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「社会的なもの」の人類学
本体5,200円+税
ISBN 9784750346021
判型・ページ数 A5・336ページ
出版年月日 2017/12/08

「社会的なもの」の人類学

フィリピンのグローバル化と開発にみるつながりの諸相

ネオリベラリズムによって全てが商品化され効率化される世界の中で、フィリピン社会のしぶとくたくましい人々のつながりから生まれつつある「社会的なもの」に、グローバル化時代の生の解放と規律化の両義的な可能性を見ようとする文化人類学的探究の書。
序章
 第1節 「社会的なもの」とは?
 第2節 「社会的なもの」の変容――問題の所在と意義
 第3節 「社会的なもの」と統治性――分析の視点
 第4節 「社会的なもの」の人類学――先行研究の整理
 第5節 「社会的なもの」とフィリピン――事例の位置づけ
 第6節 本書の構成と各章の概要


第1部 都市における貧困とクライエンテリズム的なつながり

プロローグ

第1章 侵食されるアソシエーション――スラムの土地供給事業とクライエンテリズム的なつながり
 第1節 マリキナ市の都市統治とマランダイ地区
 第2節 CMPとアソシエーション
 第3節 マランダイ地区におけるCMPの展開
 第4節 考察

第2章 さまよえる「人的資本への投資」――条件付現金給付政策と希求されるクライエンテリズム的なつながり
 第1節 フィリピンにおける4Psの概要
 第2節 マランダイ地区における4Psの事例――その包摂のあり方
 第3節 「人的資本への投資」の行方――さらなる周縁化、予期せぬ帰結、対抗的語り
 第4節 考察


第2部 海域社会における資源管理とコミュニティ的つながり

プロローグ

第3章 規律化するコミュニティ――海域資源管理の制度化のプロセス
 第1節 海域資源管理レジームを支える諸制度
 第2節 調査地集落の概要
 第3節 制度化の諸事例
 第4節 考察

第4章 開かれるコミュニティ――海域資源管理制度の文脈化のプロセス
 第1節 ナラ町漁業条例と集落の資源利用形態への影響
 第2節 集落における資源利用形態の再編
 第3節 「クロン/リコム複合」――新たな漁業複合の形成
 第4節 考察

第5章 海域の生計を支えるコミュニティ的つながり――ある漁師のライフヒストリーから
 第1節 「魚を追い求める大いなる競争」の時代とムロアミ漁
 第2節 活気あふれる漁村での新たな生活
 第3節 ネオリベラルな資源管理制度の浸透と資源の利用に関する制限
 第4節 鉱山とエコ・ツーリズムへの転身
 第5節 考察


第3部 トランスナショナルな社会的場における移動と親密なつながり

プロローグ

第6章 「草の根のトランスナショナリズム」と親密なつながり――ある出稼ぎ労働者の妻のライフヒストリーを中心に
 第1節 都市貧困層地区での生活と夫の海外出稼ぎ
 第2節 長男マルコの語るもう1つのバージョン
 第3節 ある海外出稼ぎ女性の死と遺族への補償
 第4節 レバノン紛争に巻き込まれた労働者の救出
 第5節 考察

第7章 差異化としての海外移住――ミドルクラス・プロフェッショナルのアイデンティティに注目して
 第1節 フィリピンのミドルクラス・プロフェッショナルと海外移住
 第2節 ミドルクラス・プロフェッショナルのアイデンティティとその両義性
 第3節 考察

第8章 葛藤のなかの「家族」――アメリカ合衆国におけるフィリピン系1.5世代移民のアイデンティティ
 第1節 子どもの移動と「家族」の表象
 第2節 1.5世代の移動の経験と感情の変遷――悲しみ、怒り、受容
 第3節 フィリピン系1.5世代移民のアイデンティティ――「自立/自律」、「相互依存性」、「関係的自己」の諸相
 第4節 考察

第9章 ゆるやかな連帯の可能性――ミドルクラスの両義的アイデンティティと「95年法」改正運動
 第1節 国家貧困対策委員会(NAPC)と「95年法」改正運動
 第2節 国家貧困対策委員会(NAPC)海外出稼ぎ労働者セクターにつどう人びと
 第3節 考察

終章 結論

 あとがき
 参考文献
 事項索引
 人名索引

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