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パレスチナを知るための60章
本体2,000円+税
ISBN 9784750343327
判型・ページ数 4-6・412ページ
出版年月日 2016/04/10

パレスチナを知るための60章

1948年のイスラエル建国以降、中東の火種となってきたパレスチナ。70年近くに及ぶ難民キャンプの暮らし、あるいは「分離壁」に代表されるイスラエルの抑圧的な政策の下にあって、なおアイデンティティを求め続けるパレスチナの人々を描く。

 

【執筆者一覧】

板垣雄三(いたがき ゆうぞう)
1931年、東京生まれ。東京大学・東京経済大学各名誉教授。日本学術会議会員、アジア中東学会連合会長、日本イスラム協会理事長、など歴任。ユダヤ人問題とパレスチナ問題の連関、植民地主義の所産=イスラエル国家、など論及。『アラブの解放』(平凡社、1974年)、『石の叫びに耳を澄ます』(平凡社、1992年)、『復刻版〈パレスチナ問題を考える〉シンポジウムの記録』(第三書館、2012年)、など。

今井宏平(いまい こうへい)
日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員。現代トルコの外交を国際関係論の視点から考察している。とりわけ、トルコにおいて2002年から第一党の座を維持している公正発展党が進める西洋と中東を軸に展開する外交政策とその行動原理の解明に取り組んでいる。主な著作として、『中東秩序をめぐる現代トルコ外交』(ミネルヴァ書房、2015年)がある。

今井静(いまい しづか)
日本学術振興会特別研究員(PD)。中東地域研究、国際関係論、ヨルダン政治経済。主な著作に「ヨルダンの対イラク貿易と経済社会構造の変容――1970年代から80年代を中心に」(『日本中東学会年報』28(1)、2012年)、「ヨルダンにおけるシリア難民受入の展開――外交戦略としての国際レジームへの接近をめぐって」(『国際政治』178、2014年)。

今野泰三(いまの たいぞう)
日本国際ボランティアセンターパレスチナ事業現地代表、大阪市立大学院都市文化研究センター研究員。パレスチナ/イスラエル地域研究、中東政治学、政治地理学。主な著作に「ユダヤ人入植者のアイデンティティと死/死者の表象――ナラティブと墓石・記念碑の分析」(『日本中東学会年報』26(2)、2011年)、「宗教シオニズムの越境――ヨルダン川西岸地区の『混住入植地』を事例として」(『境界研究』5、2015年)、「政治・外交的視点からの脱却――実践主義的側面から見るオスロ和平プロセス」(今野泰三・鶴見太郎・武田祥英編『オスロ合意から20年――パレスチナ/イスラエルの変容と課題』NIHUイスラーム地域研究・東京大学拠点、2015年)。

岩浅紀久(いわあさ としひさ)
日本IBMおよびPhiips Co.勤務の後、ITエンジニアリング研究所を設立。JICAのパレスチナ中小企業支援プロジェクトの専門員として現地調査を実施。ジェリコに企業団地建設を提案し、建設途上にある。東京大学東洋文化研究所パレスチナ研究会メンバー。

臼杵陽(うすき あきら)※編著者プロフィールを参照

臼杵悠(うすき はるか)
一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程在籍中。専門はヨルダンを中心とした中東社会経済研究。学部生のころ、日本国際ボランティアセンター(JVC)パレスチナ事業でのボランティア活動をきっかけに本格的にパレスチナに興味をもつ。現在、松下幸之助記念財団の留学助成によりパレスチナ系住民の多いヨルダンにて、統計局に所属しマイグレーションと経済の関係をテーマに2年の長期滞在中。

鵜戸 聡(うど さとし)
鹿児島大学法文学部准教授。アルジェリアやレバノンなどフランス語圏を中心に中東・北アフリカの文学を研究。日本の演劇祭でアラブ演劇の翻訳・解説などにも従事し、そのラディカルさにいつも圧倒されている。共著に『シリア・レバノンを知るための64章』(黒木英充編、明石書店、2013年)など。

宇野昌樹(うの まさき)
広島市立大学国際学部教授。文化人類学、中東地域研究。主な著作に「アラブの春とイスラエルの核」(高橋伸夫編『アジアの「核」と私たち――フクシマを見つめながら』東アジア研究所講座、慶應義塾大学東アジア研究所、2014年)、「あるレバノン家族から垣間見えるアラブの女性像」(福原裕二・吉村慎太郎編『現代アジアの女性たち――グローバル社会を生きる』新水社、2014年)、「世界に散らばるレバノン系・シリア系移民――グローバル化と移民、出稼ぎ労働者、難民のはざまで」(堀内正樹・西尾哲夫編『〈断〉と〈続〉の中東――非境界的世界を游ぐ』悠書館、2015年)。

江﨑智絵(えざき ちえ)
防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授。中東の国際関係・安全保障論、パレスチナ問題。主な著作に『イスラエル・パレスチナ和平交渉の政治過程分析――オスロ・プロセスの展開と挫折』(ミネルヴァ書房、2013年)、「紛争と危機管理政策――国際交渉学の観点から」(伊東孝之監修、広瀬佳一・湯浅剛編『平和構築のアプローチ――ユーラシア紛争研究の最前線』吉田書店、2013年)、「アラブ諸国の政治変動における軍と武装非国家主体の台頭」(『国際安全保障』43(3)、2015年)。

大伴史緒(おおとも しお)
筑波大学大学院人文社会科学研究科・博士課程。パレスチナ・イスラエルの経済。

大澤小枝(おおさわ さえ)
UNICEFスーダン教育担当官(2016年3月現在)。ロンドン大学にて「中東の歴史・外交」と「教育計画」の分野で修士を取得。UNRWAやUNESCO、NGOでヨルダン、レバノン、ガザのパレスチナ難民の教育に10年以上関わる。将来的には再びパレスチナの子どもたちの教育に貢献したいと思っている。

川上泰徳(かわかみ やすのり)
中東ジャーナリスト。元朝日新聞中東特派員。1994年、カイロ特派員となり、パレスチナ自治の始まりを取材。2001~02年はエルサレム特派員として第2次インティファーダとイスラエル軍のヨルダン川大侵攻を取材。2015年、フリーランスになり、パレスチナ問題は主要テーマの一つ。主な著作に『中東の現場を歩く――激動20年の取材のディテール』(合同出版、2015年)、『イスラムを生きる人びと――伝統と「革命」のあいだで』(岩波書店、2012年)。

神﨑雄二(かんざき ゆうじ)
日本聖公会東京教区司祭。1974年にテルゼロールでの発掘に参加した。しかしユダヤ人農業学校に滞在していたのでパレスチナ側の視点をまるで欠き、何も現実が見えなかった。2002年に2か月間中東聖公会エルサレム教区の聖職・信徒に伴われ、パレスチナ・イスラエル各地の教会・施設を巡り、パレスチナ人の苦難を目の当たりにした。以来両教区間の相互訪問を繰り返している。

金城美幸(きんじょう みゆき)
日本学術振興会特別研究員RPD。パレスチナ/イスラエル史学。主な著書に「破壊されたパレスチナ人村落史の構築――対抗言説としてのオーラルヒストリー」(『日本中東学会年報』30(1)、2014年)。日本国籍をもつがそのルーツは東アジア全域に及ぶ。(父方祖父は日帝統治時代の朝鮮から、祖母は済州島4・3事件を逃れて渡来。日本軍医だった母方祖父は中国大陸で国民党幹部の捕虜となり、その娘だった祖母と結婚し、第二次国共内戦後の台湾脱出を経て渡来。)帝国主義・植民地主義、その後の境界画定による人々の追い立ての経験に強い関心がある。二児の母。

小池絢子(こいけ あやこ)
特定非営利活動法人WE21ジャパン民際協力室。フィリピンにおけるコミュニティ開発、ネットワークを通じた市民活動、アジア太平洋地域における国際関係。

小阪裕城(こさか ゆうき)
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程。長野県短期大学多文化コミュニケーション学科国際地域文化専攻助教。歴史学(国際史/20世紀アメリカ史)。主な著作に「アメリカ・ユダヤ人委員会とイスラエル――建国の余波のトランスナショナル・ヒストリー」(『歴史評論』792,2016年)、「黒人運動の『外交』――全米黒人向上協会(NAACP)、国際連合と冷戦」(足羽與志子・中野聡・吉田裕編『平和と和解――思想・経験・方法』旬報社、2015年)、「『ユダヤ人問題』の解を求めて――アメリカ・ユダヤ人委員会,国際人権とイスラエルの建国 1942~1948年」,(『国際政治』176、2014年)。

児玉恵美(こだま えみ)
日本女子大学文学研究科史学専攻博士課程前期。中東現代史、研究テーマは、レバノンの離散パレスチナ人による祖国解放運動(1969~1982年)において、難民キャンプの離散パレスチナ人が祖国帰還を願って、武装闘争に身を投じたプロセス。

小林和香子(こばやし わかこ)
日本国際ボランティアセンターエルサレム事務所、国連開発計画エルサレム事務所、国際協力機構パレスチナ事務所、外務省国際協力局などに勤務。中東和平、平和構築、国際協力。主な著作に,『ガザの八百屋は今日もからっぽ――封鎖と戦火の日々』(めこん、2009年)、「パレスチナ難民問題と解決の可能性の模索」(『現代の中東』48、2010年)、“International Court of Justice Advisory Opinion on the Wall and Its Influence on the Israel-Palestine Peace Process,”Journal of the Graduate School of Asia-Pacific Studies, No. 13 (2007.6) pp.219-240.

是恒香琳(これつね かりん)
日本女子大学文学研究科史学専攻博士課程前期。著書に『日本女子大学生の世の中ウォッチ』(パド・ウィメンズ・オフィス、2014年)。切り抜き情報誌『女性情報』(パド・ウィメンズ・オフィス)に連載中。元イスラエル兵士らにインタビューしたドキュメンタリー映画『沈黙を破る』(土井敏邦監督、2009年)をきっかけに、パレスチナ問題に関心を持っている。

近藤重人(こんどう しげと)
日本エネルギー経済研究所中東研究センター研究員。サウジアラビア、クウェートの政治・外交、中東現代史。主な著作に「サウディアラビアのパレスチナ政策とアメリカ――1945――1948年」(『法学政治学論究』101、2014年)。アラブ和平イニシアティブというサウジアラビアが力を入れている中東和平提案に関心がある。

澤口右樹(さわぐち ゆうき)
東京大学大学院総合文化研究科修士課程。イスラエル政治を読み解くことで、イスラエルがパレスチナなどの周辺国との間に抱える暴力の原因を明らかにすることが主な関心。とりわけ、イスラエル外交を研究対象としている。現在は、なぜイスラエル国内の紛争の犠牲者がより「他者」への態度、働きかけ、支持政策が強硬なものを好むのかをテーマとして研究中。

塩塚祐太(しおつか ゆうた)
対パレスチナ自治政府日本政府代表事務所(在ラーマッラー)元草の根人間の安全保障無償資金協力調整員(2012~2015年)。学生時に国際NGO日本国際ボランティアセンターでのインターンを通してパレスチナ支援に関わり、パレスチナ自治区ビールゼイト大学に8カ月間留学(2011年)。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。現地の人びとの視点から、パレスチナ/イスラエル問題における国際援助の構造や影響力について学ぶ。

清水雅子(しみず まさこ)
上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科特別研究員(PD)。中東現代政治。主な著作に「『変革と改革』としてのハマース――パレスチナにおける武装抵抗運動の選挙参加」(『日本中東学会年報』27(2)、2012年)、「パレスチナの政治変動は執政制度の役割にいかに影響したか――ハマース政権樹立から自治政府の分裂に至る政治過程(2006――2007年)を事例に」(『Aglos: Journal of Area-Based Global Studies』3、2012年)、「制度の意図せざる結果としてのハマース与党化」(今野泰三・武田祥英・鶴見太郎編『オスロ合意から20年――パレスチナ/イスラエルの変容と課題』人間文化研究機構「イスラーム地域研究」東京大学拠点パレスチナ班、2015年)。

菅瀬晶子(すがせ あきこ)
国立民族学博物館准教授。ガリラヤ地方やベツレヘム周辺のアラブ人キリスト教徒コミュニティや、アル・ハディルと呼ばれる聖者への崇敬について調査し続けている。修道院の料理人だった友人から学んだアラブ料理の腕と知識は、現地の人々にも負けないと自負。最近は20世紀前半、パレスチナ初の新聞『カルメル』の主筆として活躍したナジーブ・ナッサールに注目している。主な著作に『イスラームを知る6 新月の夜も十字架は輝く――中東のキリスト教徒』(山川出版社、2010年)、“The beginnings of a new coexistence: a case study of the veneration of the Prophet Elijah (Mar Ilyas) among Christians, Muslims and Jews in Haifa after 1948’in Rowe, Dyck and Zimmermann (eds.), Christians and the Middle East Conflict, pp.84-98. London and New York: Routledge.2014などがある

鈴木隆洋(すずき たかひろ)
何も時計台に翻る「竹本処分粉砕」の六文字に憧れて入学したわけではないが、気がつけば私は「咲いた咲いた赤白黄色どのヘルメット見てもキレイだな」という大学にいた。結局活動することも逮捕されることもなく学究の道へ入ってしまったわけだが、「倫理主義でも単なる知識の蓄積でもない研究」を志した理由はイラク戦争当時に覚えた葛藤にあるのだろう。主な翻訳にマンデラ『自由への容易な道はない』(峯陽一監訳、青土社)。龍谷大学短期大学部非常勤講師。

鈴木啓之(すずき ひろゆき)※編著者プロフィールを参照。

清田明宏(せいた あきひろ)
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)保健局長、世界保健機関特別代表(対UNRWA)。国際保健、公衆衛生、医療システム管理、結核対策。主な著作に『ガザ――戦争しか知らないこどもたち』(ポプラ社、2015年)、パレスチナ難民のいのちと健康:国連パレスチナ難民救済事業機関の地域ケア(保健福祉学)、“Governing the reform of the United Nations health systems for Palestine Refugees: Moving mountains,”Governing Health Systems For Nations and Communities Around The World. Edited by Michael Reich, Keizo Takemi. Harvard School of Public Health. Lamrey & Lee. 2015.

高岩伸任(たかいわ のぶただ)
一橋大学非常勤講師。中東社会経済史。

武田祥英(たけだ よしひで)
千葉大学大学院人文社会科学研究科博士後期課程。委任統治終了までのイギリス政府の対中東政策と、イギリスにおけるユダヤ教徒の政府との関係が専門。ド・ブンセン委員会報告書(CAB27/1)が第一次世界大戦期の中東分割政策に与えた影響と報告書の歴史的再評価、および当時イギリスで主流派だった反シオニストのユダヤ教徒の外交活動について研究。

田浪亜央江(たなみ あおえ)
成蹊大学アジア太平洋研究センター主任研究員。中東地域研究、パレスチナ文化研究。主な著作に『対テロ戦争と現代世界』(共著、御茶の水書房、2006年)、『〈不在者〉たちのイスラエル――占領文化とパレスチナ』(インパクト出版会、2008年著)、『変わるイスラーム社会』(共著、明石書店、2016年)。


田村幸恵(たむら ゆきえ)
津田塾大学国際関係研究所研究員。歴史的な事象として名望家を中心とした青年団体およびイスラーム組織による経済・政治的な活動を含めた社会維持機能に関心を寄せ、遡ってオスマン帝国末期のパレスチナ研究の必要性を痛感。上記団体の貧困緩和に果たす役割があるのではと思案する。「ムスリム青年協会パレスチナ支部による労働組合の組織――1920年代後半からアラブ労働者統一会議まで」(『イスラーム世界』68、2007年)、「インタビュー調査から見るパレスチナのNGO――PNGOによる草の根団体活用と地方における活動」(『津田塾大学国際関係学科ワーキングペーパーシリーズ』6、2007年)、 「二つの帝国の間で――パレスチナにおける大戦の経験と支配の貫徹(仮)」(永原陽子編『植民地世界から見た第一次世界大戦』ミネルヴァ書房、2016年刊行予定)。

鶴見太郎(つるみ たろう)
東京大学大学院総合文化研究科准教授。社会学、ロシア・ユダヤ史・シオニズム史。主な著作に『ロシア・シオニズムの想像力――ユダヤ人・帝国・パレスチナ』(東京大学出版会、2012年)、「旧ソ連系移民とオスロ体制――イスラエルの変容か、強化か」今野泰三・鶴見太郎・武田祥英編『オスロ合意か20年――パレスチナ/イスラエルの変容と課題』NIHUイスラーム地域研究、2015年、“Jewish Liberal, Russian Conservative: Daniel Pasmanik between Zionism and the Anti-Bolshevik White Movement,”Jewish Social Studies 21(1), 2015.

土井敏邦(どい としくに)
1953年佐賀県生まれ。ジャーナリスト。1985年以降、パレスチナ・イスラエルを取材。主な著作に『占領と民衆――パレスチナ』(晩聲社、1988年)、『アメリカのユダヤ人』(岩波書店、1991年)、『アメリカのパレスチナ人』(すずさわ書店、1991年)、『「和平合意」とパレスチナ――イスラエルとの共存は可能か』(朝日新聞社、1995年)、『パレスチナの声、イスラエルの声――憎しみの“壁”は崩せるのか 現地ルポ』(岩波書店、2004年)、『沈黙を破る――元イスラエル軍将兵が語る“占領”』(岩波書店、2008年)、『ガザの悲劇は終わっていない――パレスチナ・イスラエル社会に残した傷痕』(岩波ブックレット、2009年)など。ドキュメンタリー映画『届かぬ声――パレスチナ・占領と生きる人びと』(全4部作、す4作が『沈黙を破る』2010年)、『ガザ攻撃 2014年夏』(2014年)、『ガザに生きる』(全5部作、2015年)など。

飛奈裕美(とびなひろみ)
京都大学学際融合教育研究推進センター・特定講師。パレスチナ・イスラエル地域研究。

長沢栄治(ながさわ えいじ)
東京大学東洋文化研究所教授、パレスチナ学生基金(ヨルダンの「ガザ難民」大学生に学費を支援)理事長。中東地域研究、近代エジプト社会経済史。主な著書に、『アラブ革命の遺産 エジプトのユダヤ系マルクス主義者とシオニズム』(平凡社、2012年)、『エジプト革命 アラブ世界変動の行方』(平凡社新書、2012年)、『エジプトの自画像 ナイルの思想と地域研究』(平凡社、2013年)。

長沢美沙子(ながさわ みさこ)
翻訳家。パレスチナ問題研究家。中東・パレスチナを中心とした情報誌の編集を経て、パレスチナ人の人権回復と共存と平和を求めるユダヤ人の発行する情報誌(I&P誌)等の日本の窓口として「I&Pフレンズ」代表などを務めた。音楽・美術を通じた中東世界と日本の文化交流の企画、中東・パレスチナ問題に係るシンポジウムや講演会等の企画やコーディネートを多数手がけるとともに、BDS運動にも関心を寄せている。

並木麻衣(なみき まい)
東京外国語大学外国語学部アラビア語専攻在学中の2006~2007年、ヨルダン川西岸地区ビールゼイト大学およびエルサレムのヘブライ大学に留学。アラビア語パレスチナ方言、ヘブライ語に加え、二つの視点からパレスチナ問題を学びながら、草の根の人々の切実な思いに触れる。2013年より、日本国際ボランティアセンターにてパレスチナ事業担当に就任。現地の人々の等身大と体温を日本に伝えたいと願いながら、双方の心が繋がる事業を目指して日々奮闘中。

南部真喜子(なんぶ まきこ)
東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程在籍中。近現代パレスチナ・イスラエル地域研究。イスラエルの占領に対する抵抗のなかで逮捕投獄されているパレスチナ政治囚人の問題について研究を進めている。現在はエルサレムに現地調査のため留学中。グラフィティやポスターなど日常の生活空間に民意や記憶、アイデンティティがいかに表出されているかにも関心を持ちながら過ごしている。

錦田愛子(にしきだ あいこ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授。主な著作に『ディアスポラのパレスチナ人――「故郷(ワタン)」とナショナル・アイデンティティ』(有信堂高文社、2010年)、『移民/難民のシティズンシップ』(編著、有信堂高文社、2016年)など。パレスチナ/イスラエル紛争の和平と難民問題への関心に始まり、ヨーロッパのアラブ系移民/難民についても共同研究を進めている。

服部修(はっとり おさむ)
2016年3月現在、エルサレム在住。パレスチナ難民を支援する国連機関に勤務し、日本・アジア諸国との渉外を担当。仕事や日常生活を通じ、ヨルダン川西岸地区やガザ地区を訪問。パレスチナの実生活を肌で感じ、難民キャンプではパレスチナ難民が直面する苦悩に胸が痛む。経験を通じて感じるパレスチナ問題の深さを如何にして多くの日本やアジアの方々に伝えられるか反芻している。

藤屋リカ(ふじや りか)
慶應義塾大学看護医療学部専任講師。NGO駐在員としてパレスチナ母子保健プロジェクトに7年間携わり、2002年に日本国際ボランティアセンター(JVC)パレスチナ緊急医療支援に参加。04年からJVCパレスチナ事業による子どもの栄養改善、保健、収入創出等を担当した。11年より現職。主な著作に「パレスチナ、誇りと希望を胸に」(JVC著『NGOの選択――グローバリゼーションと対テロ戦争の時代に』めこん、2005年)、“The influence of economic factors on the location of birth among Palestinian women in Bethlehem during the second Palestinian uprising,”Tropical Doctor 2007. 37 (1) 13-8.

古居みずえ(ふるい みずえ)
アジアプレス・インターナショナル所属。JVJA会員。1988年よりイスラエル占領地を訪れ、パレスチナ人による抵抗運動・インティファーダを取材。パレスチナの人々、特に女性や子どもたちに焦点をあて、取材活動を続けている。映画『ガーダ パレスチナの詩』(2007年)、『ぼくたちは見た ガザ・サムニ家の子どもたち』(2011年)、『飯舘村の母ちゃんたち 土とともに』(2016年)を制作。主な著作に『インティファーダの女たち――パレスチナ被占領地を行く《増補版》』(彩流社)、『ガーダ 女たちのパレスチナ』(岩波書店)、『ぼくたちは見た――ガザ・サムニ家の子どもたち』(彩流社)、『パレスチナ――戦火の中の子どもたち』(岩波書店)、写真集『瓦礫の中の女たち』(岩波書店)。

細田和江(ほそだ かずえ)
中央大学政策文化総合研究所準研究員。イスラエル・パレスチナ文化。主な著作に,「犠牲と贖罪の芸術」(エルメス財団『シガリット・ランダウ展カタログ』2013年)、「イスラエルにおける少数派の文学言語――アラブ人作家アントン・シャンマースとサイイド・カシューアのヘブライ語選択」(『中央大学政策文化研究所年報』17、2014年)。

皆川万葉(みながわ まよ)[23]
フェアトレード団体「パレスチナ・オリーブ」代表。1998年よりガリラヤ地方のオリーブオイル、ナーブルスのオリーブ石鹸、イドナ村女性組合の刺繍製品などを輸入、全国に販売。パレスチナのいいモノと一緒に人々の暮らしを伝えたい、という思いから通信『ぜいとぅーん』を発行。パレスチナの生産者団体や日本で購入している人々と一緒にオルタナティヴな経済・社会を作り、現状を変えていきたいと活動している。http://www.paleoli.org


村上大介(むらかみ だいすけ)
産経新聞論説副委員長。読売新聞記者として1990~91年の湾岸危機・戦争を取材。91~95年、初代エルサレム特派員として和平プロセスを取材。拓殖大学海外事情研究所客員研究員を経て97年9月、産経新聞社入社。99~2004年、06~10年、中東支局長(カイロ)。外信部長などを経て、現職。

役重善洋(やくしげ よしひろ)
大学非常勤講師。NGO「パレスチナの平和を考える会」事務局長。主な著作に『脱「国際協力」――開発と平和構築を超えて』(共著、新評論、2011年)、『終わりなき戦争に抗う――中東・イスラーム世界の平和を考える10章』(共著、新評論、2014年)、「内村鑑三の再臨運動におけるシオニズム論と植民地主義」(『人間・環境学』21、2012年)。

山縣良子(やまがた よしこ)
東京外国語大学卒業後、1984年~1987年ヨルダンに滞在する機会を得て、ヨルダン大学でアラビア語を学ぶ。滞在期間中SAMEDで働くライラ・ハーリディーさんに出会い、民族衣装に施されたパレスチナ刺繍を学ぶ。その後自らもモチーフを刺繍してパレスチナ刺繍の復元に努め、約200近くのモチーフをCD-ROM化している。現在は地域の独自性が生まれた社会的経済的要因や伝承などに関心を持つ。

山田しらべ(やまだ しらべ)
パレスチナのフェアトレードNGO、Sunbula事務局長。97年よりカリフォルニア州のNGO団体Global Exchangeのスタディーツアーのコーディネーターとして定期的にパレスチナを訪れ始める。その後現地に移り住み、Alternative Information Centerなどの団体勤務を経て2005年より現職。ベツレヘムの難民女性によるオリーブ石鹸製造販売プロジェクト、アシーラ女性組合の設立メンバーでもある。コロンビア大学院国際関係学修士号取得。

山本薫(やまもと かおる)
東京外国語大学ほか非常勤講師。アラブ文学。主な著作に『現代パレスチナ文化の動態研究――生成と継承の現場から』(共著、科研費成果報告書、2015年)、“Writing the Civil War: Lebanese Writers' Perspectives on a Precarious Coexistence,” Human Mobility and Multiethnic Coexistence in Middle Eastern Urban Societies 1: Tehran, Aleppo, Istanbul, and Beirut, ed. by Hidemitsu Kuroki, ILCAA, 2015、エミール・ハビービー『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(翻訳、作品社、2006年)。

山本健介(やまもと けんすけ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(五年一貫博士課程)。中東地域研究を専門とし、なかでもパレスチナ問題における宗教的要素に関心を持っている。現在は、エルサレムやヘブロンなど、複数の宗教的伝統が重複する聖地をめぐる競合に注目し、見逃されがちなパレスチナ人の抵抗に焦点を当て、聖地の問題に固有な要素の解明を試みている。

屋山久美子(ややま くみこ)
ヘブライ大学人文学部博士課程(民族音楽学音楽専攻)修了。在学中よりパレスチナ人ウード奏者ハビーブ・ハンナ、ニザール・ロハナに師事。2004年エルサレムのシリア・アレッポ系ユダヤ人の宗教音楽に関する論文でPhD取得。ヘブライ大学アジア学科非常勤講師を務め、翻訳や通訳などに従事。20年来エルサレムを拠点に現在進行形のパレスチナ人たちの音楽文化を追い、北アフリカから中央アジア地域まで広がる「マカーム」による音楽を探求する。

吉年誠(よしとし まこと)
一橋大学社会学研究科助手。パレスチナ地域研究、国際社会学。

渡邊祥子(わたなべ しょうこ)
日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員。博士(学術)。アルジェリア、チュニジア、モロッコを中心とするマグリブ(西アラブ)地域の近現代史を研究。エジプト以東のマシュリク(東アラブ)地域とマグリブ地域の交流史、特に、パレスチナ問題に関するマグリブのイスラーム知識人やナショナリストの言説と活動に関心がある。

渡辺真帆(わたなべ まほ)
東京外国語大学外国語学部アラビア語専攻卒業(2016年3月)。在学中、ヨルダン川西岸地区ビールゼイト大学に1年間留学。ナーブルスとホロンで調査を行い、1948年以降のパレスチナ/イスラエル地域におけるサマリア人共同体の持続要因を研究した。パレスチナと日本の演劇人による共同創作やアラブ人アーティストの来日公演等で通訳・翻訳・字幕スタッフを務める。

 はじめに


Ⅰ パレスチナ イメージと実像

第1章 パレスチナとはどこか――アイデンティティの拠り所を考える
第2章 世界に離散するパレスチナ人――繰り返される移動
第3章 パレスチナ人はどんなところに住んでいるのか――難民キャンプから「持ち家」へ
第4章 パレスチナ人は何を食べているのか――オスマン時代から続く伝統的食文化
 【コラム1】パレスチナの家庭料理――ひと手間が引き出すおいしさと家庭の誇り
第5章 パレスチナのイエと社会――パレスチナ人のアイデンティティ/39
 【コラム2】結婚式
第6章 キリスト教徒として生きる人々――多様な宗教文化
第7章 ドゥルーズ派の人々――イスラエルとアラブのはざまで
 【コラム3】「3652年間この地に生きる」サマリア人
第8章 失われた多様性――つくられた「マイノリティ問題」
第9章 ハリウッド映画のパレスチナ人像――捏造される「悪いアラブ」
 【コラム4】映画『ミュンヘン』――9・11後のアメリカ社会とパレスチナ問題
第10章 日本人キリスト教徒のパレスチナ・イメージ――パレスチナへの無関心は何によるのか
第11章 『オリエンタリズム』の衝撃――日本でのエドワード・サイード受容


Ⅱ 歴史

第12章 オスマン帝国時代のパレスチナ――蒔かれた紛争の種
第13章 イギリスによる支配――パレスチナ委任統治期
 【コラム5】ド・ブンセン委員会――イギリス中東分割政策の青写真
第14章 パレスチナ難民はなぜ生まれたか――忘却されるナクバ
第15章 イスラエルに残ったパレスチナ人――差別・分断と新たな機運
第16章 アラブ・ナショナリズムとパレスチナ・ナショナリズム――シュカイリー初代PLO議長
第17章 パレスチナ解放運動の昂揚――ヤーセル・アラファートとパレスチナ解放機構(PLO)
第18章 アラブ諸国との軋轢――黒い9月とレバノン内戦
第19章 石の蜂起――幻の独立宣言から孤立へ
 【コラム6】アメリカン・コロニーの変遷
第20章 オスロ和平プロセス――誕生・展開・挫折
第21章 なぜパレスチナ人はハマースを支持するのか――暫定自治政府の限界
 【コラム7】アフマド・ヤースィーン――創設者が描いたハマースの原点と広がり


Ⅲ 生活と文化

第22章 ヘブロンの都市生活――イスラーム的伝統の復興
第23章 オリーブと生きる――土地とのつながり、人々の暮らしの象徴
 【コラム8】パレスチナのビール・ワイン
第24章 パレスチナの刺繍――モチーフが映し出すパレスチナ
 【コラム9】パレスチナの衣装
第25章 難民女性ガーダ――占領と強権の圧力に抗する
第26章 「同胞の“痛み”を我が“痛み”として生きる」――人権活動家ラジ・スラーニとその活動
第27章 タブーに挑む――パレスチナ人ジャーナリストの挑戦
 【コラム10】パレスチナ映画――パレスチナ人の実存の視覚的オルタナティブ
第28章 パレスチナ演劇――「失われた」言葉を取り戻す
 【コラム11】パレスチナの踊り「ダブケ」
第29章 パレスチナ文学――ナクバから生まれた言葉の力
 【コラム12】言葉の「ナクバ」――ヘブライ語で書くパレスチナ人作家
第30章 ウード弾きたちの挑戦――伝統音楽から新しい地平へ
第31章 ポピュラー音楽――革命歌からラップまで
 【コラム13】パレスチナ系アメリカ人のコメディアン


Ⅳ 世界の中のパレスチナ

第32章 国連の難民救済事業――UNRWAの活動
 【コラム14】第一次中東戦争に参加した北アフリカ義勇兵
第33章 アメリカのパレスチナ関与――歴代大統領はパレスチナをどう見てきたか
第34章 ソ連・ロシアの対パレスチナ政策――放置されるロシアの飛び地
第35章 パレスチナ国家の承認――紛争解決の模索
第36章 大国エジプトの変節――宗教、帝国主義、民族主義、そして新しい時代へ
 【コラム15】ガザ難民――二人の女子学生と出会って
第37章 隣国ヨルダンの歩み――紛争の展開と国家像の模索
第38章 シリア・レバノンのパレスチナ人――安全と未来を求めて
 【コラム16】「イスラーム国」とパレスチナ
第39章 大義を掲げる湾岸諸国――アラブの同胞か、他人事か
第40章 聖都エルサレム――占領下の生活空間
第41章 イスラエルとパレスチナの非対称性――国家主体と非国家主体
 【コラム17】パレスチナを旅行する


Ⅴ 経済と社会

第42章 パトロン・クライアント関係――近代パレスチナ社会の支配層
第43章 水と土地――権利あるいは空間をめぐる問題
第44章 ヨルダン川西岸の産業――実地調査から見える現状と課題
 【コラム18】パレスチナの伝統工芸品
第45章 パレスチナの農業――資源と市場への限られたアクセス
第46章 農村の生活――パレスチナの文化を育む農村の暮らし
第47章 通貨と金融――オスロ合意は何をもたらしたか
第48章 公共部門と公共サービス――あまりに不安定な現実
 【コラム19】アンマーンの交通事情と難民
第49章 ワクフ――翻弄されたイスラーム的信託制度
第50章 難民の初等・中等教育――UNRWAの教育と育つ人材
第51章 占領下で学ぶ――大学設立にかけた願いと挑戦
 【コラム20】記録し、発信する――パレスチナ研究機構の挑戦
第52章 変遷する障害者福祉――誰も置き去りにしない社会に向けて
 【コラム21】分離壁


Ⅵ パレスチナと日本

第53章 対パレスチナ外交――人的交流から資金援助まで
 【コラム22】アラファートの日本訪問とIPTIL
第54章 日本に来たパレスチナ人――パレスチナ駐日代表アブドゥルハミードと日本
 【コラム23】PLO東京事務所と日本
 【コラム24】李香蘭とパレスチナ
 【コラム25】「天よ、我に仕事を与えよ」――自己否定と弱者の政治=軍事再考
第55章 日本の経済支援――国際協調と地域安定への試み
第56章 日本の医療支援――パレスチナに根づいた支援
第57章 市民社会による支援――1万キロを越えての連帯とその課題
第58章 イスラエル・ボイコット運動――パレスチナにおける「アパルトヘイト」廃絶への挑戦
第59章 フェアトレード――生活の糧としての伝統工芸
第60章 日本のジャーナリズムとパレスチナ――エルサレム特派員が見たオスロ合意
 【コラム26】戦前・戦中の日本とパレスチナ

 パレスチナを知るための文献・情報ガイド

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