ホーム > 戦争社会学
戦争社会学
本体3,800円+税
ISBN 9784750344294
判型・ページ数 A5・248ページ
出版年月日 2016/10/15

戦争社会学

理論・大衆社会・表象文化

2015年の日本社会学会大会シンポジウムのテーマ「戦争をめぐる社会学の可能性」をベースに、第一線の社会学者たちが、これまで社会学が正面から向き合ってこなかった「戦争」と社会学理論や現代社会・文化との関連などについて掘り下げて分析する。

序 戦争をめぐる社会学の可能性[関礼子]
 1.社会学はいかに戦争と向き合うか
 2.プログラムに書かれなかった「わたしの戦争体験――ピカドンが襲いかかった日」
 3.「わたしの戦争体験」が語らう「終わりなき戦争」
 4.社会学が戦争を主題化することの意味
 5.越境、表現、継承をめぐる社会学的応答

第1章 戦争と社会学理論――ホモ・ベリクス(Homo bellicus)の発見[荻野昌弘]
 1.社会学における戦争の不在
 2.戦争が生み出す社会変動

第2章 大衆社会論の記述と「全体」の戦争――総力戦の歴史的・社会的位格[野上元]
 1.はじめに――社会学における集合性の観察と「戦争」
 2.社会記述と戦争の理念型
 3.「総力戦」の起源
 4.「総力戦」としての2つの世界大戦
 5.総力戦論としての大衆社会論/大衆社会論としての総力戦論
 6.おわりに――「総力戦」の忘却と拘束力

第3章 モザイク化する差異と境界――戦争とジェンダー/セクシュアリティ[菊地夏野]
 1.はじめに
 2.戦争をジェンダーの視点で批判する
 3.行き詰まり
 4.境界を超える――セックス・ワーク論の変化
 5.戦争とフェミニズムの関係の変化
 6.新たな性の政治の登場
 7.おわりに

第4章 覆され続ける「予期」――映画『軍旗はためく下に』と「遺族への配慮」の拒絶[福間良明]
 1.「予期」への問い
 2.「遺族への配慮」をめぐる欲望
 3.「学徒兵の神話」の瓦解
 4.予期の転覆と美の虚飾
 5.記憶をめぐる「仁義なき戦い」

第5章 戦死とどう向き合うか?――自衛隊のリアルと特攻の社会的受容から考える[井上義和]
 1.古くて新しい
 2.「未来の戦死とどう向き合うか」をめぐる新しい文脈
 3.「祖国のために命を捧げる」というフィクショナルな準拠枠
 4.「過去の戦死とどう向き合うか」をめぐる新しい文脈
 5.過去の戦死と未来の戦死をどうつなぐか?

第6章 証言・トラウマ・芸術――戦争と戦後の語りの集合的な分析[エリック・ロパーズ]
 1.はじめに
 2.引揚者の歴史/「会」の起源
 3.歴史、証言、トラウマ
 4.ナラティブと表象的戦略
 5.読むこと、見ること、分析すること
 6.結論

第7章 戦後台湾における日本統治期官営移民村の文化遺産化――戦前・戦後の記憶の表象をめぐって[村島健司]
 1.はじめに
 2.吉野布教所から慶修院へ
 3.文化遺産化によって表象される記憶
 4.文化遺産化によって表象されない記憶
 5.おわりに

第8章 「豚」がプロデュースする「みんなの戦後史」――グローバルな社会と沖縄戦後史再編[関礼子]
 1.他人事でない戦後史の来歴
 2.愛郷心と無関心とが引き合って「海から豚がやってきた!!」
 3.演じられた沖縄戦後史
 4.「豚」から「豚」へと「奇跡は巡る」
 5.戦争とはグローバルな人の移動を隔てるもの――むすびに代えて

第9章 被爆問題の新たな啓発の可能性をめぐって――ポスト戦後70年、「被爆の記憶」をいかに継承しうるのか[好井裕明]
 1.観光地としての原爆ドーム
 2.2015年の映像作品から
 3.同伴者の実践を見直す意義
 4.原点を外さない「被爆の記憶」の継承とは

 あとがき――「怒り」をこそ基本に[好井裕明]

同じジャンルの本

このページのトップへ