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戦争孤児と戦後児童保護の歴史
本体3,800円+税
ISBN 9784750344058
判型・ページ数 A5・232ページ
出版年月日 2016/09/23

戦争孤児と戦後児童保護の歴史

台場、八丈島に「島流し」にされた子どもたち

戦後、戦争孤児と「浮浪児」の保護のために主要な役割を果たした児童保護施設。しかし、東京都の台場の「東水園」、八丈島の「武蔵寮」は、「特質浮浪児」の「隔離」を目的とした異質な施設であった。本書はその成り立ちと実態を詳細に調査し、児童保護の歴史の中に位置づける試み。

 はじめに

第一章 戦争孤児と「浮浪児」
 第一節 国と東京都における戦争孤児・「浮浪児」対策
  1 学童疎開と戦争孤児の発生
  2 「孤児」から「国児」へ
  3 「国児」から再び「弧児」へ
  4 東京都による「一斉収容」・「狩込」の開始
  5 応急的な収容保護所の設置
  6 「一斉収容」・「狩込」の改善の実態
 第二節 実態調査と地方福祉委員会審議
  1 収容児童に対する実態調査
  2 地方福祉委員会での審議
  3 施設整備に対する内部批判
  4 「緊急根絶」対策の内実
 第三節 「戦災孤児」・「浮浪児対策」と帝国議会
  1 衆議院議員・布利秋の訴え
  2 参議院議員による視察報告

第二章 東水園の歴史
 第一節 創設された警察署直轄の都立施設
  1 先行研究
  2 進駐軍召集による打合会
  3 水上警察署の二つの『年史』
  4 初代園長・高乗釋得
  5 港区広報
  6 警察署付設の施設開所日
  7 元収容児童の証言
  8 目黒若葉寮への集団移送
  9 処遇体制と処遇の実態
  10 幻の民生局直営構想
  11 報道人や文化人による取材
  12 「恰好の題材」に
 第二節 民間団体による管理・運営へ
  1 児童福祉法の公布・施行を目前にして
  2 東京都に対する港区議会の陳情
  3 第一台場への移転と戦災者救援会深川寮への委嘱日をめぐって
  4 途絶えることのない報道人・文化人の訪問
  5 「収容児童」の生活実態
  6 港区役所職員の慰問
  7 童話作家による探訪記事
  8 「脱走」による児童の溺死事件
  9 開園式
  10 学校教育の導入
  11 唐突な施設閉鎖の決断とその理由
  12 「分散収容」をめぐって
  13 閉鎖直前の逸話
 第三節 解明すべき課題
  1 民生局と警視庁の果たした役割
  2 進駐軍は何を見ていたのか
  3 港区の関わり
  4 養護施設としての認可問題
  5 児童相談所と児童福祉司はどう動いていたのか
  6 施設処遇の実態
  7 委嘱先の戦災者救援会深川寮の実態
  8 閉鎖=廃止をどう評価すべきか


第三章 武蔵寮の歴史
 第一節 武蔵寮の創設に関わった団体の歴史とその関係
  1 資料の在り処を求めて
  2 財団法人徳風会と武蔵野会をめぐる運営主体の関係
 第二節 武蔵農園の創業から武蔵寮の創設
  1 八丈島農場計画と当初における実績
  2 保田義男と創業の動機
  3 武蔵農園
  4 武蔵寮の創業と内部事情
  5 東京都民生局と八丈島警察署の支援
  6 東京出張所に対する機構整備の通達
  7 本部の撤退と東京支部の分離独立へ
 第三節 崩壊に至る道
  1 地元民を困惑させる問題行動
  2 社説による追及
  3 寮長の交替
  4 放火による施設全焼
  5 全員引揚げによる閉鎖
  6 当時の武蔵寮を知る島民の証言
 第四節 評価と課題
  1 教訓化されなかった小笠原島の府立感化院の失敗
  2 解明すべき課題

 あとがき

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