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「新」実存主義の思想
本体2,400円+税
ISBN 9784750344645
判型・ページ数 4-6・256ページ
出版年月日 2017/01/30

「新」実存主義の思想

全体主義に打ち克つ新たな哲学

前著『右傾化に打ち克つ新たな思想』に続く本書は、安保法制などにみられるように戦前の全体主義的思考方法の復活が危惧される日本の政治・社会状況において、「人間を起点とする社会哲学」をもった新たな実存主義の考え方を提唱するものである。

 まえがき

第1章 実存主義の哲学的拡大――「人間を起点とする社会哲学」と実存主義
  実存主義の哲学的拡大
  実存主義的発想と「かけがえのない人間」
  人間の真実存在に対する強すぎるこだわりと実存主義のジレンマ
  人間の真実存在追究は個人哲学に属する
  「かけがえのない他者」と「かけがえのない他者」を思いやる自己
  「かけがえのない他者」を思いやる自己と「人間を起点とする社会哲学」
  実存主義的発想から生まれる社会像
  これからの実存主義の役割と実存主義者の社会参加

第2章 全体主義の思想と新しい実存主義――マルクス主義哲学はどうして全体主義社会をもたらしてしまったのか
 (1)全体主義の思想が持つ一般的論理構造
  社会主義国型全体主義をもたらしたのは誰か
  全体主義社会が成立するための要素
  ルソーの一般意志の考え方と全体主義の思想が持つ一般的論理構造
 (2)ヘーゲル哲学と国家至上型全体主義・民族至上型全体主義
  ヘーゲルの弁証法は国家に至上の価値を与える
  ヘーゲル哲学が国家至上型全体主義社会をもたらした
  ヘーゲル哲学は民族至上型全体主義社会をももたらした
 (3)マルクスと階級至上型全体主義
  唯物史観は労働者階級に至上の価値を与える
  マルクス主義哲学がレーニンやスターリンを招き寄せた
  ヒューマニズムを神髄とする疎外論マルクスがどうして人間の尊厳を否定したのか
  本質存在としての人間を起点とする思考方法は規格外の人間を作り出す
  マルクス主義哲学はヒューマニズムを保障する社会を作ることはできない
 (4)新しい実存主義(「新」実存主義)と全体主義
  今後の社会変革の担い手となる思想
  哲学から変えなくてはならない
  全体主義は独裁とも民主主義とも両立する

第3章 日本人はあの戦争で何を反省しなくてはならなかったのか――日本型全体主義の考察
  もう戦争という言葉に逃げてはいけない
  絶対君主至上型全体主義
  日本型全体主義の担い手は誰か
  天皇を利用する忠臣
  絶対君主至上型全体主義社会における人間の尊厳
  もう「国体」を起点として考えてはならない
  忠臣はどうして生き残ったのか
  主権者たる国民はもう忠臣たちの意図するところを見抜けなくてはならない
  天皇はもう利用されてはならない
  日本人は沖縄や在日の人たちを下の人間と見ていないか

第4章 講演録・人間を起点とする社会哲学――その成立の背景と特徴
 (1)私の思考方法
  今日の方針
  自分の頭で考える
  考えた後で知る
 (2)人間を起点とする社会の図と基本的人権の図はどうして生まれたか
  人間を起点とする社会の図と基本的人権の図が生まれた背景
  『わたくしたちの憲法』について
 (3)「社会哲学と個人哲学の分離(社会哲学の独立)」はどのような意味を持つか
  社会哲学と個人哲学を分離して考えるという発想が生まれた背景
  社会哲学は再びロゴスの追究を可能にする
  社会哲学と個人哲学を分離することが持つ意味
  相対主義と人間の尊厳を侵す思想との対決
  「人間を起点とする社会哲学」と相対主義
 (4)人権革命と民主主義の発展
 おわりに

 [付録]日本国憲法改正私案

 あとがき

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