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安保法制の正体
本体1,600円+税
ISBN 9784750343075
判型・ページ数 4-6・248ページ
出版年月日 2016/02/25

安保法制の正体

「この道」で日本は平和になるのか

2015年9月に強行採決された安保法案。2014~15年にわたる西日本新聞の長期連載「戦後70年 安全保障を考える」をベースにまとめた本書は、日本をとりまく安全保障の現状を徹底検証するとともに、これからの日本の行方を探る。

 はじめに

第1章 若者が語る安保――沖縄から
 沖縄戦跡を巡る――ガマの遺骨に絶句、「リアルな死」と向き合う
 基地に頼らぬ沖縄へ――「高い依存」という誤解
 米軍基地――見て感じて考えよう
 安保法案――難しすぎる国の説明
 まず意思表示しよう

第2章 積極的平和主義の先に――欧米諸国からの警告
 「後方は安全」幻想――状況変化でいつでも戦場に(ドイツより)
  ・治安維持任務の実態
  ・「戦友の命日」の入れ墨
 テロの惨劇はある日突然に(スペインより
 帰還兵の戻らぬ心(米国より)
  ・急増する心的外傷後ストレス障害
  ・戦場の記憶から命を絶つ
 監視社会――侵害される私的情報(米国より)
 アフガン派兵とその代償(ドイツより
  ・国外殉職兵の追悼施設
  ・高まる報復テロの危険性
 誇るべきは日本の歩みでは(ドイツより)
  ・負の歴史を街に刻む
  ・「普通の国」になるということ

第3章 国防を問う――変貌する自衛隊
 陸自、砂漠の戦闘訓練
  ・中東を想定、「本番」へ布石?
  ・米軍公式サイト「砂漠戦を指導」、陸自「並んで戦える」
 「戦地と同様」情報公開報告書で判明
 米戦闘モデルの反映を狙う?
 「旧式装備購入で米へ恩」――対中抑止力の強化狙う
 「南西の守り」に急ごしらえの不安も
  ・空飛ぶレーダーサイト
  ・東シナ海、中国機の活動活発化――緊急発進、10年で5倍超
 海外派遣――見えぬ出口、増す危険度
 弾道ミサイル防衛――巨額投資、効果は未知
 募集施策――住基台帳使い大量DM
 自衛官が“高齢化”――22年で4歳上昇、体力に懸念
 緊迫の尖閣諸島周辺――海自の任務拡大、多忙化に拍車
 政府の隠蔽体質――海外派遣の見えない実態
 陸自配備に揺れる島――沖縄戦の教訓と住民保護
 ミサイルやテロに備える「避難誘導マニュアル」
  ・市町村「想定難しい」――有事マニュアル作成4割
  ・住民守る構えに地域差――「人手足りない」「災害優先」「普段から確認重要」
 一人も殺さず、一人も殺されず――イラク派遣後28人自殺
 防衛力の基盤は国民理解――欠かせぬ自衛隊の戦略
 戦後70年――変貌する自衛隊の歩み
  ・1950~1990年 日陰者の時代
  ・1991~2000年 初の海外派遣
  ・2001~2014年 海外活動拡大
 憲法9条をめぐる極秘文書――米「改憲より解釈変更」
 「日本の軍事大国化懸念」米極秘文書(寄稿)[京都外大教授 菅英輝氏]
 元海将の憂い
  ・不戦へ抑止力強化を――「撃たせず」が自衛隊の道
  ・海外派遣の拡大――増大する政治の責任
  ・同盟の現実――「ノー」は難しくなる

第4章 基地、その足元で――迫る沖縄知事選
 米軍、沖縄集中の源流
  ・基地を隠し反感減らせ――1956年米政府極秘文書
  ・仕組まれた無関心――本土懐柔は米が筋書き
 見えぬ基地――福岡空港(旧米軍板付基地)
  ・米極秘電文「有事の能力維持」
  ・基地不可視化の戦略
 嘉手納基地――不誠実な国の対応
  ・沖縄にも、移転先にも
  ・「名ばかり」の負担軽減
 普天間飛行場の「県外移設」
  ・総論賛成、各論反対
  ・県外移設断念――鳩山元首相「未熟さ謝罪」
 基地の街、沖縄と佐世保――戦争の痛みに温度差
 苦痛生む安保の矛盾――日米地位協定
 本土メディアは基地問題の本質を伝えているか
 思いやり予算――ゲートの先の見えない負担
 沖縄独立論――負担減らず深まる溝

第5章 日米同盟を問う――11・16沖縄知事選
 九州も応分の負担を[元中国大使 宮本雄二氏]
 沖縄基地の増す重要性[元防衛省事務次官 守屋武昌氏]
 基地返還を政府が阻む[元沖縄県知事 大田昌秀氏]
 県内移設に合理性なし[元内閣官房副長官補 柳沢協二氏]
 強固な同盟が挑発防ぐ[元防衛相 小野寺五典氏]
 海兵隊撤退への道筋[沖縄在住のフリーライター 屋良朝博氏]
 「立ち位置」選択の時[NPO法人「ピースデポ」特別顧問 梅林宏道氏]

第6章 戦争報道と平和
 報道が止めたベトナム戦争
  ・暴いた真実が終戦導く
  ・自粛・規制で遠のく現場――偏る視点、現実と落差 
 命懸け伝える覚悟――故山本美香さんが信じた「抑止力」
 中東取材に高まる障害――「日本人は安全」は過去
 イラク自衛隊取材ルール――メディア統制の教訓に
 不条理や裏側を伝える――故後藤健二さんの葛藤
 メディアの役割とリスク管理――社会の関心つなぐ工夫と努力
 絶えぬ紛争を伝える決意――ベトナム終戦40年式典
 今こそ「戦争報道」を問い直す時(寄稿)[ジャーナリスト 永井浩氏]

第7章 中村哲がつくる平和――戦乱のアフガンから
 銃は何も生まない――用水路で60万人潤
 掲げられない日の丸――自ら信頼を崩そうとするのか
 国際治安支援部隊アフガン撤退――治安悪化、2014年民間人犠牲3000人超す
 消えたケシ畑――テロの根を断つ命の尊重
 自立支援――人材育てて技術広げる
 宗教理解が負の連鎖止める
 望みはただ平穏な生活
 平和には戦争以上の忍耐と努力が必要
 故郷の復興こそ日本の道(寄稿)[PMS総院長 中村哲]

第8章 安保法案、この道の先は
 米軍と一体化、軍拡の連鎖[早稲田大教授 野中章弘さん]
 国民をどう守るかが置き去り[中京大教授 佐道明広さん]
 止められるのは私たち[福岡大空襲の経験者 渡辺チヱ子さん]
 言葉の本質、見極め必要[遺骨収集を行うNPO法人理事長 塩川正隆さん]
 国益とリスク見極めを[元海将補 小林拓雄さん]
 戦争は「自衛意識」から[映画監督・作家 森達也さん]
 戦争は人間を狂わせる[沖縄戦体験者 吉嶺全一さん]
 対テロ戦には加わるな[元陸将補 吉田邦雄さん]
 一度クールダウンして[コラムニスト トコさん]
 日米同盟の強化不可欠[熊本県立大理事長 五百旗頭真さん]
 戦地派遣の徹底検証を[情報公開クリアリングハウス理事長 三木由希子さん]
 リスク負うのは誰の命[困窮する若者支援の社団法人理事長 坪井恵子さん]
 安倍首相、わしと議論を[漫画家 小林よしのりさん]
 安保は「安心供与」から[成蹊大教授 遠藤誠治さん]
 大義なき戦争で死ねぬ[元2等陸曹 末延隆成さん]
 遺書書かされる自衛官[弁護士 佐藤博文さん]
 一番まずいのは無関心[西南学院大3年 後藤宏基さん]
 物言わぬ党内に危機感[法案反対の自民・広島県議 小林秀矩さん]
 国民の理解が士気の源[自衛隊後援会長 佐々木吉夫さん]
 国際法に違反の恐れも[軍事問題研究会代表 桜井宏之さん]
 採決は国民主権の否定[九条の会福岡県連絡会 村井正昭さん]
 かすむ平和国家ニッポン[イラク支援ボランティア 高遠菜穂子さんに聞く]

 おわりに
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