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現代フランスの教育改革
本体5,800円+税
ISBN 9784750346168
判型・ページ数 A5・368ページ
出版年月日 2018/01/31

現代フランスの教育改革

20年間継続したフランス保守政権下の教育改革を、政策理念、幼児・初等教育、中等教育、職業教育、高等教育、インクルーシブ教育、社会教育・生涯学習から分析し全体像を明らかにする。各教育段階の教育改革の成果と課題を精査することで、わが国の教育改革との比較に資する素材を示す。
 はじめに[上原秀一・藤井穂高]

第Ⅰ部 教育理念

 [年表]

第1章 フランス政治の変遷と教育改革[上原秀一・鈴木規子]
 はじめに
 1.右派政権下の教育改革の背景――ミッテラン左派政権の教育改革
  1.1 第一次ミッテラン左派政権の教育改革
  1.2 第二次ミッテラン左派政権の教育改革
 2.第一次シラク右派政権――1995年大統領選挙
  2.1 大統領選挙の結果――シラク大統領の誕生
  2.2 第一次シラク右派政権下に行われた政治とその特徴
 3.第二次シラク右派政権――2002年大統領選挙
  3.1 大統領選挙の結果――シラク大統領再選
  3.2 第二次シラク右派政権下で行われた政治とその特徴
  3.3 第二次シラク右派政権の教育改革
 4.サルコジ右派政権――2007年大統領選挙
  4.1 大統領選挙の結果――サルコジ大統領の誕生
  4.2 サルコジ政治の特徴
  4.3 サルコジ右派政権の教育改革
 5.オランド左派政権――2012年大統領選挙
  5.1 大統領選挙の結果――サルコジ大統領の敗北、オランド社会党大統領の誕生
  5.2 サルコジの敗因とオランドの勝因
  5.3 オランド左派政権の教育改革
 おわりに

第Ⅱ部 初等教育

第2章 初等教育の問題構成と改革課題[藤井穂高]
 はじめに
 1.初等教育改革の問題構成
  1.1 ジョスパン法における初等教育改革の問題構成
  1.2 フィヨン法における問題構成
  1.3 ペイヨン法における問題構成
 2.初等教育の改革課題
  2.1 すべての児童生徒の学業成功
  2.2 学習期制
  2.3 保育学校
  2.4 学校週4日制
  2.5 学校のネットワーク化
 おわりに

第3章 「初等学校学習指導要領」の変遷――幼小教育の連続性を中心に[赤星まゆみ]
 はじめに
 1.初等学校の学習期に対応した教育課程の構築
  1.1 幼児期教育の学校教育化への道――1989年ジョスパン法の成立まで
  1.2 1990年の「新教育政策」――学習期制度と教育課程
  1.3 1990年通達と教育課程の基準――1985年・1986年通達の一部修正を通して
  1.4 全国教育課程審議会の設置と「初等学校学習指導要領」の作成
 2.「初等学校学習指導要領」の変遷
  2.1 1995年学習指導要領
  2.2 2002年学習指導要領
  2.3 2008年学習指導要領
 おわりに

第4章 フランスにおける「読むこと」の実践――「フレネ教育」の「自然な方法」を中心に[坂本明美]
 はじめに
 1.フランスにおける「読むこと」の多様な方法
 2.フランスにおける「読むこと」の方法の歴史的経緯
 3.郊外で起こった若者による事件への対応策としての言語教育
 4.「フレネ教育」における「書くこと」と「読むこと」――「自然な方法」
 5.「フレネ学校」における「書くこと」と「読むこと」の実践――「自然な方法」
 おわりに

第Ⅲ部 中等教育

第5章 保守政権下にみる中等教育の大衆化と民主化のパラドックス[園山大祐]
 はじめに
 1.教育の大衆化「第2次教育爆発」の影響
 2.政策にみる落ちこぼれ対策
 3.義務教育後の「学校離れ」対策
 おわりに

第6章 リセの哲学教育における争点――「フランスモデル」の揺らぎのなかで[綾井桜子]
 はじめに
 1.リセの哲学教育とその伝統
  1.1 リセの哲学教育に求められてきた役割とは
  1.2 書くことの学習――ディセルタシオン(小論文)に着目して
 2.哲学教育の改革をめぐる提言
  2.1 リセにおける哲学教育の開始をめぐって
  2.2 「教科書的なもの」の意義を認めること
  2.3 バカロレア試験の改良とディセルタシオンの相対化をめぐる提案
 3.2000年代以降の動き
  3.1 学習指導要領の改革をめぐって――個々の生徒に応じた教育へ
  3.2 リセ第3学年(最終学年)に先立つ哲学をめぐって
  3.3 ディセルタシオンの存続と深まる困難
 おわりに

第7章 コンピテンシーに基づく教育改革――中等教育の伝統の打破?[細尾萌子]
 はじめに
 1.フランスの中等教育における教養教育の伝統
 2.コンピテンシーに基づく中等教育改革
  2.1 コンピテンシーの定義
 2.2 コンピテンシーに基づく教育改革
 3.共通基礎をめぐる論争
  3.1 学習指導要領憲章におけるコンピテンシーの公認
  3.2 国民討論による「共通基礎」の社会的認知
  3.3 共通基礎の制定
  3.4 共通基礎の改訂
 4.コンピテンシーを育む教育実践――帯による評価
 おわりに

第Ⅳ部 高等教育

第8章 フランス保守政権下における高等教育改革の動向――高等教育の市場化と政府統制の葛藤[大場淳]
 はじめに
 1.世界における高等教育の市場化
 2.フランスにおける高等教育市場化の展開
  2.1 フランスにおける高等教育の市場化の進展
  2.2 政府統制のあり方の変化とその限界
 3.複雑化する大学を取り巻く環境への対応
  3.1 グローバル化と欧州統合
  3.2 地方分権
  3.3 連携・統合と大規模競争的資金
 おわりに

第9章 フランスにおける選抜制教育機関の進学機会拡大政策――グランド・ゼコール準備級への非富裕層の進学促進[夏目達也]
 はじめに
 1.グランド・ゼコール準備級に関する制度上の特徴――大学との格差の実態
  1.1 高等教育制度におけるCPGEの位置付け
  1.2 入学者選抜・教育課程
  1.3 恵まれた教育条件
 2.CPGEの社会的開放政策
  2.1 社会的開放政策の背景
  2.2 「卓越教育機会均等憲章」の制定
  2.3 「機会均等法」の制定
 3.考察
  3.1 30%目標は教育の質低下をもたらすか
  3.2 30%目標は格差の解消につながるか
  3.3 非富裕層の学生のCPGE入学促進に必要な条件とは何か
  3.4 教育機会不均等はCPGEだけの問題か
 おわりに

第10章 フランス保守政権下の教員養成制度と教員に求められる能力[大津尚志・松原勝敏]
 はじめに
 1.IUFM設立当初の教員養成制度
  1.1 IUFMの設置の背景
  1.2 IUFMの設置
  1.3 IUFM設置の意義と残された課題
 2.保守政権下の教員養成・高等教育の動向
  2.1 ボローニャ宣言とフランスの高等教育
  2.2 2005年学校基本計画法(フィヨン法)の制定までの動向と教員養成
  2.3 フィヨン法の制定と教員養成
 3.教員養成のスタンダード
 4.「修士号要求」以降の教員養成
 5.修士号導入以降の教員養成
  5.1 初等教員採用試験
  5.2 中等教員採用試験――歴史・地理科を例として
 おわりに

第Ⅴ部 職業教育

第11章 フランス保守政権下における技術・職業教育の改革と実際[堀内達夫]
 はじめに
 1.技術・職業教育の制度
 2.職業教育の改革と動向
 おわりに

第12章 フランスおける技術・職業教育と高等教育との接続問題――数学教育、エンジニア科学教育、リセ技術教育課程改革をめぐって[上里正男]
 はじめに
 1.一般教育としての数学教育と専門教育との関連問題
  1.1 数学教育問題
  1.2 中等教育レベルのリセのテクニシャン養成と職業リセの熟練工養成における数学教育
  (1)リセにおける数学教育と職業教育との関連問題
  (2)職業リセにおける数学教育と職業教育との関連問題
  1.3 高等教育レベルのエンジニア養成と上級テクニシャン養成における数学教育
  (1)高等教育における一般教育と専門教育との関連問題
  (2)STSにおける数学教育と専門教育との関連問題
  (3)IUTにおける数学教育と専門教育との関連問題
  (4)大学の大学一期課程とグランド・ゼコール準備級(CPGE)における数学教育と専門教育との関連問題
  1.4 技術・職業教育と高等教育との接続問題
 2.テクノロジー教育からエンジニア科学教育へ――コレージュから高等教育までの接続関係
  2.1 テクノロジー教育
  2.2 エンジニア科学教育
 3.リセ技術教育課程の改革
  3.1 リセ改革
  3.2 STI2D教育
 おわりに

第Ⅵ部 インクルーシブ教育

第13章 フランスにおけるインクルーシブ教育導入をめぐる葛藤[坂倉裕治]
 はじめに
 1.フランスにおける障がい者教育小史
 2.2005年法の理念
 3.インクルーシブ教育をめぐる葛藤
 おわりに

第14章 インクルージョンという教育理念のあり方[池田賢市]
 はじめに
 1.障害者権利条約第24条の表現
 2.「合理的配慮」と意見表明権との関係
 3.「障害」・「差別」の定義
 4.2005年法の趣旨と具体策
 5.インクルージョンを実現するための施策
 6.運営上の課題
 7.市民概念の重要性
 8. おわりに

第Ⅶ部 社会教育・生涯学習

第15章 アニマトゥール(社会教育関係職員)の制度化と社会教育の発展[岩橋恵子]
 はじめに
 1.アニマトゥールの誕生とその背景
 2.アニマトゥール労働の広がりと社会的認知
  2.1 社会的労働者としてのアニマトゥール
  2.2 子ども・若者支援におけるアニマトゥール労働とその政策化
 3.アニマトゥールの基本的身分の確立
  3.1 全国労働協約による民間アニマトゥールの基本的身分の確立
  3.2 地方公務員アニマトゥールの誕生
 4.アニマトゥール資格免状の体系化と養成の組織化
 5.アニマトゥールの制度化にみるフランス社会教育の特徴
 おわりに

第16章 フランスにおける近年の生涯学習重点政策[岩崎久美子]
 はじめに
 1.人的資本政策
  1.1 人的資本論とは
  1.2 若年失業者問題
  1.3 継続職業教育・訓練へのアクセス強化
 2.社会的統合
 3.高齢者対策

 おわりに
 あとがき[岩崎久美子]
 索引

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