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水子供養 商品としての儀式
本体4,000円+税
ISBN 9784750345994
判型・ページ数 4-6・448ページ
出版年月日 2017/12/25

水子供養 商品としての儀式

近代日本のジェンダー/セクシュアリティと宗教

1970年代に始まり一時期ブームとなった水子供養を、米国の宗教学者が「商業主義」「ジェンダー」の側面に着目し分析。水子供養は宗派を超えた儀式であり、仏教だけでなく、新宗教や神道、霊能者などがその担い手であること、過去の仏教の中絶への理解と現代の水子供養とは大きな断絶があること、週刊誌等を使っての派手な宣伝活動により、女性の恐怖心や罪の意識をあおり、供養が商品化されたこと、その背景には胎児中心主義的レトリック、母性イデオロギー、ジェンダー間の対立があることなどが明らかにされる。
 謝辞
 はしがき

序章
 水子供養の歴史
 現代の枠組み

第一章 水子供養以前における生殖の儀式化
 江戸期における妊娠および出産の儀式化
 出産の儀式化における仏教の守護者の役割
 江戸期における宗教と子堕ろしと性文化
 産婆としてのみき
 国家による妊娠と出産の脱儀式化
 戦後における妊娠と出産の脱儀式化の完了
 まとめ

第二章 水子供養の実践と中絶の本質の変容
 優生保護法の施行
 戦後の中絶の三期区分
 戦後初期(一九四五‐五五年)
 高度経済成長期(一九五六‐七五年)
 一九七六年から現在まで――一〇代と中絶
 生長の家による中絶反対運動
 マスコミにおける「水子」
 水子供養の実践
 まとめ

第三章 現代の性文化における中絶
 はじめに
 事例と代表性との見極め
 第一節
 第二節
 まとめ

第四章 水子供養の担い手
 第一節 霊能者の水子供養実践
  慈恩寺――独立した仏教霊能者と水子供養
  水子とは誰か、そして彼らは何を望んでいるのか
  大規模な水子供養――圓満院
  水子供養大法要
  圓満院の信者の体験談
  新宗教・辯天宗の水子供養
 第二節 仏教僧侶と水子供養
 まとめ

第五章 四つの地域における水子供養
 現地調査の概要・目的・方法
 調査地の選定
 地域的なレベルでの解釈とマクロなレベルでの解釈
 水子供養における地域性
 男性の関与
 神社における水子供養
 修験道の寺および場所における水子供養
 まとめ

結論

 補遺1 日本仏教各宗派における水子供養の様式
 補遺2 岩手県遠野市について

 本書の意義
 監訳者あとがき
 文献一覧
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現代スピリチュアリティ文化論
 

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