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イスラエルを知るための62章【第2版】
本体2,000円+税
ISBN 9784750346939
判型・ページ数 4-6・388ページ
出版年月日 2018/06/30

イスラエルを知るための62章【第2版】

ユダヤ民族主義運動から生まれたイデオロギー国家イスラエルの、その激動の歴史、多様な社会、そして人々の暮らしの素顔を紹介。関係各国の政治的思惑が交差する国際政治のなかで、中東に位置する、この国の現実と未来を見通すための最適の一冊。

 

【執筆者一覧】

池田 明史(いけだ・あきふみ)
東洋英和女学院大学学長・国際社会学部教授。国際政治学・中東現代政治。主な著書に『イスラエル国家の諸問題』(編著、アジア経済研究所、1994年)、『大量破壊兵器不拡散の国際政治学』(共著、有信堂、2000年)、『帝国アメリカのイメージ』(共著、早稲田大学出版会、2004年)。

鴨志田 聡子(かもしだ・さとこ)
1979年静岡県生まれ。東京外国語大学非常勤講師(イディッシュ語)、東京大学大学院人文社会系研究科研究員。イスラエルでの現地調査を経て博士論文『現代イスラエルにおけるイディッシュ語個人出版と言語学習活動』(三元社、2014年)を執筆。共著『Pen BOOKS ユダヤとは何か。』(CCCメディアハウス、2012年)。

武井 彩佳(たけい・あやか)
学習院女子大学国際文化交流学部教授。ドイツ現代史、ホロコースト研究。おもな著作に、『戦後ドイツのユダヤ人』(白水社、2005年)、『ユダヤ人財産は誰のものか――ホロコーストからパレスチナ問題へ』(白水社、2008年)、『〈和解〉のリアルポリティクス――ドイツ人とユダヤ人』(みすず書房、2017年)、訳書に、ダン・ストーン著『ホロコースト・スタディーズ――最新研究への手引き』(白水社、2012年)。

立山 良司(たてやま・りょうじ)*編著者紹介を参照。

辻田 俊哉(つじた・としや)
大阪大学COデザインセンター講師。国際政治学。2006~08年、在イスラエル日本国大使館専門調査員。2011年、大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了。博士(国際公共政策)。

林 真由美(はやし・まゆみ)
元北海道教育大学函館校非常勤講師。国際政治学。1999~2001年、在イスラエル日本国大使館専門調査員。

樋口 義彦(ひぐち・よしひこ)
外務省職員。国際基督教大学教養学部卒、ベン・グリオン大学行動科学研究科を経て、新潟大学現代社会文化研究科より博士号取得(学術)。2008年から2012年まで在イスラエル日本国大使館専門調査員。

三上 陽一(みかみ・よういち)
外務省大臣官房人物交流室長。1985年外務省入省。国際情報統括官組織、在イスラエル大使館、在ニューヨーク総領事館、在アメリカ合衆国大使館等の後、中東アフリカ局中東第一課地域調整官を経て現職。

村橋 靖之(むらはし・やすゆき)
日本貿易振興機構(ジェトロ)イスタンブール事務所所長。テルアビブ事務所長(1999年6月~2003年11月)当時、イスラエルとパレスチナ双方の対日貿易投資促進や両者間の経済・ビジネス交流及び信頼醸成プロジェクトに関わる。イスラエル・パレスチナの青少年の対話・交流を促進するNPO法人Peace Field Japan 理事長。

屋山 久美子(ややま・くみこ)
国立音楽大学大学院音楽学部(音楽学専攻)修了。へブライ大学音楽学科博士課程(民族音楽学、ユダヤ音楽、アラブ音楽専攻)。2004年シリア・アレッポ系ユダヤ人の宗教音楽に関する論文でPhD取得。ヘブライ大学「アレッポ歴史・文化研究センター」ポストドク研究を経て、現在へブライ大学東アジア学科講師。京都市立芸術大学、同志社大学講師も務めた。エルサレム在住。

 はじめに


Ⅰ イスラエルという国

第1章 一瞬も退屈のない国――波乱と緊張と多様性の中で
第2章 自然と気候――「肥沃なる三日月地帯」の南端
【コラム1】世界のユダヤ人とイスラエル


Ⅱ 歴史

第3章 シオニズム――ユダヤ人ナショナリズムの三つの流れ
【コラム2】「近代シオニズムの父」ヘルツル
第4章 宗教共同体から民族共同体へ――ヨーロッパ近代がもたらした新たな潮流
第5章 パレスチナへの移民の波――ユダヤ人社会の誕生とアラブ系住民との軋轢
第6章 ホロコーストとシオニズム――悲劇をどう解釈するか
【コラム3】アイヒマン裁判――陳腐ではなかった悪
第7章 イスラエル独立と第一次中東戦争――民族の悲願達成、戦いの歴史の始まり
【コラム4】ダヴィッド・ベングリオン――イスラエル建国を実現
第8章 第三次中東戦争と「領土と平和の交換」原則――いまだ達せられない和平の枠組み
第9章 第四次中東戦争から現代まで――45年の変化は大きかったが


Ⅲ イスラエル歳時記

第10章 夏に迎える新年――ユダヤの歴史に基づく年中行事
第11章 誕生から死まで――世俗的イスラエル人と通過儀礼
【コラム5】メア・シャリーム
第12章 聖と俗の緊張関係――ユダヤ教とイスラエル社会
【コラム6】労働禁止の安息日「シャバット」
第13章 産めよ育てよ――イスラエルの出産・子育て事情
第14章 教育重視社会――18歳で大きな転機
第15章 体外受精も保険でカバー――柔軟な医療・社会福祉制度
第16章 イスラエルのユダヤ料理――ユダヤ教の戒律と多様性


Ⅳ 多様な言語と社会

第17章 日常語になった現代ヘブライ語――手に入れた自分たちの言語
【コラム7】イディッシュ語やラディノ語の「復活」
第18章 アシュケナジームとスファラディーム――移民とイスラエル社会
第19章 世界中のユダヤ人を受け入れるイスラエル――5人に1人が国外出身
第20章 いろいろ話せて当たり前――多言語社会イスラエル
第21章 活発なメディアとSNS――アプリ開発をリードする高い利用率
第22章 ホロコースト生存者――高齢化と拡大する格差の陰で
第23章 時代とともに変化し続けるキブツ――自然と社会環境の豊かな世界


Ⅴ 政治と安全保障

第24章 多党化と不安定な政権――百家争鳴の政党政治
第25章 右傾化するイスラエル――背景に人口構成の変化
【コラム8】イツハク・ラビン――イスラエル建国からの“象徴”
第26章 「憲法」のない国――将来の憲法を構成する「基本法」を整備
第27章 政治と軍事――安全保障政策は誰が決定しているのか
第28章 国防軍(IDF)とイスラエル社会――政軍関係と聖俗関係との狭間で
第29章 イスラエルの核戦略――曖昧政策と一方的抑止
第30章 兵器産業と武器輸出――最先端システムを支える柱
第31章 変化するイスラエルの脅威概念――新たな類型の出現と対抗戦略
【コラム9】世界有数のサイバーセキュリティ先進国
第32章 情報機関――国家安全保障の根幹
第33章 モサド――失敗の系譜
第34章 軍事作戦と国際法――自衛権の行使か、過剰な軍事力の行使か


Ⅵ 経済発展の光と影

第35章 イスラエル経済の変遷――特異な発展モデル
第36章 二つの基幹産業――発展する農業と岐路に立つダイヤモンド
【コラム10】イスラエル産ワイン――ストレートで味わい深く
第37章 イノベーション大国――ハイテク国家の旺盛な起業精神
第38章 日本・イスラエル“ビジネス新時代”――進展する経済関係
第39章 共存の夢は遠く――進むパレスチナとの経済分離
第40章 経済を取り巻く課題――国際協調と社会的不平等の是正


Ⅶ 文化・芸術・若者

第41章 イスラエル文学――ヘブライ語の再生・建国とともに
【コラム11】村上春樹とエルサレム賞――「壁と卵」
第42章 クラシック音楽界――芸術音楽の限界と可能性
第43章 オリエント音楽からジャズまで――移民社会ゆえの多様な音階とリズム
【コラム12】今あつい「ムズィカ・ミズラヒート」
第44章 元気なイスラエル映画――「芸術的なディベート文化」の結晶
第45章 ポスト・シオニズム論争――「新しい歴史家」が提起したもの
第46章 盛んなスポーツ――そこにも政治の影が
【コラム13】二都物語――エルサレムとテルアビブ
第47章 若者文化――サブカルチャーとバックパッカー


Ⅷ 外交

第48章 曲折の対外関係――最近は孤立傾向
第49章 米国のユダヤ人――政治的影響力の背景にも変化の兆し
第50章 米国との「特別な関係」――活発に議論されてきた特別さ
第51章 米国政府の対イスラエル援助――大きな規模を維持
第52章 白人福音派とイスラエル――米中東外交を左右するキリスト教シオニスト
第53章 微妙なドイツとの関係――「殺人者の国」からパートナーへ
第54章 日本とイスラエル――高い関心、でも「遠い国」


Ⅸ 中東和平問題とイスラエル

第55章 オスロ和平プロセスとその破綻――行き詰まった和平プロセス
第56章 パレスチナ問題とイスラエル世論――2000年を境に大きく変化
第57章 宗教と政治の複雑な絡みあい――エルサレム問題とイスラエル
第58章 増え続ける入植者人口――パレスチナ人の反対をよそに
第59章 「世界最大の刑務所」ガザ――長期化するハマスの実効支配と封鎖
第60章 アラブ系国民――2割を占めるマイノリティ
第61章 占領上の要衝ゴラン高原――シリアとの最前線
第62章 〈終章〉イスラエルはどこに向かうのか――輝かしい成長と根源的ジレンマ


イスラエルを知るための文献・情報ガイド

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