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キューバ現代史
本体2,800円+税
ISBN 9784750344577
判型・ページ数 4-6・320ページ
出版年月日 2016/12/25

キューバ現代史

革命から対米関係改善まで

共産主義国が次々と自由主義経済に舵を切るなか独自の社会主義体制を追求し続けるキューバは、断絶していた米国との国交を2015年ついに回復。カリスマ的指導者カストロ亡き後も革命の理念を貫くことができるのか。革命50年の歩みからその行く末を問う。

 はじめに――なぜキューバ革命は生きながらえることができたのか

第1章 モンカダ兵営襲撃からシエラ・マエストラへ
 1 革命の始まり
 (1)1953年7月26日 モンカダ兵営襲撃
 (2)なぜキューバ第一の兵営ではなく、第二の兵営を襲撃したのか
 2 キューバの歴史が示すもの――“何もできない”
 (1)米国の事実上の植民地としての独立
 (2)砂糖輸出割当制度は従属と低開発と貧困の元凶だった
 (3)砂糖を軸にあらゆる経済部門を支配する米国企業
 (4)マチャド独裁崩壊のあとでー失望に終わった改良主義時代
 3 メキシコからシエラ・マエストラへ
 (1)マルティ――「回避できる戦争を促進するのは犯罪である」
 (2)バティスタとの話し合いと米国の仲介に期待をかける既成政党
 (3)メキシコ――すべての勢力の結集とゲリラ戦争の準備と
 4 シエラ・マエストラの闘い
 (1)一握りのゲリラから
 (2)さまざまな勢力が蠢くなかで
 (3)4月ストライキ――ゲリラ部隊のヘゲモニー確立

第2章 革命勝利から社会主義宣言へ
 1 「ブルジョアジーの臭いがする政府」
 (1)ウルティア政権――無為のまま過ぎ去る日々
 (2)ミロ・カルドナ辞任劇――カストロの首相就任
 (3)ウルティア大統領辞任――7月26日運動社会変革派による権力掌握
 (4)農業改革法
 2 社会主義宣言
 (1)米国の封じ込め政策開始――ソ連が乗り出す
 (2)ソ連原油精製拒否事件――米系企業の本格的接収へ
 (3)プラヤ・ヒロン侵攻事件
 (4)共産党創立――米軍の直接侵攻に備えて
 3 マルティとカストロ
 (1)「キューバ精神」――マルティの思想と生き様
 (2)「人間は自由な存在である」
 (3)「知ることは自由になること」
 (4)「人種問題は存在しない」
 (5)「われらのアメリカ」「母なるアメリカ」
 (6)「マルクスは急ぎすぎた」
 4 ミサイル危機
 (1)映画『サーティーン・デイズ』を超えて
 (2)動き出した米軍侵攻
 (3)もしも公開して設置していたならば……
 (4)発覚
 (5)高まるキューバ空爆論
 (6)「ブラック・サタデー」にも侵攻の準備は続いた

第3章 キューバ風共産主義
 1 理想主義社会を目指して
 (1)それは物不足から始まった
 (2)閣僚もサトウキビ刈り取り労働者もあまり変わらない賃金
 (3)大論争(1962~65年)――発展途上国で一足飛びの社会主義化は可能か
 (4)「新しい人間」
 2 非常時態勢のもとで進んだ平等主義の制度化
 (1)急進的工業化政策の失敗、砂糖重視政策への回帰
 (2)1000万トン計画――中農と零細企業も国有化
 3 革命の変質か
 (1)パディージャ事件
 (2)全国教育文化会議
 (3)チェコ侵入事件――「ソ連化」か
 4 チェ・ゲバラ――なぜボリビアで死ななければならなかったのか
 (1)「第二、第三の、そして多くのベトナムを!」
 (2)ゲバラとキューバ革命
 (3)ボリビア・ゲリラ――「予告された死」

第4章 「ソ連化の時代」
 1 理想主義体制の失敗
 (1)混迷を極める経済運営
 (2)労働意欲の喪失
 2 第1回共産党大会――ソ連型政治経済体制の導入
 (1)カストロの自己批判――「ソ連化」のもとでいかにして固有性を守るか
 (2)独り歩きする「ソ連化」
 (3)新憲法――マルクス・レーニン主義が前面に
 (4)議会制度の発足
 (5)おずおずとした経済改革

第5章 「社会主義」を見直す
 1 1980年代――「キューバ社会主義」の転換期
 (1)「人間の多様性」の発見
 (2)なぜ、生活が向上しないのか
 (3)人種差別や性差別は本当になくなったのか
 (4)「フィデル・カストロと宗教」――宗教の「革命性」評価
 (5)映画『苺とチョコレート』――性的少数者の復権
 2 第3回共産党大会――社会の総点検へ
 (1)「経済自由化」を悪用した不正の蔓延――まずは「ソ連型体制」の見直しから
 (2)「革命の成果」も議論の俎上に
 (3)新しい体制の模索

第6章 ソ連解体の衝撃――「革命」の生き残りをかけて
 1 第4回共産党大会
 (1)ラウル・カストロの「呼びかけ」
 (2)第4回共産党大会開催――社会主義圏消滅の暗雲が広がるなかで
 (3)「国民生活を犠牲にして経済危機を克服しない」――新自由主義を拒否
 (4)1992年憲法――労働者の国家から「すべての人々とともに、すべての人々の幸せのための」の国家へ
 2 国民をいかに食べさせたか
 (1)「乏しきを分かち合う」
 (2)食料確保を最優先
 (3)輸出できるものはすべて輸出する
 3 制度改革の始まり
 (1)まずドル所有の自由化から
 (2)国有農場の解体――食料供給の増加に向けて
 (3)農産物自由市場(「農民市場」)の再開
 (4)個人営業の規制緩和
 (5)外資の積極的導入
 (6)規制緩和と規制強化の狭間で
 4 平等主義社会の解体
 (1)国民はどれだけおなかをすかせていたか――平均1780カロリー摂取の不思議
 (2)経済自由化が生み出す「貧困・所得格差・不正の横行」

第7章 「覚悟の決断」へ――“経済発展なくして「革命」なし”
 1 世界一厳しい制裁法
 (1)いつまでも続く経済低迷
 (2)ヘルムズ・バートン法
 2 「革命自壊」の危機
 (1)「フィデル・カストロの警告」
 (2)経済悪化の悪循環
 (3)止まらない不正
 (4)頭脳流出――キューバが誇る教育も医療も劣化
 3 発想の転換――第6回共産党大会
 (1)「革命と党の社会経済政策基本方針」
 (2)“キューバ風”社会主義体制
 (3)新移民法
 4 政治改革へ向けて
 (1)共産党改革
 (2)革命後世代への橋渡し役としてのラウル政権――進む若返り

第8章 21世紀のキューバ
 1 米・キューバ関係改善
 (1)突然の発表「D17」
 (2)2009年ルーガー報告――オバマ新政権に関係改善を提言
 (3)なぜ政策転換か
 (4)キューバ――“これで新しいシステムが機能する”
 (5)関係改善交渉から大使館開設へ
 2 新しいキューバ、新しい問題
 (1)「経済自由化」が貧困と格差をもたらす
 (2)頭をもたげる人種差別
 (3)後戻りする女性解放
 3 変容する社会――新しい取り組み
 (1)性的マイノリティの運動の発展
 (2)歴史観の見直し
 (3)「資本家マインドの拡大」対「知の社会」――「人間らしい社会」は実現できるか
 (4)キューバとラテンアメリカ

 主な参考文献
 キューバ史年表

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