 済州島の「4・3運動」――「4・3特別法」までの道のり(文京洙)
第49章 在日の「4・3運動」(伊地知紀子・文京洙)
第50章 4・3事件の表象と追悼――済州4・3平和公園におけるモニュメント(高誠晩)
 コラム8 4・3事件の史跡を訪ねる(高誠晩)
 コラム9 在日済州人三世の4・3とマダン劇(李明玉)
 済州島アルバム5[子どもたち]

第Ⅵ部 済州島の「再発見」 “平和の島”の現在と未来

第51章 ミカン栽培と観光産業――農業の近代化と経済の変化(髙村竜平)
第52章 移住ブームと済州「再発見」――「東洋のハワイ」から「癒しの島」へ(金良淑)
第53章 済州島と沖縄1――黒潮が結ぶ周縁の島と共同研究の試み(津波高志)
第54章 済州島と沖縄2――歴史の共有と平和への連帯(鄭ヨンシン)
第55章 オルレッキル――世界につながる癒しの道(金良淑)
 コラム10 カンジョンの闘いと連帯(李昤京)
 コラム11 済州特別自治道――外資誘致のための地方分権?(髙村竜平)
 コラム12 中国資本と済州ドリームタワー(髙村竜平)


 参考文献

 編者あとがき

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