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日本人と海外移住
本体2,600円+税
ISBN 9784750346694
判型・ページ数 A5・304ページ
出版年月日 2018/04/30

日本人と海外移住  新刊

移民の歴史・現状・展望

戦前から戦後にかけて、多くの日本人が移民や植民として海外に渡り、日本の近代化を陰で支えてきた。本書は、日本における海外移住・植民の歴史を地域別に概観するとともに、今の日本に在住しているオールドカマーやニューカマーの諸課題にもふれ、日本と海外とのつながりを移民研究という切り口から読み解く。

 

【執筆者一覧】

蘭信三(あららぎ・しんぞう)[第7章]
上智大学総合グローバル学部教授
専門:国際社会学・歴史社会学
主な著書:『戦争と性暴力の比較史に向けて』(共編著)岩波書店、2018年。『中国残留日本人という経験』(編著)勉誠出版、2009年。『「満州移民」の歴史社会学』行路社、1994年。

アンジェロ・イシ(Angelo Ishi)[第9章]
武蔵大学社会学部教授
専門:移民研究、国際社会学、メディア社会学
主な著書:『ひとびとの精神史 第7巻 終焉する昭和1980年代』(共編著)岩波書店、2016年。Living in Two Homes: Integration and Education of Transnational Migrants in a Globalized World (共編著)Bingley: Emerald, 2017.Transcultural Japan: At the borderlands of race, gender, and identity(共編著)London: Routledge Curzon, 2008.

飯野正子(いいの・まさこ)[終章]
津田塾大学顧問・名誉教授(元学長)
専門:アメリカ史、移民研究
主な著書:『エスニック・アメリカ――多文化社会における共生の模索(第三版)』(共著)有斐閣、2016年、2011年(初版1984年)。『もう一つの日米関係史――紛争と協調のなかの日系アメリカ人』有斐閣、2000年。『日系カナダ人の歴史』東京大学出版会、1997年、カナダ首相出版賞受賞。

石川友紀(いしかわ・とものり)[第6章]
琉球大学名誉教授
専門:人文地理学、移民研究
主な著書:「南米沖縄移民一世のライフコースと世代の継承」『移民研究年報』第10号、3-19頁、日本移民学会、2004年。監修『日系移民資料集』南米編、全30巻・別巻、日本図書センター、1998~1999年。『日本移民の地理学的研究』榕樹書林、1997年。

今泉裕美子(いまいずみ・ゆみこ)[コラム11]
法政大学国際文化学部教授
専門:国際関係学、ミクロネシア・沖縄・日本関係史
主な著書:『日本帝国崩壊期「引揚げ」の比較研究――引揚げと地域の視点から』(共編著)日本経済評論社、2016年。『岩波講座日本歴史第20巻(地域論)』(共著)岩波書店、2014年。『沖縄県史(各論編第5巻近代)』(共著)沖縄県教育委員会、2011年。

木村健二(きむら・けんじ)[第1章]
下関市立大学名誉教授
専門:近代日本社会経済史、近代日本をめぐる人の国際間移動
主な著書:『一九三九年の在日朝鮮人観』ゆまに書房、2017年。『日本帝国崩壊期「引揚げ」の比較研究』(共編著)日本経済評論社、2016年。『在朝日本人の社会史』未來社、1989年。


坂口満宏(さかぐち・みつひろ)[第3章]
京都女子大学文学部教授
専門:日本近代史、移民史
主な著書:『日本人アメリカ移民史』不二出版、2001年。「日本におけるブラジル国策移民事業の特質――熊本県と北海道を事例に」『史林』第97巻第1号、2014年。

白水繁彦(しらみず・しげひこ)[第2章、コラム2]
駒澤大学大学院グローバル・メディア研究科教授
専門:社会学、エスニック文化変容論、メディア文化論
主な著書:『海外ウチナーンチュ活動家の誕生――民族文化主義の実践』御茶の水書房、2018年。『ハワイ日系社会ものがたり』(共編著)御茶の水書房、2016年。『ハワイにおけるアイデンティティ表象』(編著)御茶の水書房、2015年。

高木(北山)眞理子(たかぎ・きたやま・まりこ)[まえがき]
愛知学院大学文学部教授
専門:アメリカ研究、特にアジア系アメリカ人研究
主な著書:「「間」を生きた「日系」歌人――上江洲芳子の沖縄、ハワイ、カリフォルニア」細川周平編著『日系文化を編み直す――歴史・文芸・接触』ミネルヴァ書房、2017年。『北米の小さな博物館3――「知」の世界遺産』(共編著)彩流社、2014年。

中山京子(なかやま・きょうこ)[コラム3]
帝京大学教育学部教授
専門:国際理解教育、社会科教育
主な著書:『先住民学習とポストコロニアル人類学』御茶の水書房、2012年。『グアム・サイパン・マリアナ諸島を知るための54章』(編著)明石書店、2012年。『日系移民学習の理論と実践――グローバル教育と多文化教育をつなぐ』(共編著)明石書店、2008年。

拝野寿美子(はいの・すみこ)[コラム12]
神奈川大学人間科学部等・非常勤講師
専門:異文化間教育学、ポルトガル語
主な著書:『ブラジルの人と社会』(共編著)上智大学出版、2017年。『ブラジル人学校の子どもたち――「日本かブラジルか」を超えて』ナカニシヤ出版、2010年。

早瀬晋三(はやせ・しんぞう)[第8章]
早稲田大学アジア太平洋研究科教授
専門:近現代東南アジア・日本関係史、海域東南アジア民族史
主な著書:『グローバル化する靖国問題――東南アジアからの問い』岩波書店、2018年。『フィリピン近現代史のなかの日本人――植民地社会の形成と移民・商品』東京大学出版会、2012年。

三田千代子(みた・ちよこ)[第5章、コラム8、9]
上智大学元教授、上智大学イベロアメリカ研究所名誉所員、Ph.D.
専門:社会人類学、地域研究ブラジル
主な著書:『ブラジルの人と社会』(共編著)上智大学出版、2017年。『「出稼ぎ」から「デカセギ」へ――ブラジル移民100年にみる人と文化のダイナミズム』不二出版、2009年。Bastos: uma comunidade etnica japonesa no Brasil, Sao Paulo: UMANITAS/USP, 1999.

柳下宙子(やぎした・ひろこ)[コラム1]
元外務省外交史料館課長補佐、慶應義塾大学非常勤講師
専門:移民史、旅券史
主な著書:『パスポート学』(共著)北海道大学出版会、2016年。『越境とアイデンティフィケーション――国籍・パスポート・IDカード』(共著)新曜社、2012年。『ブラジル日本移民百年の軌跡』(共著)明石書店、2010年。

柳田利夫(やなぎだ・としお)[コラム10]
慶應義塾大学文学部教授
専門:近代移民史、民衆思想史
主な著書:『リマの日系人――ペルーにおける日系社会の多角的分析』(共編著)明石書店、1997年。『ペルーの和食――やわらかな多文化主義』慶應義塾大学教養研究センター選書、2017年。

吉田亮(よしだ・りょう)[コラム4]
同志社大学社会学部教授
専門:社会史(移民・宗教・教育)
主な著書:『越境する二世』(共編著)現代史料出版、2016年。『ハワイ日系二世とキリスト教移民教育』学術出版会、2008年。『アメリカ日本人移民とキリスト教社会』日本図書センター、1995年。

李洙任(リースーイム、Lee Soo im)[第10章]
龍谷大学経営学部教授
専門:教育学、移民学、異文化ビジネスコミュニケーション
主な著著: Japan Diversity Dillemma: Ethnicity, Citizenship, and Education(共編著)iUniverse, 2006.『共同研究 安重根と東洋平和――東アジアの歴史をめぐる越境的対話』(共編著)明石書店、2017年。

 まえがき[高木(北山)眞理子]

序章 「移民」を研究すること、学ぶこと[森本豊富・森茂岳雄]
 1 はじめに
 2 「移民」の定義
 3 近現代の「移民」に関する論点
 4 移民研究の活用
 5 移民について学ぶことの意義
 6 おわりに

第1章 近代日本の出移民史[木村健二]
 1 はじめに
 2 出移民の属性と背景
 3 出移民の諸契機
   政策
   情報とネットワーク
   斡旋業者
 4 郷里とのつながり
   送金・持帰り金とその役割
   郷土人会
   戦前期「外地」からの
   手紙
 5 おわりに
   次へのステップ
   コラム1:移民関係の外務省文書[柳下宙子]


第2章 ハワイ日系人の社会史――日本人移民が残したもの[白水繁彦]
 1 はじめに
 2 温暖で変化に富んだ地形
 3 ホスト社会ハワイの歴史――ポリネシアンの島から多民族社会へ
 4 ハワイ側の事情と移民側の事情――プル要因、プッシュ要因
 5 日本からの移民 その変遷
  第1期:出稼ぎ期 前期(1868~84年)
  第2期:出稼ぎ期 後期(1885~1907年)
   官約移民期
   私約移民期
   自由移民期
   西日本に偏る移民の出身地
  第3期:呼び寄せ・定住期(1908~23年)
   エスニック・エージェンシーの発達
  第4期:永住期:初期(1924~40年)
  第5期:永住期:二世台頭期(1941~45年)
  第6期:世代交代期 二世最盛期(1946~70年代)
  第7期:世代交代期 三世最盛期(1970年代~2000年頃)
 6 おわりに
   次へのステップ
   コラム2:エスニック・エージェンシーの例「日本語学校の機能」[白水繁彦]
   コラム3:グアムへの日本人移民[中山京子]

第3章 アメリカ合衆国への移民[坂口満宏]
 1 はじめに
 2 漂流民から強制収容まで
  アメリカ合衆国に渡った日本人移民の歴史・概観(1868~1941年)
   漂流民と留学生
   海外への出稼ぎの始ま
   日米紳士協約と移民社会の形成
  1924年の移民法と在米日本人意識の形成
   日米開戦と日系人の強制収容
  アメリカ合衆国に渡った日本人移民数の推移
   渡米目的の変化と渡米者数の推移
   在米日本人数の推移
 3 在米日本人の地理的特徴
  アメリカの州別日本人移民数とその出身地
   州別日系アメリカ人の人口と居住地
   「オレゴンといえば岡山県人」
  アメリカに渡った日本人移民の出身地を掘り下げる――岡山県を事例に
   移民の出身地を図示してみる
 4 日本とのつながり
  アメリカ太平洋岸各地にできた県人会
   呼寄せ時代の県人会
   呼寄せ時代の終焉と県人会
  県人会から海外協会の支部へ
   海外協会の設立と海外支部
   熊本海外協会のアメリカ支部
   移民による郷里への貢献
 5 おわりに
   次へのステップ
   コラム4:「北米日本人移民とキリスト教」に関する3つのアプローチ[吉田亮]

第4章 カナダへの移民[河原典史]
 1 はじめに
 2 日本人社会の形成
 3 出身地と職業
 4 漁業と日本人
   サケ缶詰産業と日本人移民
   クジラと日本人移民
   太平洋をめぐるニシン
   新しい日本人漁村の形成
 5 契約移民とその転業
 6 日本文化の変容
   庭園業と造園業
   バンクーバー朝日軍
 7 戦中・戦後の日本人
 8 おわりに
   次へのステップ
   コラム5:密航船・水安丸[河原典史]
   コラム6:ロジャーズ峠の雪崩災害[河原典史]
   コラム7:新渡戸庭園[河原典史]

第5章 ブラジルの移民政策と日本移民[三田千代子]
 1 はじめに
 2 ヨーロッパ移民の代替としての日本移民
   ブラジルにおける外国移民導入の開始
   サンパウロのコーヒー産業とヨーロッパ移民
   イタリア移民に代わる日本移民、米国に代わるブラジル
 3 ブラジルの国造りの理念と日本移民
   「脱アフリカ化(デザフリカニザソン)」としてのヨーロッパ移民
   サンパウロ州政府による
   日本移民の導入
   外国移民の選別
 4 ヴァルガスの国民国家形成と日本移民
   国策としての日本移民の送出
   ブラジルの日本人共同体
   寡頭(オリガーキー)政治の終焉と移民同化政策
 5 祖国の敗戦と日本移民
   戦時下の日本移民
 6 戦後の日本人社会の騒乱
   日系社会の統合
 7 永住の決心と都市移動
   戦後の日本移民の再開
   国家主義の終焉と多文化主義
 8 おわりに――100年という時間とその後
   次へのステップ
   コラム8:日本人会と日本語学校[三田千代子]
   コラム9:二世の進学と社会上昇[三田千代子]

第6章 中南米への移民[石川友紀]
 1 はじめに
 2 中南米への日本人移民の概説
   中南米への日本人移民
   世界における日本人移民の分布
   1940年の世界における日本人移民の分布
 3 中米メキシコへの日本人移民の事例
   1897年榎本殖民とその後の契約移民
   メキシコ革命と日本人移民の定住
 4 南米ペルーへの日本人移民の事例
   1899年サクラ丸の契約移民
   沖縄とペルーへの移民
 5 おわりに
   次へのステップ
   コラム10:日本のペルー人[柳田利夫]

第7章 満洲移民の生活世界――集団引揚げ、中国残留を中心に[蘭信三]
 1 はじめに
 2 帝国崩壊――引揚げか中国残留か
   1945年8月9日以降の日々
   敗戦から引揚げまでの難民期
   集団引揚げか、中国残留か
 3 満洲移民事業の展開
   農村経済更生運動と満洲移民事業
   満洲移民事業の概要
   満洲移民事業に付与された特性
   投影される満洲移民
   モデルとしての分村移民・分郷移民
 4 満洲での開拓生活
   開拓地での生活
   開拓生活の困難
   近代家族の誕生、植民地での近代化
   階級関係と民族関係
   開拓生活の「成否」の分かれ目
   植民地都市生活者との比較
 5 集団引揚者の戦後、中国残留者の戦後
   集団引揚者の戦後経験
   中国残留者の戦後経験
 6 おわりに
   次へのステップ


第8 章 東南アジアへの移民――日本優位から対等な関係へ[早瀬晋三]
 1 はじめに
 2 出稼ぎ労働者・「からゆきさん」から経済進出へ
 3 移民取り扱い会社を介する呼び寄せ渡航
 4 定住者の増加と教育問題
 5 評価されない戦争協力
 6 日系人の引き続く過去
 7 「実習生」・留学生の増加
 8 おわりに――日本優位から対等な関係へ
   次へのステップ
   コラム11:南洋群島への移民[今泉裕美子]


第9章 在日ブラジル人/デカセギ移民――日系人への帰国支援事業の受給者に着目して[アンジェロ・イシ]
 1 はじめに
 2 在日ブラジル系移民の実態――統計データを手がかりに
 3 在日ブラジル人小史
   在外ブラジル人意識が強化した2010年代
   質的に異なる二つのデモ
   深まる日本社会とのコミットメント
   多彩な文化活動とメディア生産
 4 事例研究:日系人への「帰国支援事業」を受給者の視点から再考する
   移民の「再入国許可」をめぐる論争と闘争
   帰国支援受給者(帰国した日系人労働者)アンケートのデータ分析
    ・「なぜ、受給を決断したか」、「なぜ、日本に戻りたいか」の自由回答欄より
    ・データから読み取れる支援金事業の問題点
    ・帰国者への聞き取り調査からの知見
   移民の戦略と移民政策の力学
 5 おわりに――高齢化する第一世代、ビザを熱望する日系四世
   次へのステップ
   コラム12:ブラジルにおける「継承日本語」のこれから[拝野寿美子]

第10章 在日コリアンの歴史的変遷と生存のための経済戦略[李洙任]
 1 はじめに
 2 在日コリアンの歴史
  2.1 併合前から戦後までの流入過程
    併合前の在日朝鮮人(1895~1909年)
    土地調査事業期(1910~19年)
    産米増殖時期(1920~30年)
    中国大陸侵略期(1931~38年)
    戦時体制・強制連行期(1939~45年)
  2.2 地域別人口推移
 3 定住から永住へ
  3.1 日本国籍の喪失
  3.2 日本での残留理由
 4 歴史・地理・文化
  4.1 在日韓国・朝鮮人の法的地位の変遷
  4.2 特別永住者の多国籍化
  4.3 居住地域
 5 在日コリアンの経済活動
  5.1 在日コリアンたちの起業家精神
  5.2 事例紹介
   エムケイタクシー創業者・青木定雄(兪奉植)――タクシー業界の風雲児
    被差別者の反骨精神
    規制緩和――既存システムへの疑問
 6 おわりに
   次へのステップ
   コラム13:日本におけるインド人ディアスポラ[東聖子]

終章 移民研究の現状と展望[飯野正子・浅香幸枝]
 概要
 A 北米・カナダを中心に
 1 はじめに
 2 研究動向
   研究分野の広がりと多様化
   トランスナショナルな視座からの学際研究
   国際共同研究の増加
 3 人の移動と国際関係――トランスナショナルな視座から
   日米関係の波と日系人
   「ララ救援物資」計画
   トロント仏教会
   日本に「送還」された日系人
 4 おわりに
 B 中南米を中心に
 1 はじめに
 2 研究動向
   2008年まで
   2008年以降
 3 人の移動と国際関係――トランスナショナル・リレーションズ
   共同研究の事例
    ①南北アメリカ研究会(2005~06年)
    ②多文化共生の諸相研究会(2006~09年)
    ③ソフトパワーと平和構築研究会(2009~12年)
    ④イメージの中の日本とラテンアメリカ研究会(2014年~現在)
   文部科学省の大学世界展開力強化事業のプログラム
   国際会議における日系人の国際連携
   トランスナショナルな視点の現代社会における意義と重要性
 4 おわりに

あとがき[編集委員会一同]

 索引

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