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トランスジェンダーと現代社会
本体3,500円+税
ISBN 9784750346564
判型・ページ数 4-6・296ページ
出版年月日 2018/03/30

トランスジェンダーと現代社会  新刊

多様化する性とあいまいな自己像をもつ人たちの生活世界

割り当てられた性に対して非同調の人々、トランスジェンダー。性自認の性を女性とも男性とも断定できないなど、性別(ジェンダー・アイデンティティ)のとらえかたは多様であいまいである。医療言説の分析、当事者、運動団体、親へのインタビュー等により、現在生じている新たな現象を概観し、自己像を多様であると見なす認識のあり方や、他者との関係性をあきらかにした意欲作。
 はじめに

序章 性別越境概念とその社会的意味づけ
 1 現在国内で流通する性別越境概念
  1・1 医療概念としての「性同一性障害」
  1・2 「当事者概念」としてのトランスジェンダー
  1・3 同性愛との違い
  1・4 異性装者
 2 性別越境についての国際的な動向と歴史
  2・1 近代社会における性別越境の抑圧と性科学の台頭
  2・2 性の脱アイデンティティ化と脱医療化の動き
 3 日本における性別越境概念の変遷
  3・1 近代化以前
  3・2 明治から1990年代まで
  3・3 性別越境の医療化と人格化
  3・4 特例後の状況と脱医療化
 4 本書の構成

第1章 独自化する自己像とライフストーリー
 1 二元的ジェンダー観と自己像との間で
 2 「性同一性障害」概念とカテゴリー化
 3 調査の概要
 4 3人の語りから見えてくるもの
  4・1 既存のアイデンティティ表象に同一化されない自己像
  4・2 カテゴリーへの同一化を試みた時期
  4・3 当事者との出会いと既存のカテゴリーに重ならない自己の受容
  4・4 予定調和ではない未来
 5 ずれの中に構築されるアクチュアル・アイデンティティ
 6 認識の変化が及ぼす影響

第2章 医療言説における揺らぐジェンダー概念と再帰的自己
 1 多様性尊重言説は人々にどのような作用をもたらしたのか
 2 新しい性別越境概念の登場と医療化に対する反応
 3 「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」の分析
  3・1 初版
  3・2 第2版
  3・3 第3版
  3・4 第4版
 4 ガイドラインの変遷から見えてきたもの

第3章 「性同一性障害」カテゴリーと非当事者の関係性――当事者団体の活動に着目して
 1 当事者の自己像と他者像
 2 性同一性障害当事者運動の現況と自己像の変遷
  2・1 当事者運動の現状
  2・2 カテゴリーからのずれをもつ自己像と他者
 3 分析方法・対象
  3・1 団体Qの概要
  3・2 交流会L
 4 多様化する当事者像と非当事者の関係性
  4・1 団体Qの主催者にとって「性同一性障害」とは何か
  4・2 本質主義的なジェンダー観をもつ他者像と当事者の多様化した自己像
 5 当事者が背負おうとするもの

第4章 当事者演劇におけるジェンダー・イメージの変遷
 1 「抵抗」からクイアへ
 2 分析対象と方法
 3 TPの性に関する意識はどのように変遷したか
  3・1 第1回公演
  3・2 第2回公演
  3・3 第3、4回公演
  3・4 第5回公演
  3・5 第6回公演
 4 自己像と他者像の変遷

第5章 トランスジェンダーの子どもをもつ親の語り――受容と関係性再構築をめぐって
 1 トランスジェンダーの子と親との関係に見られる特質
  1・1 トランスジェンダーと多様性言説
  1・2 親とジェンダー規範
  1・3 親の性差
 2 調査内容及び対象者
 3 子の受容と多様性言説
  3・1 子どもの性を受容するまで
  3・2 親と子の関係性再構築
  3・3 性の多様性言説の親への影響
  3・4 母親と父親の関わり方の違い
 4 親の語りからみえてきたもの

第6章 多様性言説と新しい主体
 1 「多様性」について考えるために
 2 脱真理化する性
  2・1 近代社会と性の真理
  2・2 性の真理の脱構築
  2・3 ポストモダニティにおける性からの脱埋め込み
 3 新たな性の作用と多様性言説
 4 多様性言説の議論の水準
 5 性的人格からの撤退がもたらすもの

 あとがき
 注
 初出一覧
 文献

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