ホーム > 性風俗世界を生きる「おんなのこ」のエスノグラフィ
性風俗世界を生きる「おんなのこ」のエスノグラフィ
本体3,000円+税
ISBN 9784750345482
判型・ページ数 4-6・280ページ
出版年月日 2017/08/10

性風俗世界を生きる「おんなのこ」のエスノグラフィ  新刊

SM・関係性・「自己」がつむぐもの

あるときカナダのコールガールの講演を聞く機会があり、性風俗世界で生きる女性たちに興味を抱くようになった著者は、論文執筆のために某都市のSMサービスを提供するデリバリーヘルスにスタッフの仕事を得て、フィールドワークを開始した。結果、43人のおんなのこたちから調査の確約を得て、おんなのこたちとの交流を深める。性的なサービスを提供する女性たちは、いったいどのような思いで、その仕事を選び、日々を過ごしているのか。彼女たちと日常をともにしながら、彼女たちの生存戦略を描き出した意欲作。
プロローグ 何が善で、何が悪かはわからない――性風俗で働く人々に興味を持ったわけ
 デリバリーヘルスY店で調査を始める
 「おんなのこ」とうちとけるまでの道のり
 43人の「おんなのこ」たちに話を聞く――調査の概要
 本書の構成と都市への着目

第1章 性風俗世界としてのY店
 Y店のコンセプトと営業形態
 独自性と戦略
 Y店の客
 Y店を取り巻く人々
 Y店の法的な位置づけ

第2章 「おんなのこ」として働く/をやめる/になれない/にならない
 女性たちが入店するまでの流れ
 「おんなのこ」として働きに出る
 「おんなのこ」をやめるとき
 「おんなのこ」になれない人
 「おんなのこ」にならない人

第3章 「遊び」としてのプレイがつむぐ
 Y店のプレイをどう捉えるべきか――人類学による性行為研究から
 Y店のプレイ
 客にとってのプレイ――「おんなのこ」による「変態」の理解を通じて
 「おんなのこ」が考える「本来」のSMプレイ――SとMの役割をめぐって
 「おんなのこ」が考えるY店のSMプレイ
 「おんなのこ」と客の協同で成立する「遊び」
 「遊び」と「本気」の境界線を「遊ぶ」

第4章 差異を作るゲームがつむぐ
 優子さんのケース
  1 プレイでのこだわり
  2 完璧であること
  3 客との関係における優子さんの経験
 桃さんのケース
  1 合わせるという戦略
  2 変わり続けること
  3 変わり続けても変わらずすること
  4 変わり続ける女としての経験
 カノ子さんのケース
  1 SMという「実験」開始
  2 独自の基準
 ヒカルさんのケース
  1 淡々とした姿勢
  2 接客の技法と仕事への姿勢
  3 過去に働いてきたお店
 ゲームの進め方で生じる過剰性と4人の「遊び」方

第5章 「笑い」がつむぐ
 頻繁に笑う「おんなのこ」
 笑いを通じて示される「自己」、読み取られる「自己」
 「おんなのこ」をつなぐ笑い
  1 新人と「おんなのこ」をつなげる笑い
  2 「おんなのこ」同士のつながりに見られる笑い
  3 一緒になって客を許容していく笑い
 「共同の想像体/態」形成を通じた客とのつながり
 客を個別性を有した存在として見ること
 自分のことも笑う
 「笑い」の複数性と連続性

第6章 都市に生きるということ――性風俗世界における部分的「自己」の切断と接合をめぐって
 近代的な「自己」
 関係性から成る包括的-多配列的「自己」
 都市的生活で可能となる「自己」
  1 都市で育むことのできる関係のモード
  2 都市的な部分的「自己」
 客との関係で「おんなのこ」が示す都市的-部分的「自己」

第7章 そして、「おんなのこ」になる
 「遊び」、ゲーム、「笑い」の関係性
 「遊び」-ゲーム-「笑い」を横断する都市的-部分的「自己」
 「おんなのこ」として行為すること、「おんなのこ」になること
 「わざ」磨きと「おんなのこ」
 「スタイル」の議論から「おんなのこ」になることを考える
 売春、セックスワーク/性労働の議論とそれに対する本書の立場及び意見

 エピローグ

補論 風営法にみる適法化をめぐる諸問題――性風俗世界という視点に向けて

 あとがき
 文献

同じジャンルの本

このページのトップへ