本体3,600円+税
ISBN | 9784750346205 |
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判型・ページ数 | A5・232ページ |
出版年月日 | 2018/02/11 |
ネパール女性の社会参加と識字教育
生活世界に基づいた学びの実践
長岡 智寿子 著
人々の生活の中で文字の読み書きはどのような意味を持つのだろうか。ネパールの女性を対象にした識字教育事業を手掛かりに、女性が文字を獲得することを通して、社会参加をめぐる様相を生涯学習の視点から質的に問い直す。
はじめに
第1章 開発政策における識字教育
第1節 国際社会における開発政策の歴史的経緯
1.1 「近代化論」重視の開発政策
1.2 女性の存在に注目する開発政策~WIDからGADへ~
1.3 人間の発展を中心とする人間開発主義へ
第2節 「教育」それ自体の開発政策について
2.1 「万人のための教育(EFA)」世界会議の取り組み
2.2 「ダカールEFA行動枠組み」~ジョムチェンからダカールへ~
2.3 2030年に向けた課題
第3節 教育開発政策に寄せられる批判
3.1 開発言説が及ぼす政治力
3.2 教育開発政策における今日的課題
第4節 先行研究の検討
4.1 開発途上国における識字教育のアプローチの変遷
4.2 開発理論の変容と識字論の変容について
4.3 識字教育をめぐる調査研究~「イデオロギー・アプローチ」と「リサーチ・アプローチ」~
第2章 ネパール:文化的・社会的背景
第1節 地理的背景
第2節 歴史的背景~政治的な流れにおいて~
2.1 第1期:ネパール王国の成立期
2.2 第2期:専制政治時代
2.3 第3期:パンチャーヤット体制期
2.4 第4期:不安的な民主主義体制
第3節 文化的背景
3.1 多様な民族と言語状況
3.2 ネパール化政策と言語使用状況
3.3 カーストによる社会構造
第4節 開発の担い手=NGOの存在について
4.1 ネパールのNGOとは
4.2 NGOをめぐる批判と課題
第3章 ネパールの教育開発政策の動向
第1節 第1期:開国期と近代国民国家の建設に向けて(1951~1970年)
第2節 第2期:新教育計画の実施とその反省(1971~1980年)
第3節 第3期:人間開発主義への移行期(1981~1990年)
第4節 第4期:民主化以降の教育開発~基礎教育重視の教育政策へ~
第5節 基礎初等教育の現在~1990年代を振り返って~
第4章 ノンフォーマル教育プログラムについて
第1節 ネパールにおけるノンフォーマル教育プログラム
第2節 識字教育のアプローチの検討
第3節 新たな取り組み~多様なアプローチの検討~
第4節 教育支援策としてのノンフォーマル教育プログラムの可能性
第5章 学習者の生活世界への接近~インタビュー調査を踏まえて~
第1節 問題の所在
第2節 先行研究の検討
第3節 調査の概要
3.1 調査地域について
3.2 調査方法と調査対象者について
3.3 調査対象地域で行われていた識字クラスについて
第4節 分析枠組みについて
4.1 学習者(=女性たち)の「立場性」について
4.2 「エンパワメント」の捉え方について
4.3 インフォーマントとの関係性について
第5節 変容するネパール社会
5.1 調査地区周辺の社会・文化的側面の変容
5.2 女性たちの視角から~語りの中の共通点~
第6節 低位カースト層の女性の事例
6.1 「カースト」概念はどのように捉えられてきたのか
――「低位カースト」=空間忌避される存在
――「同じ人間」であることの問いかけ
6.2 識字クラスにどのように関わってきたのか
――「識字クラスに参加すること」=仕事をおろそかにすること
6.3 識字クラス参加後の女性たちの変化
――払拭されない無力感
――外に向けられた変革
――もうひとつの主体的な動き:内に向けられた変革~二人の娘を産んでから~
第7節 高位カースト層の女性の事例
7.1 恵まれた人間関係の中で
――識字クラス開設の背景
7.2 識字クラスへの関わり方および周囲の反応
7.3 識字クラス終了後の変化
――自分の本当の姿へ
――迷いと葛藤の中で
第8節 考察
8.1 受け止められ方に相違があること
8.2 異なる前提条件
8.3 底辺社会の相克~変化の途上において~
8.4 調査対象となった女性たちを取り巻く意味空間の変容
8.5 「立場性」に変革を迫る識字教育
第6章 女性、識字と開発をめぐる事例研究~グローバリゼーションの下での生涯学習~
第1節 生活世界に基づいた学びの実践
1.1 読み書きの学びに参加した女性たちの「生活世界」
1.1.1 女性たちの背景
1.1.2 変容する「生活世界」~グローバル化の過程で~
1.2 生活課題としての読み書き
1.2.1 日常生活との関係性を求めて
1.2.2 インフォーマルな教えをもとに~「自分のプラクティス」を考えること~
1.3 まとめ
1.3.1 「生活世界」を守ることの意味
1.3.2 グローバル化する社会情勢下における生涯学習の課題~生活の中から培われた「知」の再確認~
第2節 女性、識字と開発~ネパールの女性たちの活動の事例~
2.1 ネパールにおける識字教育政策の展開
2.2 先行研究の検討と本研究の課題
2.2.1 識字プログラムの問題点
2.2.2 多様な識字の存在について~ニューリテラシー論の視点~
2.3 事例検討
2.3.1 インフォーマルな経済活動を通して
2.3.2 評価されない活動
2.4 まとめ
第3節 ラジオ放送を活用した農村女性のためのリテラシープログラム
3.1 女性を対象にしたノンフォーマル教育
3.2 ラジオ放送を活用した社会開発の動向
3.3 CR放送を活用したポスト・リテラシープログラム
3.3.1 プログラムの概要
3.3.2 基礎コースを実施するに際して
3.3.3 ラジオ放送学習について
3.3.4 学習後の変化
3.4 まとめにかえて
第7章:再考:女性が文字を学ぶこと
第1節 ネパールの教育開発政策を振り返って
第2節 今後のノンフォーマル教育プログラムについて
第3節 残された課題
おわりに
引用・参考文献
第1章 開発政策における識字教育
第1節 国際社会における開発政策の歴史的経緯
1.1 「近代化論」重視の開発政策
1.2 女性の存在に注目する開発政策~WIDからGADへ~
1.3 人間の発展を中心とする人間開発主義へ
第2節 「教育」それ自体の開発政策について
2.1 「万人のための教育(EFA)」世界会議の取り組み
2.2 「ダカールEFA行動枠組み」~ジョムチェンからダカールへ~
2.3 2030年に向けた課題
第3節 教育開発政策に寄せられる批判
3.1 開発言説が及ぼす政治力
3.2 教育開発政策における今日的課題
第4節 先行研究の検討
4.1 開発途上国における識字教育のアプローチの変遷
4.2 開発理論の変容と識字論の変容について
4.3 識字教育をめぐる調査研究~「イデオロギー・アプローチ」と「リサーチ・アプローチ」~
第2章 ネパール:文化的・社会的背景
第1節 地理的背景
第2節 歴史的背景~政治的な流れにおいて~
2.1 第1期:ネパール王国の成立期
2.2 第2期:専制政治時代
2.3 第3期:パンチャーヤット体制期
2.4 第4期:不安的な民主主義体制
第3節 文化的背景
3.1 多様な民族と言語状況
3.2 ネパール化政策と言語使用状況
3.3 カーストによる社会構造
第4節 開発の担い手=NGOの存在について
4.1 ネパールのNGOとは
4.2 NGOをめぐる批判と課題
第3章 ネパールの教育開発政策の動向
第1節 第1期:開国期と近代国民国家の建設に向けて(1951~1970年)
第2節 第2期:新教育計画の実施とその反省(1971~1980年)
第3節 第3期:人間開発主義への移行期(1981~1990年)
第4節 第4期:民主化以降の教育開発~基礎教育重視の教育政策へ~
第5節 基礎初等教育の現在~1990年代を振り返って~
第4章 ノンフォーマル教育プログラムについて
第1節 ネパールにおけるノンフォーマル教育プログラム
第2節 識字教育のアプローチの検討
第3節 新たな取り組み~多様なアプローチの検討~
第4節 教育支援策としてのノンフォーマル教育プログラムの可能性
第5章 学習者の生活世界への接近~インタビュー調査を踏まえて~
第1節 問題の所在
第2節 先行研究の検討
第3節 調査の概要
3.1 調査地域について
3.2 調査方法と調査対象者について
3.3 調査対象地域で行われていた識字クラスについて
第4節 分析枠組みについて
4.1 学習者(=女性たち)の「立場性」について
4.2 「エンパワメント」の捉え方について
4.3 インフォーマントとの関係性について
第5節 変容するネパール社会
5.1 調査地区周辺の社会・文化的側面の変容
5.2 女性たちの視角から~語りの中の共通点~
第6節 低位カースト層の女性の事例
6.1 「カースト」概念はどのように捉えられてきたのか
――「低位カースト」=空間忌避される存在
――「同じ人間」であることの問いかけ
6.2 識字クラスにどのように関わってきたのか
――「識字クラスに参加すること」=仕事をおろそかにすること
6.3 識字クラス参加後の女性たちの変化
――払拭されない無力感
――外に向けられた変革
――もうひとつの主体的な動き:内に向けられた変革~二人の娘を産んでから~
第7節 高位カースト層の女性の事例
7.1 恵まれた人間関係の中で
――識字クラス開設の背景
7.2 識字クラスへの関わり方および周囲の反応
7.3 識字クラス終了後の変化
――自分の本当の姿へ
――迷いと葛藤の中で
第8節 考察
8.1 受け止められ方に相違があること
8.2 異なる前提条件
8.3 底辺社会の相克~変化の途上において~
8.4 調査対象となった女性たちを取り巻く意味空間の変容
8.5 「立場性」に変革を迫る識字教育
第6章 女性、識字と開発をめぐる事例研究~グローバリゼーションの下での生涯学習~
第1節 生活世界に基づいた学びの実践
1.1 読み書きの学びに参加した女性たちの「生活世界」
1.1.1 女性たちの背景
1.1.2 変容する「生活世界」~グローバル化の過程で~
1.2 生活課題としての読み書き
1.2.1 日常生活との関係性を求めて
1.2.2 インフォーマルな教えをもとに~「自分のプラクティス」を考えること~
1.3 まとめ
1.3.1 「生活世界」を守ることの意味
1.3.2 グローバル化する社会情勢下における生涯学習の課題~生活の中から培われた「知」の再確認~
第2節 女性、識字と開発~ネパールの女性たちの活動の事例~
2.1 ネパールにおける識字教育政策の展開
2.2 先行研究の検討と本研究の課題
2.2.1 識字プログラムの問題点
2.2.2 多様な識字の存在について~ニューリテラシー論の視点~
2.3 事例検討
2.3.1 インフォーマルな経済活動を通して
2.3.2 評価されない活動
2.4 まとめ
第3節 ラジオ放送を活用した農村女性のためのリテラシープログラム
3.1 女性を対象にしたノンフォーマル教育
3.2 ラジオ放送を活用した社会開発の動向
3.3 CR放送を活用したポスト・リテラシープログラム
3.3.1 プログラムの概要
3.3.2 基礎コースを実施するに際して
3.3.3 ラジオ放送学習について
3.3.4 学習後の変化
3.4 まとめにかえて
第7章:再考:女性が文字を学ぶこと
第1節 ネパールの教育開発政策を振り返って
第2節 今後のノンフォーマル教育プログラムについて
第3節 残された課題
おわりに
引用・参考文献
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